GAKKEN SPORTS BOOKS 最新版サッカールールブック
最新版
サッカールールブック
監修: 高田静夫
著: 三村高之
とっつきにくいサッカールールの内容を、日本人が理解しやすいようにジャンル分けして構成。判定の難しいケースもイラストを多く使って、簡単にわかるように解説。「日本でいちばんわかりやすいルールブック」の最新版。何かあったときに簡単に調べられる。
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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■大会の危機

2017.01.25

 若者の間で、サッカー人気は下火になったのか。

 ホルヘはスーパーミラーズというチームで、25年以上前から東京は杉並区のサッカー大会に参加していた。「参加していた」と過去形なのは、今シーズンは出場しないからだ。数年前から人数不足で不戦敗となることが何度かあり、新メンバーの獲得も思うようにいかないため参加を辞退した。過去には何度も優勝を飾り黄金時代を築いたこともあるだけに、今の衰退と大会からの撤退は寂しい限りだ。

 大会の参加資格は、区内在住または在勤者。杉並区は基本的に住宅街のため大きな企業が少ない。約30年前に、高田馬場の某大学のサッカー同好会のメンバーが揃って在勤者と偽って参加して優勝。その後、虚偽が判明したが、この一件から在勤者の登録審査が厳しくなった。しかも、アルバイトは認めない。このため、職場や企業のチームは少なく、少年サッカークラブや中学校のOBによって結成されたチームが多くを占めている。OBチームといっても2,3学年の仲良しメンバーが核となっており、毎年新人が入ってくるというようなことはない。

 杉並区は比較的家賃が高いので、一人暮らしや結婚すれば区外へ出るケースがほとんど。こうして、メンバーが減っていく。以前、サッカー連盟の役員だったホルヘは、外人枠(区外在住者)を作るよう数年がかりで訴えこれが認められ、現在は5名登録、4名出場となっている。しかし、それでも試合当日に11名集まらないケースが多々ある。今日、開幕戦の審判をしてきたが、片方のチームは11人ジャストで、もう1チームはキックオフ時に8名、その後1名加わっただけだった。

 メンバーの年齢が上がり40歳以上になると、一般の部からシニアへ鞍替えするチームも多い。さらに少年サッカークラブのお父さんチームもいくつか生まれ、シニアの部は大会に参加できないチームもあるほどの充実ぶりらしい。一般の部も以前は40チームほどあり、新規加盟を受け付けない状態だったが、今大会に参加しているのはわずか22チーム。毎年、いくつかのチームが消えていく。メンバーが引っ越したり年齢が高くなるからそうなるのは理解できるが、不思議なのは新しいチームが入ってこないこと。杉並区も人口は減少しているが、それほど顕著なものではない。小学生、中学生、高校生とサッカー少年はたくさんいる。彼らが高校を卒業してから仲間を集めて参戦すれば、こんなことにはならないはずだ。

 この状況は杉並区だけなのかと思い、豊島区の人にも聞いてみた。すると、以前は40チームを超えていたのに、今は一桁になっているという。豊島区の場合は池袋があるということで、全盛期には企業チームが6割以上だったという。不景気や会社移転でそういったチームがごっそり抜けたとのことだが、有志によるクラブチームもシニアへ行ったり解散して減っている。そして、新たなクラブチームは増えていないそうだ。若者のサッカー離れが始まっているのだろうか。

 大会に参加するとなると、ユニホーム2着を揃え、登録の事務手続きをし、登録料を払い、帯同審判員を用意するなどの義務が生じる。そんな面倒を嫌い、遊びのゲームや人数を揃えやすいフットサルへ流れているようだ。フットサルも遊びのゲームもいいのだが、こうした傾向が続けば、やがて市区町村の大会は予算不足で運営できなくなる。市区町村のサッカー協会や連盟のメイン活動は、このような大会だ。大会がなくなれば、協会の存続も危うくなる。そして、ほとんどの協会が少年サッカーの活動を運営または育成をサポートしているので、協会がなくなれば少年サッカーも大打撃を受ける。その先に待っているのは、日本サッカーの弱体化だ。風が吹けば桶屋が儲かる、ではないが、大会の参加チームが減れば日本サッカーが廃るのだ。そうならないため、若者たちに、ぜひ、地元の大会に参加してもらいたい。

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