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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■メッセージの送り手と受け手

2008.8.28

「コミュニケーション」

自分の思いを誰かに伝え、さらにそれを確信してもらい、
実行してもらうということはなんと難しいことでしょうか。

ついつい送り手は「わかってくれているだろう。伝わったはずだ」と思っていても、それが理解されなかったり、自分の意図どおり相手がくみ取ってくれていないと、「なんで! 自分はちゃんと伝えたのに!」と考えてしまいます。

いった=伝えた、伝わった、伝わったはず、伝わったつもり??

これは日常生活でも多く起こることですが、
サッカーの場面ではそれがチームに大きな影響を与えます。

基本的にメッセージの送り手は監督です(いつもそうとは限りませんが)。
受け取り手は、当然、選手たちになります。

  ① 監督の意図を選手たちに伝える
  ② それを確信してもらう(少なくともやってみようと思わせる)
  ③ 実行→反省(フィードバック)

となるわけですが、特に大人の場合、これまでの経験や自分の得意なスタイルがあるわけで、なかなか「確信させる」のが難しいのです。こだわりやプライドもありますし。

よって必要なのは話し合いです。お互い納得するまでとことん話し合う。監督がいったことを選手がやるだけという一方通行のコミュニケーションはもう通じません。選手たちもきちんと自分たちの思いを言葉にしないと。

後から陰で、「監督はああいってたけど、それはないよね」なんていっていれば、遅かれ早かれチームとして破綻(はたん)をきたすだけで、そうなることは選手本人にとっても有益なことではないはずです。

なので、具体的にどんなところに疑問があり、
「どうしていけばチームにとって良いのか?」を徹底的に話し合うのです。

現在携わらせてもらっているバラカルドの選手たちとアルベルト監督を含めたスタッフで、先日、練習前に1時間ものミーティングが行われました。

アルベルト監督はコミュニケーションを図るのが非常にうまい監督で、試合翌日の練習のミーティングでは大抵、選手たちに試合の感想を話させています。

もちろんチーム内部のことなのであまり詳しくは書けませんが、このミーティングのおかげで選手たちとスタッフ間での共通理解、方向性が明確になり、「それで頑張っていこう」とチームがさらに結束しました。

「チームとしてどう戦っていくのか?」という方向性がはっきりしない、もしくはそのスタイルに疑問を抱えている状態でシーズンを迎えるのがいちばん危険です。

しかし、やるべきことが明確になると、選手たちは本当に力が発揮できるようになるんだということを間近で見せてもらっています。もちろんこれまでにも一生懸命頑張って練習を重ねているわけですが、方向性が定まるだけで力の発揮具合が大きく変わります。

このミーティング後の練習は今シーズンで最も集中し、出来の良い練習となりました。

もうすぐ始まるシーズン開幕に向けての準備段階。チーム作りのその課程を見させてもらい、本当に勉強になります。

僕もまずは良いメッセージの送り手になれるように、そして、さらに選手の思いを引き出し、それをしっかりと聞く耳を養わないといけませんね。

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