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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。
「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■サッカーの練習とは

2007.11.22

判断力は、判断することが要求される練習をすることでしか向上させることができない。決して、選手が本来持っている才能ではないし、放っておいて自然に身につくものではない。

という文章を指導教本から見つけました。

いわれていることは簡単でわかりやすいことなのですが、実に奥が深い。

サッカーは状況を見て、判断するスポーツ。
状況を見る、判断することが要求される(強制される)練習をしなければ、その能力は向上することはない。それは当然です。
同じ動作を反復しても、技術力は上がっても判断力は上がらない。

よって練習を、どのように設定するのかが、指導者の役割となるということです。そして、この部分で悪戦苦闘をしているわけです。

それこそバリエーションはたくさんありますから。何を基準に練習メニューを組むかというと、今のチームの目的(どういったプレーをしてほしいか、どこを改善したいか)によるわけです。

実践的練習。
言葉で理解するのは簡単ですが、実際に行うのは意外と難しい。
ついついやってしまいがちなのは、言葉で刺激を与えることだけで終わってしまうこと。もちろん指示によって(試合を意識して、もっと速くなど)、選手の意識が改善されることもありますし、それが悪いわけではないと思います。しかし、もっといい方法があるのではないかということです。

例えば、カラーコーンの間をドリブルさせながら、指導者が選手に「顔を上げなさい」と指示を出したとします。実際の試合を意識してということなのかもしれませんが、この方法では実際の試合でドリブルをしながら顔が上がるようにはならないのです。
意識が高い子は、それでも上がるようになるのかもしれませんが、ほとんどの選手は、そのカラーコーンをドリブルする練習では顔が上がっても(指導者の指示があったため、もしくは意識しているため)、試合になったら顔が上がらなくなります。

それは選手の技術的なレベルが低いからではなく、顔を上げる必要性に迫られる練習をしていないからなのです。顔が上がらないからといって、同じドリブルの練習を繰り返したところで改善はされない。

僕ら指導者は試合を意識させて「顔を上げる」ように指示を出しているのですが、試合を意識するのであれば、どうしても顔を上げないといけない状況設定の練習を組むのが最善なのです。

ドリブルの例でいうと、グリッドの中で選手に自由にドリブルさせるという方法があります。たくさん選手がおり、スペースが狭い場合、ぶつからないようにするためにはどうしても顔を上げないといけない。その他メニューはいくらでもあると思います。もちろん段階があります。全く自由にボールを操れない場合は、まずボールをある程度自由に操れるようになってからですが……

選手たちが自分たちで考える、もしくはやっている内に自然と実践技術が身についた――。そのような練習を考え出すために求められるのが指導者のイマジネーション。

選手にアイデアやイマジネーションを求めているわけですから、指導者自身もクリエイティブにならないといけませんね。

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