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日本がウズベキスタンに勝ってワールドカップ出場を決めた日、アルゼンチンはホームでコロンビアと対戦した。前半はコロンビアが圧倒し、後半持ち直したアルゼンチンが、CKからディアスのゴールで薄氷の勝利。パスミスばかりのアルゼンチンは、負けていてもおかしくない試合だった。そしてそのパスミスの原因は、またしてもコンサートで荒らされたピッチにあった。
ブエノスアイレスでは、大規模なコンサートはベレスかリーベルのスタジアムで行われることが多い。そして、そのたびに芝が荒らされる。リーベルは以前もピッチがボコボコになり大問題となったが、今回はその反省を踏まえて違う方法をとったらしい。つまり、芝が傷まないだろうという方法だ。しかし、結果は同じ。下にどんな保護材を敷こうが、ステージやアリーナ席を造れば芝が傷むのは当然のこと。大事な試合の前にコンサートに貸すことが理解できない。アルゼンチン代表のほとんどがヨーロッパの素晴らしいピッチに慣れているので、この環境ではプレーしにくいのは当たり前。さらに、見栄えをよくしようとグリーンの塗料を全面に散布したことも裏目に出た。このおかげで、荒れた部分がどこか分からなくなったのだ。一見きれいなだけに「真っすぐ転がってくる」と思うが大間違い。あちこちでイレギュラーが起きてミスが連発。それならばと前線へロングボールを送っても、ちびっ子スリートップにはなかなか届かない。アルゼンチンファンにとってはフラストレーションのたまる試合だった。
この会場で、日本人カメラマンのAさんと会った。日本代表の大事な試合に行かずここにいるのは意外だが、「ウズベキスタンには日本のメディアが行き過ぎている」とかで、マラドーナの代表を取材することを選んだようだ。この後のエクアドル戦にも行くという。ホルヘも以前は南米中の予選に足を運んでいた。行けばそれだけ金にもなったからだ。しかし今は仕事にならず、行けば経費がかさむだけ。したがって、第14節はテレビ観戦と相なった。
1人で見ても楽しくないので、以前このコラムに登場したツッシー(津島)とコヅ(小塚)を呼んだ。午後6時からエクアドルvsアルゼンチン、8時からコロンビアvsペルー、9時50分からブラジルvsパラグアイがテレビ放映された。食事は第1試合が終わってからということにして、テレビに見入る。アルゼンチン代表のジャージ姿でやってきたツッシーとコヅは、ホルヘがエクアドル国旗の入ったリーガ・デ・キトのユニホームを着ているのを見て、いやーな顔をする。しかし文句はいわせない。ここはホルヘのホームでヤツらはビジター。おまけに部屋は10階なので、まさに高地。よくできたシチュエーションだ。テベスのPKにはヒヤリとしたが、それもGKがセーブし、後半はエクアドルペースで2-0の勝利。これでエクアドルにも可能性が戻ってきた。
ホルヘとすれば、アルゼンチンにも本大会に出場してほしいが、予選は最後までもつれてもらいたい。この節の理想は、エクアドルがアルゼンチンを下し、ブラジルvsパラグアイが引き分けて、チリがボリビアに勝ち、ウルグアイがベネズエラに勝つというもの。すると、チリ26点、ブラジル25点、パラグアイ25点、アルゼンチン22点、ウルグアイ20点、エクアドル20点になる。
これだけ接近すると、残り4節がワクワク、ドキドキで楽しめる。しかし実際は、ブラジルが勝ち、ウルグアイが引き分けたため、ブラジル27点、チリ26点、パラグアイ24点、アルゼンチン22点、エクアドル20点、ウルグアイ18点となった。1位と6位の差が、6点から9点へと開いてしまった。これでは興味半減。とはいえ、まだアルゼンチンvsブラジル、パラグアイvsアルゼンチン、ウルグアイvsアルゼンチン、エクアドルvsウルグアイが残っており、4位争いは熾烈(しれつ)を極めそうだ。
南米サッカー連盟は、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの4カ国が与党のようなもの。サッカーではライバル関係にあるが、裏では政治的につながっている。終盤でこの4カ国の対戦が多いのも、最後に見せ場を作ろうというような演出ではなく、弱い相手と先に戦って大勢を決めてしまおうという発想からだ。また、どこか苦しんでいるところがあれば、終盤の対戦で仲間を助けてあげることも可能。韓日ワールドカップ予選の最終節は、アルゼンチンが「勝つな、引き分けろ」と指示されていたような試合運びで、対戦相手のウルグアイを見事にプレーオフへと導いた。今回も、残り試合から予選突破がほぼ確実のブラジルとパラグアイが、アルゼンチンを助ける可能性は充分にある。チームの戦力や戦術だけでなく、こんな裏まで読まなければならないので、南米サッカーの予想は本当に難しい。 |