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メッシ、アンリ、イニエスタ、そしてロナウジーニョ……
今年のバルサは本当に強いと思わせるチームになっている気がします。攻撃陣のタレントは一級品。
それにチームの躍進を支えているのは、守備的なポジションの選手たちであることを忘れてはいけません。
才能やタレント性という話が出されるとき、決まって出てくるのは攻撃的な選手の名前ばかり。攻撃的な選手がどうしても目立つ、クローズアップされるというのは仕方がないのかもしれませんが……
しかし、どうして「守備の才能」についてはあまり言及されないのでしょう。
DFの読みや予測、ポジション取り、そして相手と粘り強く戦うことは「努力」だけで得られるものなのでしょうか?
そうではないと思います。
僕らがあまり目を向けていないだけで、絶対に「守備の才能」もあるはずです。
いちばん顕著に守備の才能が見えるのはインターセプトではないでしょうか?
インターセプトができる選手というのは、インテリジェンスのレベルが高いと僕は勝手に解釈しています。
しかし彼らはインターセプトの練習をいつもしていたかというと、答えは「NO」でしょう。もちろんミニゲームや練習中にタイミングをつかむこともあると思いますが、大半は選手の「読み」だと思います。
これは才能ではないでしょうか?
ということは、この才能をやはり僕ら指導者は見いだしてあげないといけない。守備的ポジションの面白さを理解させないといけない。
なぜこんなことを思ったかというと……
実は僕のチーム(13歳)に左利きでテクニックも抜群、しかもとてもインテリジェンスあふれる選手がいるのです。本人の希望ポジションは左のウィングか中盤だというのですが、僕は見た瞬間「左サイドバック」だと思いました。
もちろん僕の解釈、意見が間違っているかもしれません。
でも、彼の才能をいちばん生かせるのは左サイドバックだと、彼のプレーを見た瞬間思いました。
そして、あるとき練習試合で試したんです。
すると、これまで一度もサイドバックでプレーしたことがないとは思えない老練なポジショニング。しかも、インターセプトを連発し、そのまま攻め上がるところまで見せてくれました。しかも、ボールを奪われないのでプレーリズムが落ち着きます。これはとんでもない左サイドバックを発掘したと驚きました。
彼はまだまだ体が成長段階で、線も細い。激しいプレッシャーがかかる前線や中盤ではなかなか能力を生かしきれないことがあります。ところが左サイドバックでプレーすることによって、オーバーラップをすればフリーでボールを受けることができる。
フリーでボールを受ければ「何でも好きなことができる」。
これこそ相手チームに最も打撃を与えることができると考えました。しかし、本人は左サイドバックでのプレーをあまり快く思っていないようでした。
サイドバックというのはやっぱり魅力のないポジションなんでしょうか? どうしても技術的に劣る、もしくは責任感があって真面目な子しかプレーしないのでしょうか。
その守備のポジションに対する先入観を壊したいと思いました。
そこでその彼を呼びました。
「君はよく考えてプレーしているから、ボールが来るとプレーが落ち着く。テクニックもあるし、しっかりボールがキープできるからね。僕が左サイドバックでプレーしてほしい理由は守備のためじゃない。攻撃のためなんだ。なぜなら、君が左サイドバックでオーバーラップしてボールを受けたら、相手にいちばんダメージを与えることができる。しかも君がフリーでボールを受ければ、いちばんイマジネーションあふれるプレーができる。
決して前線や中盤で使いたくない、使えないという意味じゃないよ。試合によっては違うポジションでプレーしてもらうこともある。一生サイドバックというわけじゃない。でも、左サイドバックでプレーしてほしいという意図は理解してほしいんだけどどうかな?」と。
すると彼は「わかったよ。KAZUのいうことは理解できる。頑張るよ」といってくれました。どこまで本人が完全に納得してくれたかはわかりませんが……とりあえず一安心。
攻撃と同時に守備も重要。「守備の才能」に対する認識がもっと深まればと思います。
そういえば今年バルサが行ったヤヤ・トゥーレ、ミリト、アビダルの補強は見事だなと思いました。玄人好みというか、守備がしっかりできて、さらに攻撃(ビルドアップ)できる選手たちですね。 |