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コパ・リベルタドーレス準決勝のボカvsフルミネンセに行ってきた。ボカのホームゲームだが、ボンボネーラが使用禁止処分のため、ラシンのスタジアムで行われた。ボカはリケルメが2ゴールを決めるも、元浦和レッズのワシントンがいるフルミネンセは、そのたびに追いついて2-2の引き分けで終了。準々決勝に引き続き、ボカはまたしても苦しい立場となった。
フルミネンセが優勝すれば、ワシントンは凱旋(がいせん)を果たすことになる。これはこれで面白いが、マンチェスター・Uのテベスが古巣のボカと戦うほうが興味深い。ということで、ホルヘは第2戦もボカを応援する。もう一方の準決勝、アメリカvsリーガも1-1のドローだった。ホルヘの理想は、ボカvsリーガの決勝戦となり、リーガが初優勝を飾るというもの。しかしこれが実現すると、今年のクラブワールドカップは、決勝のスタンドもガラガラということになりかねない。しかしリーガが準決勝で敗れて、アジアか北中米カリブ、アフリカのクラブが、初めて決勝に進めるかも、というお楽しみがある。つまり、気の早い話ではあるが、ガンバ大阪や鹿島アントラーズ、浦和レッズが決勝でマンUと戦える可能性があるのだ。ということで、各Jクラブサポーターの皆さんは、ぜひ、ホルヘとともにリーガを応援してもらいたい。
話は全く変わるが、先日、面白い体験をしたので紹介したい。ホルヘのマンションから大通り沿いにワンブロック行ったところに、バーというか安キャバレーみたいな店がある。一応ホステスはいるが、オバサンばかり。ウイスキーも国産ばかりなので、飲み代も安い。開店が深夜0時と遅いのだが、家に近いことから、ホルヘはたまに顔を出している。
23日の金曜日、一杯やって帰ってきたが、ちょっと飲み足りないので、その店へ入った。そして、午前1時半ごろそこを出た。家までは、大通り沿いに約100メートル歩くだけ。フラフラと歩道を歩んでいると、「おい、止まれ。何を持っている」という声がした。横を見ると、濃紺の自動車から降りた大柄で黒の革ジャンを着た男が、ホルヘのほうへ進んできた。「止まれ。警察だ。荷物を置け」などといっている。ホルヘはピーンときた。「偽警官だ」と。南米には偽警官が多い。警官を名乗って無抵抗にし、財布を抜き取ったり強盗に早変わりしたりする。被害にこそ遭わなかったが、ホルヘはコロンビアで2回(しかも同一人物)出くわしている。
偽警官に会った場合は、とにかく相手のペースに飲み込まれてはいけない。都合のいいことに、50メートルほど離れたホテルの前に、警備の警官が立っていることを知っていた。だから、「警察だって? じゃあ、向こうに警官がいるから、そこで話そう」といってやった。コロンビアで成功した手だ。しかしその革ジャンは、「だめだ、ここでだ」といってホルヘの前に立ちふさがった。これはヤバイ。この手が効かない。この男の感じ(人相が悪く、暴力的)だと、強盗に豹変(ひょうへん)するかもしれない。そこでホルヘ、ホテルの方向へ「ポリシーア、ポリシーア」と大声で叫んだ。ようするに、「おまわりさーん!」である。
その男は、「だまれ、静かにしろ!」と怒鳴るが、構わず叫び続ける。すると、自動車からもうひとり背広を着た男が降りてきて、「警察はここだ。おれたちが警官だ」という。それを無視して叫んでいると、「これを見ろ」といって、背広は警察のバッジみたいなものを提示した。手の込んだことである。こんなものまで用意しているとは。しかし、バッジなんかはどこでも手に入るし、偽造もできる。「そんなの信用できるか」と背広にいい返し、また「ポリシーア」と叫んでいると、背広は慌てて、「本物だ、本物だ。落ち着け」といいながら、警察手帳やIDカードなどを提示しだした。考えてみれば、本物の偽警官だったら、「ポリシーア」と叫んだ段階で、これはまずいと思って退散するはずである。どうやら、本物の警官のようだ。「本当に、本物なの?」と聞くと、「本物だ。信じてくれ」という。信じることにした。
その後、壁に手をついて型通りのボディーチェックを受けた。しかし細かい持ち物検査は行わず、質問はもっぱら先ほどまで飲んでいた店について。どうやら、売春か何かの容疑でそこを内偵していたらしい。ホルヘは何も悪いことはしていないので、もちろんお咎(とが)めはなし。しかし、職務質問をされたこととその内容について、路上で供述調書をとられた。革ジャンが口述するのを背広が用紙に記入。そして、それにサインしろという。専門的用語はほとんどなく、読んで内容は理解したが、文章に何か引っ掛けがあるかもしれない。あとで面倒なことになるのはいやだ。しかし、サインしなければ帰れない。そこでホルヘ、署名欄にひらがなで、「よくわからない」と走り書きしてからサインした。日本語のわからない警官には、「よくわからない」もサインの一部と思えただろう。こうしておけば、あとで面倒が起きたときに、「完全に理解していなかったが、サインせざるを得なかった」と反論できる一種の保険となるのだ。しかし、この保険が有効かどうかは「よくわからない」。 |