STRIKER DX

ストライカーデラックス
ショップ.学研 Gakken
www.soccerstriker.net
トップページ マッチレポート コラム トピックス セレクション バックナンバー ムック リンク
最近のコラム

2010年3月8日
マラソン大会


2010年3月2日
チリ地震が奇跡を呼んだ


2010年2月18日
シーズン開幕


2010年2月10日
代表の試合に新たな基準を


2010年1月29日
ラマダン開始


2010年1月20日
マラドーナ解禁


2010年1月18日
ホルヘ、走る


2010年1月7日
日本代表の秘密兵器


2009年12月25日
マルガリータ、カンペオン!!


2009年12月17日
ホルヘ、日系人大会デビュー


2009年12月9日
リーガ、再び南米王者に輝く


2009年12月2日
痛みの原因はジャガイモ


2009年11月26日
モネールとラーメン


2009年11月16日
ベテランのトレーニング


2009年11月9日
ラ・ノーチェ・デ・大阪


2009年11月3日
当たるも八卦、当たらぬも八卦


2009年10月27日
母の日とスーペルクラシコ


2009年10月19日
またやった、マラドーナ


2009年10月13日
救世主パレルモ



アルゼンチン 南米通信
~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~
イングランド 新・イングランド通信
~No Football No Life~
スペイン スペイン通信
~Entrenador KAZU~
イタリア イタリア通信
~ジョカトーレ まことの挑戦~
メキシコ メキシコ通信
~Si se puede!やればできるさ!

   ■休載中■
ドイツ ドイツ通信
~夢をリアルに~
イングランド イングランド通信
~inside walker~

学研スポーツブックス 最新サッカールールブック
学研スポーツブックス
最新サッカールールブック
著: 三村高之
監修: 高田静夫
日本人としてワールドカップで初めて主審を務めた高田静夫氏の豊富な経験を生かし、現代のサッカーのルールをわかりやすく解説する。ていねいなイラストと図解で、オフサイドなどわかりにくいルールも一目瞭然。どうすれば審判になれるかも紹介。
トップコラムワールドサッカー通信局>南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~ 「7」のミステリー

Column コラム

海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■「7」のミステリー

2009.6.22

「日本からハットトリックがアルゼンチンに来る」。雑誌のこんなタイトルが目に留まった。これは、日本のストライカーがやってくるということか。となれば、高原がボカにいたときのように注目が集まり、ホルヘの仕事も増えるに違いない。そう喜んだのもつかの間。よく読むと、ハットトリックという名の引退した日本の競馬をアルゼンチンの牧場主が買い、こちらで繁殖させるという内容。サッカーとはなんの関係もなかった。

 このような勘違いや誤解はよくあること。最近、日本からの郵便物が届かないことが多いが、それもたぶん勘違いからきている。ホルヘの記事が掲載された雑誌のフットボールライフ・ゼロと、個人からの手紙が届かない。手紙はある女性からのもので、5月19日に出したという。もう、1カ月たつ。普通なら、1週間あれば届くはず。メールで、「まだ届かないの」と再三聞かれるが、メールでやりとりできるならなにも封書を送る必要はない。察するに、ラブレターのようなものであろう。ならば、そんなものは届かなくてもいいのだが、雑誌のほうは困る。取材協力者にも渡さなければならないからだ。

 この郵便物不着の原因は、数字の書き方にある。ホルヘの住所は「773」なのだが、この「7」がトラブルの元。日本では普通、横棒の左端に短い縦棒を書く。ところがこちらでは、横棒には手を加えず、縦棒の中央に横棒を引く。これによって「1」と区別する。なんでも、日本の書き方はイギリス式で、横棒を引くのは大陸式というらしい。詳しくは分からないが、フランスやスペインなどヨーロッパ大陸にある国は横棒派で、島国のイギリスは短い縦棒派ということだろう。そして日本は明治維新後に強い影響を受けた関係でイギリス式を採用し、スペインの植民地だった南米は大陸式が根づいたということだ。

 南米でもパソコンの文字や印刷物ではイギリス式も使われるが、手書きの場合はあり得ない。そのためなじみのないイギリス式による手書きの「7」を、「9」に誤読することが普通に起こる。キッチリ書けば問題ないが、縦棒2本が接近して頭の部分が3本の線で囲まれたようになると、「9」だと思われる。これが不着の原因になるということを、以前ホルヘに郵便物を届けてくれた偉人的な配達員の話で知った。彼も「773」を「993」と読み、その番地まで行ったが該当者がなかった。そこで、「もしかして7かな」と思ってホルヘにたどり着いたそうだ。普通の配達員なら、「993」に該当者がいなければそれっきり。「ひょっとして7かな」などと考えもしないし、それで「773」を訪ねてみることはない。だから、あの配達員は偉人のように立派な人なのだ。ホルヘにラブレターを送った女性は、「普通の7を書いても、フランスにいる姉に届いた」といっている。しかしこれが、ヨーロッパと南米の違うところ。教育水準の問題もあるかもしれないが、ヨーロッパ大陸ではある程度イギリス式が浸透しており、その存在は広く知られているはず。したがって常に、「7かな、9かな?」と考える。しかし南米では、周囲の国がすべて大陸式なので、なんの疑いもなく「9」と読んでしまうのだ。

 慣れないことがうまくいかないのは、日本人も同じ。南米にいれば、大陸式の「7」を書くようになる。しかし日本人が書くと多くの場合、水平であるべき横棒が、左上から右下へ斜めになる。するとこれが、「4」に誤読されやすい。上の横棒と斜めの棒とで三角形を作るようになるからだろう。ホルヘも同様で、以前は無意識のうちに斜め棒を書いていた。そのおかげで、ゴルフ大会で珍しく100を切って「97」の好スコアを出したのに「94」と思われて、スコア誤記、過少申告で失格になりそうになった。

 大陸式が、なぜ真ん中に横棒を入れるのか。それは、「モーゼの十戒」からきていると、アルゼンチンではいわれている。十戒とはその名のとおり十カ条の戒めで、「盗むなかれ」とか「殺すなかれ」といった教えだ。そして十戒の7番目が、「汝、姦淫するなかれ」となっている。ここでいう姦淫とは不倫のことだが、それを読んだ人間が、「なに、不倫が禁止だと。そんな規則はとんでもない」と、横棒で消したからという笑い話だ。

次のコラム← ワールドサッカー通信局トップへ

→前のコラム


ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク