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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■クリスチャーノ・ロナウド、目でサイン?

2008.12.27

 12月12日に帰国したホルヘ。ちょうどその日は、リーガ・デ・キトが到着する日だった。1時間ほど早く成田に着いたホルヘは、到着ロビーでリーガ一行を待ち受けていた。そこで気づいたのは、出迎えの人数が少ないこと。正規の出迎えである協会関係者はビシッとそろっているが、ファンやマスコミがさびしい。カメラマンはホルヘを含めて3人でテレビクルーが一つ。ボカのときはこんなものではなかった。ファンに至っては、リーガのユニホームを着ていた日本人が1人と数人の南米人だけ。その日本人に、ユニホームをどこで手に入れたのかたずねると、ネットオークションで3000円で落としたとのこと。たしかエクアドルで37ドルだったから、数週間前の円相場で計算すると原価割れしている。リーガとは、ここまで人気のないチームだったのか。

 準決勝のパチューカ戦は、雨の中での試合となった。エクアドルの季節は乾季と雨季の2シーズンで、雨季には毎日雨が降る。したがって、雨中戦は慣れたもの。しかし、アンブロッシの故障が痛い。来日翌日の練習で左足を痛め、針治療を続けていたが間に合わなかった。代表でも左SBを務める彼のオーバーラップは、重要な戦力なのだ。しかしその心配をよそに、あっさりと2点を先制。1点目を決めたアルゼンチン人FWのビエレルは、相手のミスをかっさらったり、リバウンドへの反応(あるいは読み)に優れた選手なので、あのゴールは実に彼らしいものだった。しかしパチューカも3回決定機を得ており、前半2-0というのはラッキーだった。

 そして後半になるとパチューカが猛攻を開始。このチームは前の試合で0-2から逆転勝ちしている。こいつはヤバイ。リーガはたまにカウンターを仕掛けるだけで、中盤でもボールが回らない。しかしホルヘの思いが通じたか、相手シュートの不正確さに助けられて逃げ切った。家に帰ってテレビを見ると、解説の城が、わざと相手にボールを持たせる高度な守備だ、みたいなことをいっていたが、応援する者からすればあれは心臓に悪い。しかも結構危ないシュートを打たれているのだから、あくまで結果オーライであって、あの守備が成功だったとは思えない。

 さて翌日はガンバvsマンUの一戦。相手のコンディションが悪く終盤動きが落ちたとはいえ、ガンバは見事な戦いぶりだった。去年のレッズvsミランでは、特に身体の入れ方の優劣によって、1対1の局面で大きな差があった。しかし今回は、その差が少なかったように感じる。もっとも、スピードや身体の大きさでやられると歯が立たないのは無理もない。生で初めてマンUを見たホルヘが驚いたのは、攻撃の速さ。ボールを奪ってからミドルレンジのパスをビシ、ビシと3~4本つないでシュートにもっていく。ショートパス2本をミドル1本にし、しかもパスが速いので時間がかからない。こんな攻撃されたら、リーガは一体どうなるのか。あのチームは速い攻撃にとことん弱い。このコラムがアップされた時点では、すでにマンUvsリーガの決勝は終わっているが、5-0とかの大差にならないことを祈るだけだ。わずかな望みであるリーガ優勝のシナリオは、3バック、ダブルエンガンチェ(トップ下)の布陣でスタートして先制し、その後守備的布陣になりカウンターから2点目を奪う。あとは、どれだけ持ちこたえられるか神様に祈る、というものだ。

 ガンバvsマンUを撮影していて気がついたのだが、クリスチャーノ・ロナウドは目でサインを送っている。たとえばスローインのとき、マーカーを外すためにターンして自分の右後方で受けたい場合は、目玉を右上に動かす。左に欲しいときは左上に動かすのだ。しかし、これに何の意味があるのか。その程度のサインは、相手に見られなければ指で充分だと思う。第一、スロワーの視力が悪いと、目玉でのサインは分かりづらかろう。まあ、世界最高の選手の考えることは、凡人には分からないということか。

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