STRIKER DX

ストライカーデラックス
ショップ.学研 Gakken
www.soccerstriker.net
トップページ マッチレポート コラム トピックス セレクション バックナンバー ムック リンク
最近のコラム


2008年9月25日
プレシーズンに必ずすること


2008年9月18日
バラカルドと日本


2008年9月11日
退屈だけど必要不可欠なこと


2008年9月4日
カテゴリーにだまされない


2008年8月28日
メッセージの送り手と受け手


2008年8月22日
大人の駆け引き?


2008年8月15日
憧れのプロ選手と友達になる


2008年8月12日
初めての経験


2008年8月4日
走れる選手が良い選手?


2008年7月25日
アスリートか、サッカー選手か


2008年7月18日
スペインの育成の現実から考えてみる②


2008年7月10日
スペインの育成の現実から考えてみる①


2008年7月3日
ユーロ優勝がもたらした一体感


2008年6月27日
改めて知ったクラブの偉大さ


2008年6月22日
スペインのコーチングスクール


2008年6月15日
スペイン中がEURO2008一色!?


2008年6月6日
まだまだ続くスペインの下部リーグ


2008年5月29日
そわそわする時期


2008年5月22日
本当にすごいヤツは、全国大会に出ていない


2008年5月16日
シーズンの“調整期”とは?


2008年5月9日
ミスの種類②


2008年5月1日
ミスの種類①


2008年4月24日
スペインリーグ1部の審判


2008年4月18日
やりたくない職業


アルゼンチン 南米通信
~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~
イングランド 新・イングランド通信
~No Football No Life~
スペイン スペイン通信
~Entrenador KAZU~
イタリア イタリア通信
~ジョカトーレ まことの挑戦~
メキシコ メキシコ通信
~Si se puede!やればできるさ!

   ■休載中■
ドイツ ドイツ通信
~夢をリアルに~
イングランド イングランド通信
~inside walker~

トップコラムワールドサッカー通信局>スペイン通信 ~Entrenador KAZU~ スペイン中がEURO2008一色!?

Column コラム
海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■スペイン中がEURO2008一色!?

2008.6.15

フェルナンド・トーレス、セスク、シャビ、イニエスタ、セルヒオ・ラモス、さらに世界でも3本の指に入るGKといわれているカシージャス。役者はそろいました。今回のEURO2008は、本当に期待できるメンバーが集まったのではないでしょうか。

これまで毎回優勝候補に挙げられながらも、国際舞台で結果が出せなかったスペイン代表。
その歴史を覆そうと、ついに国民がそれぞれ地元意識を捨てて一致団結するときが来たのです。ベランダにはスペイン国旗が掲げられ、レアル・マドリードファンもバルサファンも、アスレチック・ビルバオのファンも肩を組み、そして「我らのスペイン代表」を応援する。スペイン中がEURO2008の熱気に包まれる――。

……なんてことは絶対ない。

本当にスペインも国を挙げて盛り上がっているのかと思った皆さん、申し訳ありません。上の話は空想であり、現実にそんな状態になるわけがありません(笑)。

スペイン代表が勝てない理由はいろいろありますが、一つには国民の代表チームに対する関心がかなり低いことが挙げられると思います。おらが町のクラブは熱心に応援するけど、代表チームには興味がない。そもそも「自分はスペイン人だ」と思っていない人もたくさん存在するような状態。これは内戦の影響もあります。内戦当時、独自の文化を持っていた地域は中央政府からその独自文化を禁止され、中央政府(マドリード)に従うように迫害を受けたのです。

その反動が少なからず影響を与えていることもあるので、一概にダメなんだとはいいきれない複雑な事情があるんですが。

僕が住んでいるビルバオは、バスク地方というこれまた独立意識の強い(自分たちをスペイン人だとは思っていない人が多い)地域です。ですから、他の地域と比べて、さらにスペイン代表に対して興味がない人が多いのです。むしろ毛嫌いしている感も。

バルセロナもそうかもしれませんが、少なくともFCバルセロナの選手は数名、代表に招集されていますから、見る人はいるでしょう。しかし、アスレチック・ビルバオからは誰も招集されていませんから、余計に誰も見ません。

先日EURO2008が開幕しましたが、まるで「自分の国は出場していない大会」かのような振る舞いです。新聞の取り扱いもそれほど大きくない。
それよりも関心があるのは、まだ終わっていないスペインリーグ2部の結果や3部、4部の昇格をかけて戦うプレーオフの情報。

また、「あの選手は戦力外通告を受けて移籍先を探しているけど、交渉が難航しているらしい」とか「あのクラブにいる選手を獲得しようとしている」など、やはりアスレチック・ビルバオのクラブの去就問題ばかり。

ちなみに僕は大会開幕直前に行われた、スペイン代表のアメリカとの親善試合を、隣町のサンタンデールまで見に行ったんです(サンタンデールはバスク地方ではありません)。

現地で同じく指導者の勉強をしている日本人の知人に、「滅多にサンタンデールで代表戦は行われないし、もしかしたら、いい席は売り切れるかもしれないから」と、余裕を持って、早めに買いに行ってもらったんです。

すると列ができていたどころか、誰も買いに来ている人はいなかったそうです。そして、試合当日のスタジアムはガラガラでした……。

試合に向かうバスに乗っていたときに、友達であるアスレチック・ビルバオの育成コーチから電話がかかってきました。大げさかもしれませんが、そのときの会話が、スペイン代表の勝てない理由を物語っているように思いました。
以下に会話を簡単に紹介します。

友達:「KAZU。今何してるんだ? 何! サンタンデールに向かってるって? 何をしに行くんだ?」

僕:「スペイン対アメリカの試合を見に行くんだよ」

友達:「ふーん。そうか。ところでいつ試合をやるんだ? 明日か?」

僕:「……。今日の22時からだよ。知らなかったの? 君みたいに代表に興味がない人がたくさんいるからスペインはいつまでたっても勝てないんだぞ(笑)」

友達:「だって俺、スペイン人じゃなくてバスク人だもん」

終了。

僕はスペイン人でもバスク人でもありませんが、ひそかにスペイン代表を応援したいと思います。でも、またやっぱりいつものように(?)期待を裏切られそうで怖いです……。

ゴール裏はガラガラ
ゴール裏はガラガラ
次のコラム← ワールドサッカー通信局トップへ →前のコラム

【注目】「井戸端会議で、毎日何を話してんだ」主婦たちの日常をこっそり教えます。
ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク