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先日コパ・リベルタドーレスの第2戦が行われ、ブラジルのインテルナシオナルが優勝した。対戦相手のチーバスはメキシコ勢初の同大会チャンピオンを目指したが、夢はかなわなかった。しかし第1戦、第2戦とも先制し、インテルを大いに苦しめて試合を面白いものにしてくれた。メキシコ勢は招待参加なので、たとえ優勝しても12月に行われるクラブワールドカップに出場できない。準決勝を終えた段階で、南米代表はすでにインテルに決定していた。しかしチーバスは、クラブW杯の出場権を得るためでなく、自らのプライドのために戦った。一方のインテルにしても、南米代表としてクラブワールドカップに出場するからには、ここで負けては格好が悪い。
第1戦の会場は、完成したばかりのチーバスの新スタジアム。試合前のインテルは人工芝のピッチを心配していたが、その影響はほとんど感じさせないプレーをみせた。劣勢のチーバスが前半ロスタイムに先制するも、後半インテルが2点を決め逆転で王手をかけた。この試合で面白かったのは、インテルが白のユニホームなのに、チーバスのGKも白のシャツを着ていたこと。同じ白といっても、デザインは異なるしパンツやストッキングの色も違うので、敵か味方かを見間違うことはない。それでもワールドカップなどFIFA主催の大会や、FIFAべったりの日本やヨーロッパの試合ではお目にかかれない光景だ。最近は南米でも審判がFIFAナイズされ、両チームのユニホームが紛らわしい色だと、サブを着るように指示することが増えた。しかしこの試合の主審バルダッシは、南アワールドカップで笛を吹いたにもかかわらず、「見分けはつくだろ」という南米的なノリで許可したようだ。
第2戦は試合前から波乱含み。メキシコの国歌演奏は、前奏に続き選手が歌いだした途端、早々と打ち切られた。しかし国歌を短縮することは、時間の制約からあり得ることで、オリンピックの表彰式でもそうなっているはずだ。したがって、両国国歌をともに短縮したのなら問題はない。しかしブラジル国歌だけフルコーラスとなると状況が違う。フルコーラスといっても1番だけだが、わずか23秒で打ち切られたメキシコ国歌とは扱いが違いすぎる。というよりも失礼千万といえよう。怒ったチーバスの選手は、相手の国歌に敬意を表さず、その場でアップやストレッチを開始。血気盛んなバウティスタは、1人だけ列を離れ、ランニングのパフォーマンス。すると今度は、この態度にインテルサポーターが憤慨。演奏に合わせ選手と観客が歌う国歌と、バウティスタへのブーイングが混じり合うという奇妙なセレモニーとなった。さらにこの一件が尾をひき、試合終了後の乱闘へと発展していく。
バウティスタは、短髪を金色に染め、左手だけに手袋をはめている。ようするに、目立ちたがり屋なのだ。しかし能力は高く、第1戦ではペナルティーエリアの外からヘディングシュートを決めている。しかし、今さらチーバスの選手を紹介しても始まらない。気が早いが、クラブワールドカップのためにインテルの注目選手を紹介しておこう。中盤にはアルゼンチン人が2人いる。元代表のダレッサンドロとギニャス。1トップのインテルにおいて、ダレッサンドロの存在は大きい。第2戦は振るわなかったものの、ここまでの貢献度は非常に高い。ドリブル、パス、FKから多くのチャンスを作っている。ボランチのギニャスは、インテルの会長が、「なぜ彼をアルゼンチン代表に呼ばないのかわからない」といったほどさえわたっている。しかし、その顔たるや山賊か海賊。いつもはスキンヘッドに口ひげだが、第1戦はモヒカン刈りでさらにすごみを増していた。だいたい、ギニャスなんて名前がおかしい。彼がアルゼンチンのニューウェルスやインデペンディエンテでプレーしていた当時、ホルヘはその名前と容貌(ようぼう)から、てっきりパラグアイ人だと思っていた。ギニャスは「ス」にアクセントがあるので、ギニャスーという感じになる。そしてこの「スー」というのが、非常にパラグアイ的なのだ。
同じく中盤には、ドイツのドルトムントから戻ってきたティンガもいる。彼は99年シーズン、川崎フロンターレに所属していた。この試合ではMVPに選ばれている。また同じくMFのジュリアーノは、チーム最多得点の6ゴールを挙げた。そしてタイソンもサイドアタックが得意なMF。両SBのクレーベルとネイもいいし、CBでキャプテンのボリーバルも一級品の選手だ。そして、第2戦は負傷欠場した1トップのアレクサンドロもゴール前で重要な仕事をする。こうして挙げてみると、ほぼ全員が注目選手になってしまう。今年のインテルは駒がそろい、勝つべくして勝ったといえるのだろう。 |