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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■まずは激しさから

2008.12.13


「しっかりと意図があってボールをつなぐサッカーをしたい」

簡単にいうと僕の理想のサッカーはそれです。
その理想的な形をできるだけコンスタントに、より質を高めようとサントゥチュInfantil A(U-13)で試行錯誤をしているところです。

チーム全員でしっかりとボールをつなぐこと、個人判断力/グループ判断などの練習をしています。その甲斐あって、判断力や考える力はかなりついてきました。イメージどおりボールを運ぶこともできるようになりました。

もちろんまだまだ発展途上ではあるのですが、しかし、何かが決定的に足りない。

緊迫する試合になればなるほど勝ちきれないことがよくあります。勝負どころでゴールを決め切れなかったり、肝心なところで相手を止めることができなかったり。

またはきれいにつなごうとすることが災いし、プレーが軽く、接触プレーを嫌うようになったりするんです。

それはなぜなのでしょう?
足りないものとは一体何で、それはどうすれば身につけられるのか? を考えています。

そんなとき、スペインに旅行に来ていた日本人のコーチと一緒にサッカーを見ていて「こっちのサッカーは本当に激しい。スペインサッカーとはつないでつないでと綺麗なイメージがあるけど、それだけじゃない。トップレベルにたどり着くまでには、その激しくぶつかり合うサッカーに慣れないといけない。そこで活躍できないと本当に上にはいけない」と話をしてくれました。

そうか。僕に足りなかったのは「まず激しく戦うこと」だったんだと気がつきました。選手たちを乗せ、モチベーションを上げて「とにかくまずは相手に負けないぞ!!」と激しく戦う習慣をつける。

ハイリズムで試合が戦えるようになる。例えやみくもに頑張っているだけであってもです。

そういう強さがベースにできてから、「判断すること」「落ち着いて状況を見ること」などを教えていかないといけないのではと思いました。順番が逆ではいけない。

最初から考えさせる練習をすると、どうしても練習の強度が下がってしまいます。
選手たちも考えたり、どうしようかと戸惑ったりするわけですから、ハイテンポにはなりにくい。

僕はまず考える習慣をつけさせてから、そのあと強度を上げていこうと考えていたのですが、そのやり方だとどうしても本当の意味での激しさが足りなくなります。

いくら質が低くても相手に激しく当たることができ、ハードワークをいとわないチームは簡単には負けません。

このベースがあって、さらにしっかりとした意図のあるサッカーができれば強いチームになることができるわけです。

練習の中からもっと激しさ、厳しさを求めていかないといけないと気がつきました。

それもこれも、「勝負にこだわる」ことを意識せざるを得ない状況、そして周りからもいわれるおかげで気がついたことです。

肝心なところで勝ち切れないのはなぜなのだろうか?
何が足りないのだろうかとずっと考えていたんです。

批判や厳しい指摘は確かに耳に痛いですが、きちんと聞き入れ、自分なりに考えていかないといけないんですね。

怒鳴るのとは違う。
激しさ、戦う気持ちや闘志を前面に押し出したプレー。強さとは、苦しいときもあきらめないことや継続して行うことも含まれます。

そんなプレーが常にできるような選手に育てていかないといけないわけです。
まずは僕自身から始めなければ!

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