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ベネズエラ戦は、実につまらない試合だった。スコアレスドローであろうと敗戦であろうと、それなりの見せ場があれば楽しめるが、何もないまま終わってしまった。国内組の編成とはいえ、それは相手も同じこと。しかも東アジア選手権やワールドカップメンバー入りという目標がある日本に対し、ベネズエラには何もない。これから新しいチームを作ろうとしている段階だ。さらに寒さと時差というアウェーの洗礼も受けている。こんな状態のチーム相手に互角の勝負をするとは情けない。この試合もスタンドに空席が目立ったが、こんなことを続けていると観客の減少はさらに加速するだろう。
しかし、代表の試合というのはややこしいもので、その性格は一つではない。今回は東アジア選手権に向けた仕上げの一戦だが、新しい選手や戦術を試すことを主目的にすることもある。つまり、完全な練習試合や文字どおりのテストマッチだ。チーム作りのためには勝敗を度外視し、あえて問題点を浮き彫りにさせることも必要。監督としては、紅白ゲームや大学生相手ではなく、骨のある相手との勝負を“練習”の一環として組みたいはずだ。しかし、その試合で協会が高い入場料をとって「ガンバレ日本!」とあおってしまうと、これはもう興行となる。興行とは商売であり金儲けだ。監督が練習と位置づけていても、協会の宣伝によってファンは真剣勝負と思って観戦する。コンサートに例えるなら、正規の入場料を払って音合わせやリハーサルを見るようなもの。こんなことが続けば、ファンが離れるのも当たり前だろう。
こうした問題は、何も日本だけのことではない。南米でも似たようなものだ。そんな中、チリで面白い試みが行われる。3月3日にテストマッチを行うが、その相手はコスタリカと北朝鮮。重ねて書くが、3月3日にコスタリカと北朝鮮と戦う。つまり『1デー2マッチ』なのだ。ビエルサ監督は27名を招集し、この2試合に振り分けるという。これでも国際Aマッチになるそうだが、選手のテストであることは誰の目にも明らか。試合の内容や結果が悪くても文句は出ないはずだ。ようするに日本でも、「これは練習試合です」とはっきり宣言すればいいのだ。日本独自の基準を作り、練習やテストがメインの場合は「丙マッチ」、仕上げの試合は「乙マッチ」、本気の試合は「甲マッチ」とかにすればいい。もちろん、入場料にも差をつける。そうなると「丙マッチ」は入場料収入も少ない上、高額な放映権料も入らないので、経費を極端に抑えなければならない。しかし、方法はあるはずだ。1デー2マッチで、相手も2チーム出してもらうとか、「国際Aマッチ」にこだわらずクラブチームや選抜チームにすれば割安となる。練習試合だから、賞金や日本代表選手への出場給もなし。合わせて、収入の道も探る。FIFAの詳しい規則は知らないが、代表のシャツでも練習着にはスポンサーのロゴを入れられるので、「練習の試合」というくくりにして、ユニホームにスポットのスポンサーを入れることも検討できるのではないか。
練習試合だとはっきり区別すれば、監督だってやりやすい。失敗を覚悟で堂々とテストができるのだ。ファンもそれを理解していれば、違った視点で楽しめる。テレビのダイエット番組やリフォーム番組は、ビフォー・アフターのビフォーの部分から見せるから成立する。安い入場料で、代表のビフォーをファンに公開する企画だってアリだと思う。
それはともかく、東アジア選手権の中国戦までを見たが、岡田武史監督は大丈夫なのか。「ワールドカップにつながる大会」と位置づけ、「ホーム開催で優勝を狙う」と公言しながら、あの試合はなんだ。身長の高い中国は、オランダやデンマークの仮想チームとして絶好の相手だったにもかかわらず、策もなく高さに跳ね返されていた。とにかく慎重過ぎる。守備のリスクを負ってでも早めにギャンブル的な攻撃を仕掛けないと、高い牙城(がじょう)は崩せない。守備の安定により、ワールドカップのグループリーグが3試合とも0-0だとしても、勝ち点3ではそこで敗退。目標がベスト4なら、失点を覚悟してでも点を取りにいくべきだ。ナイジェリアは、アフリカ選手権で3位になったにもかかわらず、優勝できなかったから監督を更迭した。東アジア選手権の結果次第では、日本もその選択をすべきかもしれない。
しかし、岡ちゃんにもいろいろ問題はあるだろうが、アルゼンチンの“困ったちゃん”にはかなわない。マラドーナは、2月10日のジャマイカ戦のメンバーに、翌日の11日にコパ・リベルタドーレスの試合があるエストゥディアンテスの選手4人を入れた。もちろん、クラブが選手を出すはずがない。試合のスケジュールを知らなかったことによる、完全な凡ミスだ。しかし自らの非を認めない彼は、「代表の試合を優先して、リベルタドーレスの日程を変更してくれるかと思った」と耳を疑うようなことをいっているらしい。彼に比べれば、朝青龍は100倍カワイイ。 |