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倉本 和昌
スペイン

スペイン通信 ~Entrenador KAZU~

倉本 和昌
1982年5月19日生まれ。広島県出身。中学生時代に選手としての限界に気づき、指導者になろうと決意する。高校卒業後、アルバイト期間を経てバルセロナへ。
2006-2007シーズンより、バスク人のみで構成されるアスレティック・ビルバオの育成部コーチに。さらに地元のチーム(U-12)で監督を務めている。スペイン公認コーチングライセンス中級取得。08-09シーズンは、スペインリーグ2部B、バラカルドのスカウト兼ビデオ係およびサントゥチュ13歳チームの監督を務めている。「Entrenador」は指導者の意。

スペイン

■スペインの育成組織について①

2007.6.6

今回からスペインの育成年代の基本的カテゴリー分けやリーグ組織、システムについて紹介したいと思います。

まず、カテゴリー分けですが、図のように、ユース年代(3年間)を除いて2才ごとに分かれています。

チーム カテゴリー 試合時間 平均選手数
Juvenil(フベニール) A Juvenil(16~18歳) 45分x2 22
Juvenil(フベニール) B 45分x2 22
Cadete(カデテ) A Cadete(14~15歳) 40分x2 20
Cadete(カデテ) B 40分x2 20
Infantil(インファンティル) A Infantil(12~13歳) 35分x2 20
Infantil(インファンティル) B 35分x2 20
Alevín(アレビン) A Alevín(10~11歳) 30分x2 20
Alevín(アレビン) B 30分x2 20
Benjamín(ベンハミン) A Benjamín(9歳) 25分x2 12

地域によって若干違いがありますが、Benjamin年代から公式戦(リーグ)が始まる。それ以下の年齢の子供は各クラブが持つスクールと呼ばれるサッカー教室に登録。協会登録ではないため公式戦ではありませんが、スクール独自のリーグ戦をオーガナイズしているところもあります。

Benjamin年代は7人制サッカーを行っており、地域によってはAlevin年代も11人制ではなく、7人制を用いているところもあります。

各クラブ、通常一つのカテゴリーに2チーム(AチームとBチーム)持っており、年齢または実力によって選手を振り分けます。年齢が上のカテゴリーには制限なくいくことができますが、下のカテゴリーに当然ながら降りることはできません。

しかし、Infantil Aでプレーしている13才の選手がInfantil Bのチームでプレーすることは同じカテゴリー内なので可能です。

チームごとに監督とチームマネージャーがおり、プロクラブではそこにアシスタントコーチ、マッサー、用具係をそれぞれのチームにつけるクラブもあります。

図で見てみると9チームあり、それぞれ監督とアシスタントコーチがつくわけだから、最低でも計18名の指導者が育成に携わることになります。

そして一チームの人数は11人制の場合、20人前後です。試合でベンチ入りできるのは18人や20人なので、それ以上増えても試合に出られない選手が増えるだけで、意味がないわけです。

では、同じカテゴリーに50人選手がいた場合はどうするのか?
その場合は、シーズンが始まる前の段階で3チームに分けると協会に申請すれば問題ないのです。
そうすると一チームの人数は16人前後となり、ほぼ全員が試合に出られるようになります。

キーワードはみんな公式戦に出られることと負けても次の試合があること。

試合は最良の師という言葉がありますが、まさにスペインの育成システムがそれです。

公式戦はリーグ戦で、大人と同じようにホームアンドアウエーでシーズンを通じて戦います。18チームでのリーグ戦の場合、34試合戦うことになります。
年間で34試合と考えたらそれほど多くないように感じるかもしれませんが、34試合の公式戦です。おまけに勝っても、負けても翌週には次の試合が保証されています。
この中にプレシーズンやクリスマスなどリーグ中断期間に行われる練習試合や親善大会は含まれていません。それ以外にも強豪クラブだと全国大会へ出場したりするため、実際の試合数もこれより多くなります。

それが毎年行われるんです。単純に計算すると9才から18才までで公式戦を34試合×9年間=306試合も経験できることになります。しかも、選手のレベルに関係なく誰でも経験できるというところがこのシステムの素晴らしいところだと思います。

次回も引き続き、スペインの育成システムについて話をしていきたいと思います。

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