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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■エクアドルにやってきた

2008.11.2

 クラブワールドカップに出場するリーガ・デ・キトの取材のため、エクアドルのキトにやってきた。エクアドル入国にビザはいらないが、パスポートの有効期限が6カ月以上なければならない。ホルヘのパスポートは2月末で切れるので、アルゼンチンの日本領事館で新しいものに切り替えた。国籍を証明するパスポートまで在外公館で発行してもらったことで、ますます南米移民に近づいた感じがする。

 エクアドルに来るのは前回のワールドカップ予選のウルグアイ戦以来だから、約3年ぶりのこと。初めて訪れたのは91年で、そのときは典型的な発展途上国だった。しかし来るたびに新しいビルが建設されており、中心地に関していえば、アルゼンチンより近代的だ。しかし、トイレにトイレットペーパーを流せないのは昔のまま。使用済みの紙は、備え付けのゴミ箱へ捨てる。しかも、ほとんどのゴミ箱にはフタがない。したがって、他人がケツをふいた紙を必然的に見ることになる。しばらく滞在していれば慣れるのだが、3年間の空白のおかげで、過去に慣れていたことを忘れてしまい、また新鮮な気持ち(?)で、ゴミ箱のトイレットペーパーを見ている。

 今回の取材は、大会の公式プログラムのため。以前、トヨタカップの公式プログラムの取材をしたことがあるが、そのときは直接クラブと交渉して取材日を決めていた。しかしクラブワールドカップとしてFIFAの大会となったため、取材の仕切りもFIFAが行っている。大会後援の読売新聞、日本テレビ、大会プログラム、FIFA.COMの4社を対象に3日間に渡る公式取材日をもうけた。なんだか、型苦しいことである。

 公式取材日の試合はリーガvsデポルティーボ・キトのクラシコだが、ホルヘはその前の試合から取材するため早めにキトに着いた。事前にメールでクラブに連絡し、さらに試合当日にはクラブのオフィスを訪ねて念を押した。いずれも、「よく来てくれました。ご自由に取材してください」という対応を受けた。しかしスタジアムに行くと、クラブのお偉いさんが、「何の取材だ。大会プログラム? じゃあ、なんで公式取材日に来ないんだ」などといちゃもんをつけてきた。まあ、それでも許可は下りたのだが、FIFAが絡むと取材がやりにくい。

 ピッチに入ると、今度はそこの担当者が、「ゲーム中の移動は禁止だ」といってきた。試合中にカメラマンがベンチの前を横切っても文句をいわれないアルゼンチンスタイルに慣れているので、この真面目さには驚いた。南米では珍しいことだ。カサ・ブランカと呼ばれるスタジアムは立派だし、クラブワールドカップに出場することにもなったので、すべてにおいて世界レベルを目指しているのかもしれない。ご苦労なことだ。しかし、この国の素朴なところを愛しているホルヘとしては、あまり背伸びをせずにエクアドルらしさを残しておいてもらいたい。

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