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2008年7月18日
スペインの育成の現実から考えてみる②


2008年7月10日
スペインの育成の現実から考えてみる①


アルゼンチン 南米通信
~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~
イングランド 新・イングランド通信
~No Football No Life~
スペイン スペイン通信
~Entrenador KAZU~
イタリア イタリア通信
~ジョカトーレ まことの挑戦~
メキシコ メキシコ通信
~Si se puede!やればできるさ!

   ■休載中■
ドイツ ドイツ通信
~夢をリアルに~
イングランド イングランド通信
~inside walker~

トップコラムワールドサッカー通信局>スペイン通信 ~Entrenador KAZU~ スペインの育成の現実から考えてみる②

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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■スペインの育成の現実から考えてみる②

2008.7.18

前回の続きになります。

純粋に個人技術だけを伸ばしておいて、その中の優秀な11人で試合に挑むというよりも、「最初に獲得した選手でいかにチームとして戦うか?」というところからスタートし、その中で現れてくる個人、チームとしての欠点を見極めていくのがスペインの育成の現実。いかにチームを作り、個人の長所をいかにチームに落とし込み、勝利に結びつけるかがチーム作りの根本になると思います。

よって、チームの全員がリフティングを100回できなくても構わないですし、フェイントやドリブルがうまくなくても「強いチーム」になり得る。その中でうまいといわれる選手、目立つ選手が「チームの中で光る個」になるわけです。それはチームの勝利に連結している個であり、ただ単にボール扱いがうまいという意味ではありません。ボールを奪う力強い個もありますし、中盤でチームのバランスを取る個もあります。それぞれがチームにとって必要なもの。11人ドリブルがうまい選手を集めても試合には勝てません。

指導者はそれぞれ選手が持っている特徴を見ながら、チームとして最もベストだと思われる組み合わせやスタイル、戦い方を見極めていかないといけません。サッカーは1+1+……と11人を足しても合計が11になるとは限らないからです。10になるかもしれませんし、15になるかもしれません。

決して指導者が自分のやり方に選手たちを当てはめるというネガティブなものではありませんし、選手をロボットのように扱うという意味でもありません。

チームで勝利を目指す。その方向性を示すのが指導者の役割。それはサッカーが団体競技である以上当然のことなのです。ロナウジーニョを11人集めてもサッカーにはならないというのはおわかりいただけると思います。チーム全員がロナウジーニョのようなプレーをできるようになる必要もない。
それぞれ選手はチームの中で、チームがより機能するための役割を持ち、それを遂行する11人が必要なのです。

それが最高のやり方だからそうしなさいというわけではありませんし、そんなことがいいたいのでもありません。すべての事柄には良いところと悪いところの二面性を持っていますから。
スペインのやり方でも、もちろん問題は出てきます。

例えば、すでに挙げたように個人個人の短所を改善することに割く時間が少ないですから、利き足以外でほとんどボールが蹴れない子、一つのポジションしかできない子など、片寄りが出てきます(それが個性であるといえますが)。また、指導のほうでも足の運び方や体の向きなど細かいところにあまり目が届きません。

ただ、それでも現在の方法で多くの優秀な選手が出てきているのです。だから今もなお、「なぜスペインで育成が成功しているといわれているのだろうか? 原因は何なのか?」と考えるわけです。

そうすることで少しでもサッカーの本質に近づくことになれば良いのですが……答えのない道をさらに歩き続けたいと思います。

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