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「うがい手水(ちょうず)に身を清め」だけでは足りないと思ったので、「ほうき雑巾で家清め」と試合開始前に掃除までして観戦したデンマーク戦。立ち上がりは心配したが、終わってみれば、スコアの上では快勝だった。この試合はアルゼンチン時間の午後3時30分キックオフ。当日の朝、フジテレビの「とくダネ!」スタッフから電話があった。もし日本が勝ち上がり、次の相手がパラグアイになった場合に備えて情報を教えてほしいというのだ。喜んで情報を提供したが、日本が負ければ、こんなものは役に立たない。また日本が勝ち上がっても、パラグアイがF組1位にならなければ同じこと。いろいろな可能性に備え、番組スタッフはニュージーランドの情報まで調べていたらしい。結局、日本vsパラグアイの対戦となったので、ホルヘ情報が多少は役に立ったようだ。
日本では、オランダ戦を「惜敗」ととらえているようだが、アルゼンチンでは「つまらない試合」と切り捨てられた。「10人で守るようなのは、サッカーじゃない」というわけだ。北朝鮮の大敗なども引き合いに出し、辛口コメンテーターは、「参加国の実力差が大きすぎる。だから、7-0とか守備一辺倒のつまらない試合になる。以前のように、参加国を24チームにすべきだ」といっていた。しかし参加が24カ国なら南米の出場枠は3か3.5なので、今回予選で苦戦したアルゼンチンは出場できなかったことになる(枠が3カ国の場合)。本大会で調子がいいからといって、そんなことも忘れて大口をたたくのだから困ったものだ。
日本選手の評価は、カメルーン戦では中澤と本田がよかった。本田は終盤から批判も受けたが、中澤は終始絶賛されていた。オランダ戦は、「ブラジルのサムライ」と紹介されたトゥーリオ。彼はドログバを負傷させたことで悪役扱いされ、カメルーン戦では冷ややかな目で見られていた。しかしオランダ戦の活躍で、それは完全に払しょくされた。そしてデンマーク戦は、本田、本田、本田。ただそれは、2-0になってからのこと。FK2発で2-0というのは、守備的サッカーに幸運が舞い降りただけ、と思われていたからだ。事実、立ち上がりの日本は攻め込まれていた。さらに、無回転シュートが本田の必殺技だということも知られていないので、先制点はデンマークGKのミスということで片づけられた。そして2点目となる遠藤のFKも、デンマークのカベのつたなさが指摘されただけ。キッカーから見て右側に1枚足りない上、いちばん右に入った選手が小さかったというのだ。たしかに、そういわれればそうなのだが、キッカーも少しは褒めてほしかった。しかし2-0以降デンマークが前がかりになって前線で本田の存在感が増すと、彼の評価はうなぎ上り。3点目のアシストでは、「アルゼンチンのようなプレーだ」と絶賛。しかし褒め言葉が「アルゼンチンのようなプレーだ」というのは、なんと傲慢なことか。
パラグアイ戦がどうなるか知らないが、2勝してベスト16に進出したのは立派なもの。ホルヘの予想では、最高でも1分け2敗だった。岡田監督の消極的な采配に懐疑的だったし、そのことを批判もしてきた。しかしサッカーは結果がすべて。目標のベスト4が達成できなかったとしても、この2勝だけで充分。代表監督として見事な成績を残した。ここは素直に謝っておこう。岡ちゃん、ごめんなさい。
しかし、日本の力がベスト16にふさわしいかというと、それはまた別の問題。ギリシャが2004年ユーロで優勝したようなもので、フロックとまではいわないが、たまたま運がよかったという部分が大きい。後任監督には、全体のレベルを底上げできる人物になってもらいたい。大会(予選も含め)に入れば、その時点の力で戦わねばならない。実力5の日本が7や8の相手と戦うには、守備的な戦術が必要だ。だが大会前にテストマッチやキャンプを通じ、5の力を6や6.5に上げる努力をしてもらいたい。日本人監督は、代表監督を辞めた後も日本のサッカー界でメシを食っていかねばならないので、どうしても無難というか役人的方法をとる。大ナタを振るってサッカー界からつまはじきされるのを恐れるからだ。それでは、いつまでたっても変化はない。その点外国人監督の多くは、失敗や批判を恐れない。クビになっても、もらうものをもらって他の国へ行けばいい。だから、思い切ったことができる。レベルアップのためには、少し常識はずれの外国人指導者が望ましいと思う。たとえば子供に水泳を教えるのに、プールサイドにつかまってのバタ足やビート板からでなく、いきなり水の中に放り込むようなタイプだ。それで2年やってみて、効果がなければ岡ちゃん復帰でもいいではないか。 |