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熱戦続くワールドカップだが、「開幕戦の主審イルマトフのジャッジについて書いてくれ」という仕事を頼まれた。審判制度やルール説明、あるいは審判の紹介文を書くことはたまにあるが、1試合のジャッジに絞った依頼は珍しい。明らかなミスジャッジや、好判断のアドバンテージ適用から得点が生まれるなどがあればいいのだが、何事もなく無難に終わってしまうと原稿が埋まらない。そんな心配もしたが、なんとか仕上げることはできた。この仕事があったため、開幕戦はジャッジに注意しての観戦となった。第2試合はウルグアイの応援に専念したかったのだが、切り替えがうまくいかず、プレーや展開よりもジャッジに気を取られてしまった。今回のウルグアイ代表で新星として期待されるのがロデイロ。63分に交代出場したが、65分と81分にイエローをもらい、何もしないで退場になった。これが残念でならない。たしかに、2回とも警告になるべき反則だった。しかし2回目の81分は、その直前に両チームが狭いエリアで軽く削り合うという下地があったのだ。西村主審がこの時点で介入していれば、ロデイロの2枚目は防げたと思う。こんなことまで審判のせいにするべきではないかもしれないが、何といってもワールドカップだけに、できるだけ退場者を出さないようゲームコントロールしてもらいたい。
1-0ながらナイジェリアを攻めまくったアルゼンチン。夜のスポーツ番組では、試合中のマラドーナの映像をメインにして30分くらいのコーナーが作られた。バックスタンドからマラドーナをずっと撮影し、喜んだり悔しがったり抗議したりの一部始終を紹介するもの。音声はないが、口の動きで何をいっているかだいたいわかる。わからないものは推測で、スタジオのMCがアフレコを入れて「マラドーナ劇場」を再現。これはひとつのショーとして絶品だった。しかし、同じ企画を岡田監督でやってもこうはいかない。アフレコを入れたとしても、試合中のあのしかめっ面が5分以上画面に流れたら、視聴者が引いてしまうはずだ。
話は食べ物のことに変わるが、ホルヘはこれまで揚げ物というのをやったことがない。元々、それほど好きじゃなかったし、日本にいれば、食べたくなったときに外で食べるか買ってくればいい。どこでも簡単に手に入る。さらに、家で揚げれば台所が油で汚れるし、1人前を少量の油で揚げてもうまくできない。そんなこんなで、揚げ物はホルヘの自炊レパートリーに入っていなかった。しかしアルゼンチンにいると、日本風な揚げ物は日本料理屋で高い金を払わないと手に入らない。そこでついに、「揚げ物デビューしようか」ということになった。
デビュー戦は無難に鶏のから揚げを選んだ。味付けや衣付けは、学生時代のバイトで経験している。問題は火加減と揚げ方だが、これも適当にやったらなんとかなり、予想を上回る出来となった。相手が格下だったとはいえ、デビュー戦で1ゴール1アシストを決めたようなものだ。これで自信がつくと、次は天ぷらに挑戦。しかしロクなネタがなかったので、玉ねぎと人参のカキ揚げとピーマンだけ。約半分はベタッとなってしまったが、残りはサクサクに仕上がった。失敗作も、天つゆで煮て丼にすれば美味しく食べられる。第2戦もきっちり仕事をこなした。
こうなると揚げ物にはまってしまい、ジャガイモを茹でてつぶして、ひき肉と玉ねぎを炒めて混ぜて、コロッケとカレーコロッケにまで手を伸ばすようになった。さらに野望はとどまるところを知らず、ベシャメルソースから手作りの、カニクリームコロッケという豪華な一品をもモノにした。しかしカニ缶がないので、中身はカニカマだったが。そんなこんなで豊かな食生活を送っていると、いつのまにか太ったことに気がついた。2カ月前に腰を痛めてから全然体を動かしていない。それでカロリーの高い揚げ物を頻繁に食べれば太るのも道理。わかっているのだが、今日もこれからメンチカツを作る。どうやら、自制を失いかけているらしい。ゲームと同じで、早めにコントロールしないと取り返しのつかないことになってしまいそうだ。 |