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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■荒れる南米予選

2008.6.25

 ワールドカップ南米予選の第5節と第6節が続けて行われたが、どこが強くてどこが弱いのかわからない展開になっている。まず、いちばん強いと思われているブラジルは、第5節でパラグアイに0-2で敗れ、第6節はホームでアルゼンチンと0-0の引き分け。パラグアイ戦では、0-1で折り返した後半早々に相手に退場者が出たにもかかわらず、それを生かせずに追加点を許す始末。試合終了時には、ブラジルサポーターから、「ドゥンガ辞めろ」と「パラグアイ」コールが叫ばれていた。第5節に先立つ6月6日には、テストマッチでベネズエラに初の敗北も喫しており、ドゥンガ株は急落。南米のクラシコであるアルゼンチン戦に対するブラジル国内のアンケートでも、約95パーセントが「セレソンは勝てない」と回答していた。カカ不在とはいえ、ベネズエラ戦から3試合連続して無得点。ついに、順位は5位にまで下がってしまった。

 もう一方の雄、アルゼンチンは、第5節のエクアドル戦で苦しんだ。ホームのアルゼンチンは、ベロンとリケルメを同時起用して攻撃的な陣形を敷いた。しかしサイドは崩せるものの要所を押さえられ、チャンスらしいチャンスを作れない。そればかりか、ウルティアのゴールを許してしまう。エクアドル贔屓(びいき)のホルヘは、「よし、このままいけ」と願っていた。そしてその願いどおり、伝家の宝刀であるリケルメのFKもことごとく不発。この試合の前、エクアドルのGKセバージョスから、「写真をメールで送ってくれ」と頼まれていた。久々に代表に復帰したベテランの彼にとっても、アルゼンチン戦に対する思いは格別のものがある。「もう少しだ。がんばれ。アルゼンチンに勝ったという、思い出に残る写真を送ってやるぞ」と、ファインダー越しにセバージョスへささやきながら撮っていたが、そこはやっぱり“ヘル・ホルヘ”、ロスタイムにパラシオが同点ゴールを決めてしまう。しかし、アウェーでアルゼンチン相手に引き分けたことは、エクアドルとしては上々の出来だ。

 今予選で好調なパラグアイは、第5節でブラジルを破り、勝ち点13で首位をキープした。そして第6節では、勝ち点1で最下位のボリビアと対戦。競馬でいうならば、重賞馬と未勝利馬のレースである。しかし会場がラパスであったとはいえ、ボリビアが4-2で勝っている。もう本当に、何が何だかわからない。しかもこのボリビアや、アルゼンチン戦のエクアドルは、内容もしっかりしている。フロックや作戦勝ちというレベルではない。そこがこれまでの番狂わせと違うところだ。小国と大国では戦力の総合力で格差があるが、レギュラーの11人に絞れば、その差はそれほどないのだろう。小国の11人が完全であれば、大国の不完全な11人と互角以上の勝負ができるというわけだ。この下克上は面白い。まだ予選は3分の1を終えたばかりだが、今後もこのような展開が続く気配は濃厚。ブラジルやアルゼンチンに、もっと冷や汗を流してもらいたい。


アルゼンチンvsエクアドル
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セバージョス
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