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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■メーデーのヘルホルヘ

2008.5.6

 5月1日はメーデーだった。日本では労働組合が集会を開いたりするが、アルゼンチンではそのような活動は一切なく、全面的に休日。組合が強いこの国では、いつでもデモや集会、ストなどを行っているので、メーデーは何もしないで、ただひたすら休むのだ。         

 今年のメーデーは木曜日だった。通常、コパ・リベルタドーレスは火曜日から木曜日にかけて開催される。この週はベスト16による決勝トーナメント1回戦の第1試合が組まれていた。アルゼンチンからは5チームがここまで勝ち上がり、同国同士の直接対決が1試合あるので、アルゼンチン勢関係の試合は4試合となっていた。いつもならこれを3日間に分散するのだが、選手はじめ会場職員、警備員らをメーデーに働かせないため、火曜日と水曜日の2日間に集中させた。このため、ボカ対クルゼイロとサンロレンソ対リーベルが同日に行われる事態になった。メーデーの木曜日にも、他の国のチームの試合は組まれたので、これはやはり、アルゼンチンでは組合と労働者が強いことの表れだろう。

 ということで、メーデーの日は街が閑散としていた。みなさん休んでいるのだ。しかし、ホルヘは忙しかった。ゴルフと麻雀に誘われていたのだ。まずは8時に家を出て、8時45分からラウンド開始。キャディや従業員を休ませるために、メーデーは営業しないゴルフ場もあるようだが、いつも行くコースは開いていた。狭くて人気がないため、平日は客がほとんど来ない。だからキャディたちは土日祭日に稼ぐしかなく、休みたがらないのだ。ここでは、当日のスコアについては詳しく記すまい。なにしろ、この週は石川遼も予選落ちしたのだ。ホルヘが池に何個ボールを入れようが、何発OBを叩こうが、何ら不思議ではない。そのようなアクシデントを楽しみながら(時にはキレながら)、スルーのラウンドは1時15分に終了。自分でキャディバッグを担いで約7kmを歩くと、心地よい疲労が感じられる。

 そこから昼食も取らずに家に戻り、今度は麻雀会場へ足を運ぶ。そこは、日系一世のお宅。ここのご主人は普段パラグアイで仕事をしており、年に数回家に帰ってくると、メンバーを集めて麻雀を楽しむ。卓を囲むのは、この家の奥さんと日系の仲間たち。ホルヘは3年ぐらい前から仲間入りしたが、最初はルールを覚えるのに手間取った。麻雀というのは、その場その場で若干のルールの違いがあるものだが、ここのルールは一般のそれとはかなり違う。ご主人によると、“パラグアイルール”だそうだ。“アルゼンチンルール”というのもあるが、仕事先で覚えたこのルールのほうが面白いので、持ち帰ってきたという。中南米それぞれの国のルールで共通しているのは、“中”と“南”と“北”のすべてをアンコにすると、“中南米(北)”という役満になることだ。ホルヘは、未だお目にかかったことがないが…。さて、この日の成績についても、詳しくは記すまい。残念なのは、2順目でテンパった国士無双が上がれずに流局したこと。待ちは“東”だったが、“東場”でドラが“東”という悲運であった。実はホルヘ、前々回のトトビッグで4等の約12,000円を獲得。これで運が上向いたかと思ったが、ヌカ喜びに終わった。あまりにも勝負事に弱いため、アミーゴから、“地獄のホルヘ”という意味で“ヘル・ホルヘ”(上から読んでもヘルホルヘ、下から読んでもヘルホルヘ)の異名をもらったが、そのツキのなさはいまだ健在のようだ。

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