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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■シーズンの“調整期”とは?

2008.5.16

リーグ戦も終盤にさしかかってくると、1試合の重みがずいぶんと変わってきます。

優勝争いをするチーム、残留をかけて戦うチームなど、思いはそれぞれ違いますが、ラストスパートをかける時期です。

サッカーのシーズンはプレシーズン、ハイシーズン、オフシーズンと分かれています。そしてだいたい3月ぐらいから、シーズン中に練習量を減らしたりする調整期と呼ばれる時期に入ります。

当初僕は、「シーズン終盤、大事な時期に練習量を減らすなんてやる気あんのか?」と一人憤慨していましたが、最近その意味がようやくわかりました(笑)。

というのも、シーズン終盤になってくると、疲れ(特に精神的なもの)がたまってくるのです。よってケガを誘発したり、モチベーションが下がったりします。

“練習、練習、練習、週末に試合”の繰り返し。それによって選手も厳しいリーグ戦に順応してきますが、次第に飽きてきて、変わらない日常にモチベーションを保つのもまた難しくなります。それはいくら勝っていても変わりません。(負けていた場合はもっとひどい……)

わかりやすくいうと、燃え尽きそうになるというか……そんな感じです。

また、チームとして長い時間を過ごして練習していく中で、やるべきことはイチイチいわれなくてもわかってきます。
基盤も固まってきますし、新しい刺激が少なくなることも事実。

なので、練習量を減らすわけです(主に16歳以上のチーム)。

プロチームの場合、心理面の作用、積極的休養を取り入れるために、ときには練習場を変えて郊外で練習を行います。そのままホテルでご飯を食べてゆっくりしたり。

その際に、結束力を高める意味で、選手全員とスタッフでバーベキューパーティーが開かれることがよくあります。

また、大浴場でリラックスする、みんなでビーチに行って練習をするなど環境をあえて変えて、気分を少しでも一新できるように努めます。

先日、われらがサントゥチュJuvenil A(18歳)の練習では、ウオーミングアップに「ドッジボール」が取り入れられ、選手は本当に大はしゃぎで練習をしていました。いくら練習メニューを毎回変えても、選手たちが「サッカーそのものに飽きてしまっている」ことがあります。

とはいえ、「サッカーの練習を辞めよう」というわけにはいきませんから、いかに練習の中でモチベーションを維持させるかが大切になるわけです。

その話をエリッ監督にすると、現役時代、調整期に入るとフリスビーを使ってボールポゼッション感覚を養ったり、フリスビーラグビーをしたり、ラグビーボールで試合をするなど、気分をリフレッシュさせる工夫を、かつての指導者はしていたと話してくれました。なるほど。

しんどくなるときこそ歯を食いしばって頑張れ! という感じではなく、ある意味人間の本能(性質?)に従って、「この時期はリフレッシュをすることが必要で、それによってさらにリーグで頑張れるのだ」という考えです。

頑張りどころを知るというか。オンとオフの切り替えをうまくするというか。

僕はどちらかというと、この考え方のほうが好きです(笑)。

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