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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■たくましく生きる選手

2008.10.17


スペインリーグ2部B(実質3部)は、厳しい競争を勝ち抜いてきた選手たちばかりです。かつて1部や2部で活躍したベテラン選手もたくさん所属しており、若手選手は「これから1部で活躍するぞ!」と野心を抱いています。

2部Bはスペイン全土を4ブロック(各20チームで計80チーム)に分けており、大半の所属選手はプロです。つまりサッカーをして、それで生活をしている人たちです。ファンもクラブによっては5000人、6000人が常時集まるところもあり、逆に500人入れば多いほうというクラブもあります。

同じカテゴリーでもずいぶんと大きな差があります。

バラカルドはプロクラブではありません。何人かはかなりいい給料をもらっていますが、すでに将来のこと(サッカー人生終了後)も考えて、中堅選手の何人かは別に仕事を持っています。

一見、華やかな舞台に見える2部Bですが、そうではない現実がたくさんあります。

先日はサンティアゴ・コンポステーラという町(巡礼の旅で有名なところです)で、シスダード・サンティアゴというチームと対戦することになりました。ちなみにビルバオからこの町までバスで8時間強かかります……。

当然、飛行機なんかで行くお金はありません。選手たちは土曜日の午前中、バスに揺られ、途中で昼食を取り、夜に現地到着。ホテルに泊まり、翌日日曜日の18時キックオフの試合を戦い、そのまま帰ってくるわけです。

僕は自分のチーム(サントゥチュU-13)の試合があったため、バラカルドに帯同することができず、出発直前の練習に行ったんですが、バスに乗り込む選手たちを見ていて「あれ?」と思うことがありました。

「My枕」を持参している選手がいて、それは「長いバス移動で首が痛くなるんだろう」と理解しましたが、他に、腹筋をするときに使うマットを持ってバスに乗り込む選手がいたんです!!

彼らは月曜日に仕事がある組で、日曜日の夜に試合をやってビルバオに帰ってくるとなると到着は朝5時ごろです。そのまま仕事に向かわないといけないので、マットをバスの通路に引いてそこに寝転がって仮眠を取るんです。

信じられませんが、それが現実。彼らのたくましさ、「生きること」の本気さ、強さ。

サッカーだけをして食べていくことの厳しさを痛感しました。

そんな彼らの姿を見るだけで、まだまだ自分は甘いなと思いました。
今度はアウェーに帯同し、長時間のバス移動のつらさを身を持って体験したいと思います!!

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