GAKKEN SPORTS BOOKS 最新版サッカールールブック
最新版
サッカールールブック
監修: 高田静夫
著: 三村高之
とっつきにくいサッカールールの内容を、日本人が理解しやすいようにジャンル分けして構成。判定の難しいケースもイラストを多く使って、簡単にわかるように解説。「日本でいちばんわかりやすいルールブック」の最新版。何かあったときに簡単に調べられる。
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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■王さん、ありがとう

2015.10.01

 半月ほど前のことだが、醤油が切れかけていたので買わなければと思っていたら、思わぬことで手に入った。醤油だけではない。ミソ、とんかつソース、インスタントラーメン3個、缶ビールをセットでもらった。これは、ゴルフコンペで2位になった賞品。年期は入っているがさっぱり上達せず、最近はずっと低迷していたのに、予想外の成績を挙げることができた。

 もちろんコンペの順位は、総打数であるグロスからハンディを引いたネットによるもの。ゴルフを知らない人のために説明しておくが、ゴルフには0から36までのハンディキャップというものがある。うまい人は数字が少なく、下手なゴルファーは大きな数字だ。18ホールをラウンドした総打数がグロス。レベルの高い大会はこのグロスで順位が決まるが、素人のコンペでは、グロスからハンディを引いたネットで争われる。ハンディ5のAさんのグロスが80だったら、ネットは75。そしてハンディ30のBさんが100で回れば、ネット70でAさんに勝つ。下手でも上級者に勝てるところが面白い。

 ホルヘは28という重量ハンディを背負っているものの、最近は絶不調で入賞には程遠い状態だった。ところが今回のコンペは特殊なルールで、使用するクラブは4本という条件。これが、ホルヘに味方した。普通ゴルフは、14本のクラブを使う。クラブには番号があり、数の少ないほうが飛ぶ。非力なホルヘの場合、アイアンの9番だと100ヤードで、8番なら110ヤードといった具合。したがってゴルファーは、目標であるグリーンまでの距離に合わせ、使用するクラブを選択する。しかし何番アイアンで何ヤードというのは、しっかりミートした場合の話だ。下手なゴルファーはミート率が低く、狙った距離に達しないことがほとんど。それが通常のプレースタイルとなっている。一方上級者は、そのクラブで飛ばすべき距離をしっかり打ってくる。こうしたことから、クラブ4本というルールは上級者のほうが不利で、大方の参加者が普段よりかなり打数を増やしていた。

 ホルヘのゴルフが上達しない大きな原因の一つは、ダフリが多いことだ。ダフリとは、ボールの手前の地面をたたいてしまうことで、ボールは飛ばず、コロコロと力なく転がるだけ。打つときに右肩が下がるからということはわかっていても、これが一向に改善されない。レッスン書を何冊も読んで、「肩は平行に回せ」の教えを守っているはずなのに、気がつけば土を掘っている。しかし今回は、この問題のダフリがほとんどなかった。いくらクラブ4本のルールでも、いつものようにダフっていたら2位はありえない。実はコンペの数日前、NHKで放送した少年野球の番組を見た。王貞治やハンク・アーロンが中心となり、野球を世界的に普及させるため、各国から小学生を集めてキャンプで指導するというもの。日本の子も参加していて、その中の1人の悩みはバッティングが苦手なこと。打つときに肩が下がってしまうのだという。その子に対して王さんは、「骨盤を回してごらん。そうすれば肩は下がらないよ」とアドバイスしていた。そのときは何気なく見ていたのだが、ゴルフ場に着いてからこの言葉を思いだし、骨盤を意識したらダフリが激減。

 プロゴルファーが書いたレッスン書で治らなかったものが、「骨盤を回せ」の一言で改善したのだ。ホルヘも以前は少年サッカーの指導をしていたのでわかるが、技術指導のとき、「○○するみたいな感じでやってごらん」ということがある。技術取得のきっかけとなるイメージを伝えるのだ。しかし、感覚というのは千差万別。その言葉でイメージをつかめる子もいれば、そうでない子もいる。長嶋茂雄が監督時代、たしか中畑清だったかにバッティング指導をする際、「いいか、ボールがサッと来たらグッと見て、ガッと打つんだ」といったとか。あまりにも感覚的すぎて普通は伝わらないが、中畑はそれから打撃に開眼したという。これが実話か作り話か定かでないが、事実だとすれば、伝わるイメージは正に人それぞれということになる。したがって指導者は、イメージを伝える言葉や方法をたくさん用意してあること、つまり引きだしが豊富なことが重要なのだと思う。

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