STRIKER DX

ストライカーデラックス
ショップ.学研 Gakken
www.soccerstriker.net
トップページ マッチレポート コラム トピックス セレクション バックナンバー ムック リンク
最近のコラム

2010年9月3日
審査員


2010年8月20日
コパ・リベルタドーレスはインテルが優勝


2010年8月13日
ワールドカップ遅配


2010年8月4日
マラドーナとコージ


2010年7月30日
再び日系人大会


2010年7月15日
パラグアイ戦と参議院選挙


2010年6月28日
岡ちゃん、ごめんなさい


2010年6月21日
揚げ物コントロール


2010年6月8日
アルゼンチンのお通夜


2010年5月27日
ビセンテナリオ


2010年5月20日
レソナンシア・マグネティカ


2010年5月12日
アルゼンチンのベテランFW


2010年5月7日
無名のゴドイクルスが健闘


2010年4月26日
医者めぐり


2010年4月19日
また、やった


2010年4月13日
一期一会


2010年3月31日
体幹トレーニング


2010年3月24日
七つの病の男だぜ


2010年3月16日
カルピンチョ



アルゼンチン 南米通信
~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~
イングランド 新・イングランド通信
~No Football No Life~
スペイン スペイン通信
~Entrenador KAZU~
イタリア イタリア通信
~ジョカトーレ まことの挑戦~
メキシコ メキシコ通信
~Si se puede!やればできるさ!

   ■休載中■
ドイツ ドイツ通信
~夢をリアルに~
イングランド イングランド通信
~inside walker~

学研スポーツブックス 最新サッカールールブック
学研スポーツブックス
最新サッカールールブック
著: 三村高之
監修: 高田静夫
日本人としてワールドカップで初めて主審を務めた高田静夫氏の豊富な経験を生かし、現代のサッカーのルールをわかりやすく解説する。ていねいなイラストと図解で、オフサイドなどわかりにくいルールも一目瞭然。どうすれば審判になれるかも紹介。
トップコラムワールドサッカー通信局>南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~ マルガリータ、カンペオン!!

Column コラム

海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■マルガリータ、カンペオン!!

2009.12.25

 “日系人サッカー夏の大会”にマルガリータというチームで参戦したホルヘ。チームは好調で、グループリーグを3-0、4-0、8-0と楽勝で突破し、決勝トーナメントに進出した。しかし、ベスト8からの相手は強豪ばかり。元プロ選手とか元有名クラブのユース選手なんていうのがいるらしい。1回戦、ホルヘは2-0でリードしていた後半開始から出場。しかし、チームの中心であるコージが退場を食らってしまう。相手の1人も同時に退場となったので数的不利は生まれないが、フィールド5人の中にヘタクソが1人いるのと、4人の中に1人とでは大変な差がある。4人に1人ということは、ヘタクソ率25パーセントだ。残りの3人ではとてもカバーしきれない。案の定、すぐに失点して1点差に迫られ、ホルヘはここで交代を命じられた。このさい配が功を奏し、1点を加えて3-1でベスト4へ進出。準決勝の相手はさらに強力だが、ラッキーなことに退場を食らったコージは出場停止にならないという。しかし、試合のレベルがさらに高くなり、メンバーの人数が足りているということは何を示すのか。そう、もはや出場のチャンスはない。ホルヘの夏は、ここで終わった。

 と思っていたが、サッカーは何があるか分からない。0-0の接戦が続く後半11分、点取り屋ニコの負傷により、出番はないと応援に専念していたホルヘに出撃命令が下る。そして試合はそのまま終了し、3人ずつのPK戦に突入した。ここのルールでは、PKの際に軸足を踏み込めない。ボールの横に置いたまま蹴らなければならない。しかも、フットサル用のゴールは小さい。ところがみんな、ポコポコ入れる。「たいしたもんだ。オレだったら、絶対入らないな」と感心して見ていたホルヘだが、フト大変なことに気がついた。「サドンデスになったら、どうしよう」。その不安は的中し、両チームとも3人全員が成功。そしてサドンデスの1人目も両方成功。「次、ホルヘさん行ってください」といわれたが、「いや、GKのユージに蹴ってもらおう」と逃げた。絶対、失敗する。絶対、蹴りたくない。このときの心境を正直に明かすと、「ここで決まってくれ。負けてもいいから、回ってくるな」というものだった。なんというチキンであろうか。

 しかしその願いも空しく、またも両者が決めてしまう。かくして、ついにホルヘに回ってきた。「失敗する、失敗する」と極端なナーバスになっているので、先攻の相手が外したのに全然気が楽にならない。「トゥーキックで思い切り行くしかないな」と意を決しPKポイントに立つと、なんと、ゴール裏には約100名の大観衆がホルヘに注目しているではないか。緊張で脚が震えてきた。だんだん震えが激しくなる。「これ以上激しくならないうちにやっちゃえ」と蹴ったら、ボールが小さいこともあり、ヒットしたのは上の部分。ライナーでズドンをイメージしていたのに、ボールはドライブ回転でコロコロと右ポスト際に転がっている。「ウワッ、やっちゃた」とホルヘは心中で叫び、相手GKはおそらく「ラッキー」と思ったことだろう。事実、GKの手はボールより早くそのコースに届いていた。しかし強力なドライブ回転により、ボールがその手をくぐり抜けたのだ。この奇跡のコロコロドライブシュートにより、マルガリータは決勝進出を決めた。思うに、GKのいないほうへ転がす遠藤より、GKのいるほうに蹴って入れるホルヘのほうが、コロコロPKとしてはレベルが高いのではないだろうか。

 ホルヘのおかげでファイナリストとなったマルガリータは、決勝戦も0-0からPK戦で勝利。今回は3人目で決まった。こうして、初出場初優勝の快挙を達成し、賞品のユニホームを獲得した。まさか、優勝するとは思わなかった。本当に信じられない。すでにお役ご免と思われたホルヘだが、決勝戦にもわずかながら出場している。全員がケガや疲労でボロボロという、「猫の手」ならぬ「ホルヘの足も借りたい」状況だったのだ。そしてそこで、右で切り替えして左でシュート、あわやゴールという見せ場を作った。帰り道、ケントだかタイゾーだかが、「あのプレーには癒されました」といってきた。180分間フル出場した彼らは、現役とはいえ相当きつかったはずだ。そこで、ヘタクソな年寄りががんばっている姿を見て、「励まされた」とか「元気をもらった」ということなのだろう。一生懸命やった当人とすれば、「癒された」という言葉には抵抗がある。しかし次元の違うレベルの高い選手から見ると、ホルヘの一生懸命なプレーはユーモラスに映り、それが癒しとなったのかもしれない。知らないうちに「癒し系選手」になってしまったホルヘ。今後はどの方向に進めばいいのだろうか。


準決勝、決勝のPK戦をしぶとく勝ち上がり、マルガリータ、カンペオーン!
マルガリータ
日系人サッカー大会
次のコラム← ワールドサッカー通信局トップへ

→前のコラム


ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク