STRIKER DX

ストライカーデラックス
ショップ.学研 Gakken
www.soccerstriker.net
トップページ マッチレポート コラム トピックス セレクション バックナンバー ムック リンク
最近のコラム


2009年1月5日
ホルヘの年末年始


2008年12月27日
クリスチャーノ・ロナウド、目でサイン?


2008年12月19日
帰国間近のお楽しみ


2008年12月10日
ビデオ判定で勝利


2008年12月2日
猛暑からの脱出


2008年11月26日
ふたりの年男


2008年11月18日
小包到着


2008年11月12日
酒と涙と坐骨とお灸


2008年11月5日
キトの神経痛


2008年11月2日
エクアドルにやってきた


2008年10月20日
バシーレ退陣 南米予選


2008年10月13日
サルサでフィーバー


2008年10月6日
サポーターの鏡、マンジャ少年


2008年9月22日
ぎっくりホルへ


2008年9月16日
南米予選、苦戦の二強


2008年9月10日
マタデーロの留学生


2008年9月1日
沖縄100年祭


2008年8月25日
殿堂への道2


2008年8月20日
バスとサポーターの戦い

アルゼンチン 南米通信
~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~
イングランド 新・イングランド通信
~No Football No Life~
スペイン スペイン通信
~Entrenador KAZU~
イタリア イタリア通信
~ジョカトーレ まことの挑戦~
メキシコ メキシコ通信
~Si se puede!やればできるさ!

   ■休載中■
ドイツ ドイツ通信
~夢をリアルに~
イングランド イングランド通信
~inside walker~

学研スポーツブックス 最新サッカールールブック
学研スポーツブックス
最新サッカールールブック
著: 三村高之
監修: 高田静夫
日本人としてワールドカップで初めて主審を務めた高田静夫氏の豊富な経験を生かし、現代のサッカーのルールをわかりやすく解説する。ていねいなイラストと図解で、オフサイドなどわかりにくいルールも一目瞭然。どうすれば審判になれるかも紹介。
トップコラムワールドサッカー通信局>南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~ バスとサポーターの戦い
Column コラム
海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■バスとサポーターの戦い

2008.8.20

 アルゼンチンの主要交通手段は路線バス。ブエノスアイレス市内中心部では、2ブロック(約200メートル)ごとに停留所がある。すごく便利ではあるが、これが交通渋滞の原因ともなっている。そこで、市長となった元ボカ会長のマクリは、停留所を3~4ブロックごとにするよう提案した。しかしその後どうなったのかといえば、依然としてバス停は200メートル間隔のままだ。ブエノスのバスが便利なのは、他にもある。24時間運行なのだ。夜遊び族や夜間勤務者にとっては、嬉しい限り。昔、アントニオ猪木が都知事選挙に立候補したとき、「都営地下鉄と都営バスを終夜運行する」という公約をし、ホルヘはそれで投票した。世界に冠たる大都市東京なのだから、深夜も公共交通機関を稼動させるべきだと思う。

 しかし、夜中は酔っ払いが多い。先日ブエノスでも、酔っ払いの乗客が引き起こした事件があった。無賃乗車しようとしたことを運転手からとがめられ、カッとなってナイフで7回も刺して殺してしまった。これにより、バスの運転手組合は夜間運行のストライキに突入。さすが労働組合の国である。被害にあった会社だけでなく、すべてのバスが午後10時から午前5時まで5日間ストップした。しかしこのストの目的というのが、ハッキリしない。具体的に、「危険手当を出せ」とか「夜間の警官を増やせ」とかいっているわけではないのだ。ただ、「こんな事件が二度と起こらないように」あるいは「治安を良くしよう」という抽象的なことを訴えただけ。つまり、要求なしのスローガンだけのストだった。これで5日間もバスを止めるのだから、利用者としては迷惑な話だ。ホルヘは、帰りのタクシー代がもったいないので、夜遊びに出られなかった。

 タクシーが高くなったので、最近はカメラバッグを担いでバスで取材に行っている。以前はリーベルのスタジアムまでの往復が約1000円だったが、今は倍以上。バスなら約80円で足りる(2kmくらい歩くが)。しかしどこのスタジアムも、行きはヨイヨイだが帰りが大変。なかなかバスに乗れない。すでにサポーターで一杯のため停留所で止まらないバスもあるし、ガラガラなのに素通りしていくものもある。以前ボカのスタジアムの帰り、試合後ダッシュでバス停に行ったら、ちょうどバスが来て乗ることができた。フト後ろをみると、サポーターの団体が、30メートルほど向こうからこちらに走ってくる。すると運転手は、「早くしろ」といってあわただしく乗客を乗せると、その団体を置き去りにして発進した。歩合制で運転手をやっているわけないから、ガラガラでも満杯でも収入に変わりはないのだろう。だからそのときは、「こんなものかな」と思っていた。

 しかし、先日レコパのアルセナル対ボカの試合の帰り、運転手がサポーターを嫌う訳がわかった。ホルヘは早めにバス停に着いたが、例によって手を挙げても何台かが通り過ぎた。1時間近く待ってようやく乗車すると、車内はボカのサポーターで一杯。3-1で勝った試合の余韻(よいん)に酔い、バスの中でも歌い始めた。歌だけならいいのだが、リズムに合わせて手で窓や壁をバンバン叩く。それがエスカレートすると、道具を使って車内のいたるところを叩くようになる。道具は自分のカギや、途中で買ったビールやジュースの瓶が多い。すると、何も叩く道具を持っていなかったサポーターが、いきなりバスに備え付けのハンマーを手にした。「非常の場合は、このハンマーでガラスを割ってください」という、あれである。そのハンマーで叩くのだから、窓こそ無事だったが、壁はボコボコになっていた。当然、そのハンマーは持っていかれる。運転手が、こいつらを乗せたくないのもよくわかる。

 そういえば、ボカが2年連続でトヨタカップに来たとき、1年目にホテルとスタジアム往復の貸し切りバス内で大騒ぎし、翌年はバス会社から断られた、という話を聞いた。日本でもアルゼンチンでも、運転手にとってボカのサポーターは鬼門らしい。


arsenal vs boca
アルセナルvsボカ・ジュニアーズ
次のコラム← ワールドサッカー通信局トップへ

→前のコラム


ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク