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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。
「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■改めて知ったクラブの偉大さ

2008.6.27

先日行われたクラブの指導者会議により、来シーズンの去就が発表されました。

僕の担当はU-13チーム監督と、引き続きエリッ監督のU-18チームのアシスタントコーチをすることでした。エリッ監督とも「来シーズンも残留に向けて一からチーム作りだね。頑張ろう」と話をしていたんです。

しかし、ようやくすべてが決まって一安心と思っていたら、大事件が!

なんと数日後、エリッ監督がアスレチック・ビルバオに引き抜かれることになったのです! 「え? ついこの間一緒に頑張ろうっていってたのに!」とあまりに急な話でびっくりしました。

しかし、考えてみればユースレベル最高峰のリーグで、クラブ史上初めての残留とさらに5位という成績を残し、歴史的快挙を成し遂げたエリッ監督にオファーが来てもおかしくないわけです。

一緒に一年間やらせてもらっていた監督がアスレチック・ビルバオに。素直にうれしく思いましたし、そんなすごい監督と一緒にいさせてもらえていたんだと思うとすごい経験ですし、感謝の思いでいっぱいです。

エリッ監督いわく、まだ正式にサインしたわけではないそうで、現在クラブからの連絡待ち状態だそうですが、ほぼ間違いないでしょう。そしてアスレチック・ビルバオではU-14の監督になるそうです。

すごいと思ったのが、新聞やラジオで、どこから情報を仕入れたのか「アスレチック・ビルバオU-14監督、エリッ・カミネロが就任」と報道されたこと。

まだ本人も何も知らないし、正式決定していないのに……。そのニュースを知り、多くの人が決定したんだと思い「エリッ、おめでとう!」とメールや電話が届いたそうです。

エリッ監督本人は、「いや……まだ正式に決まったわけじゃないから」と困惑したそう。これがメディアの力なのでしょうか。ウワサやまだ正式に決まっていないことを報道すれば、それがあたかも真実のようになる。報道の力の怖さを感じました。「他人のほうが俺より、俺の去就のニュースを詳しく知っているんだから、ビックリだ」と笑っていましたが。

今回の移籍で、改めてサントゥチュというクラブの偉大さを感じました。

なんと来シーズン、サントゥチュのすべてのカテゴリーを合わせて、指導者から選手まで計12人がアスレチック・ビルバオに移籍することになったからです。
エリッ監督の場合、試合はもちろん、練習にもしょっちゅうスカウトが見に来ていたそうです。

前に知り合いがいっていたことを思い出しました「サントゥチュはすごく注目されるクラブ。そこで頑張れば道は開ける」と。

見られているから頑張ろうというのはいやらしいですが、改めて自分が置かれている環境のすごさに驚き、受け入れてくれているクラブに感謝したいです。

それに「本当に自分も頑張れば可能性は広がるかもしれない」と思うと自然とモチベーションは上がります。来シーズンの去就は今回のことで全くの白紙状態に戻ってしまったのが心配ですが、とりあえず今はクラブからの連絡を待つことにしましょう。

ただ、僕の場合、能力が足りないのはもちろん、その前に「日本人である」という理由でアスレチック・ビルバオには入れないかもしれません……(失笑)。

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