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ウラカンの加藤とメシを食った。彼のことは、以前このコラムで紹介したが、読んでいない人のために簡単な説明をしよう。ウラカンは今年100周年を迎えたクラブで、優勝経験もある。しかし、最近は1部と2部を行ったり来たりで、昨年8月開幕の07-08前期シーズンから再び1部に昇格した。そして、そこに所属しているのが、大阪出身の加藤友介(22歳)なのだ。しかもただ所属しているだけでなく、2部時代はコンスタントに試合に出て得点もマークし、1部昇格に貢献。そして昨年8月の1部開幕戦に途中出場し、トップリーグデビューを果たしたのだった。しかし、調子良かったのはここまで。その後は監督交代が災いしたか、1軍でのプレー機会に恵まれず、日本でいうサテライトリーグが主戦場となった。
会食のメンバーは、加藤とホルヘに加え、通称ツッシーの津島。ツッシーもアルゼンチンのプロ選手として活躍した経験をもち、加藤が来たときから何かと面倒をみている。ホルヘが会食の場に選んだのは、韓国料理屋。ブエノスアイレスには韓国人が多く、市内の外れに彼らが集結して韓国人街を作っている。ハングル語の看板が立ち並び、とてもアルゼンチンとは思えない雰囲気を醸し出している。ここにあるレストランの多くは、セットメニュー方式をとっている。単品で注文するのではなく、客が座ると、ボーイが勝手に料理を並べる。そしてその数たるや半端ではなく、数種類のキムチにナムル、チゲにサラダにギョーザにチジミ、焼き魚に豚肉の冷製に生ガキ、酢の物にキナコ餅、そしてメインの焼肉と海老、さらにご飯とシメの冷麺という豪華版。これで一人当たり約1200円。その上、おかわり自由の食べ放題ときている。一人暮らしの加藤は、以前、バターと粉チーズを和えただけのスパゲッティを毎日4回食べていた。そのことをこのコラムで書いたら、それを読んだ両親が心配してアルゼンチンまで来たそうだ。親とはありがたいものである。今は、手製のトマトソースやホワイトソースでスパゲッティを食べるまでに進化した加藤だが、やはり、野菜不足にはなりがちなはず。その点この韓国料理なら、野菜もたっぷりとれてバランスも量も充分。加藤もツッシーも満足してくれたようだ。
モハマド監督時代は気に入ってもらえた加藤だが、皮肉にも、日本を知っているアルディレスとウベダ両監督の下では1軍から遠ざかっている。しかし、2月のプレシーズンマッチでは、ウルグアイのリーベルプレート戦に途中出場し、1得点を決めた。ウラカンには加藤のライバルであるFWが多く、別のプレシーズンマッチでは、いきなり右のMFとして起用されたこともあったそうだ。最近は紅白戦にも頻繁に使われており、「ウベダにも認められてきているので、ベンチ入りは近いんじゃないかな」とのことだった。
ホルヘは日本滞在中、テレビのJ-SPORTS局のI氏と新宿の居酒屋「どん底」で飲んだ。彼もこのコラムで加藤を知ったらしく、「どんな選手?」などと興味深げに聞いてきた。もちろん、プレーヤーとして有望だ、という説明もしたが、それと同時に、「ジャニーズ系のイイ男」ということもいった。本当に加藤、今どきの女の子にモテそうな甘いマスクをしているのだ。そこでホルヘ、写真を撮ってI氏に送ることにした。その旨を加藤に説明すると、「エーッ、ジャニーズ系とかいったんですか。ハードル高いっすね」と一応は謙遜(けんそん)したものの、「今日はヒゲも剃ってないし、髪もボサボサですよ」と、髪型を決めてヒゲを剃れば「オレはイケテル」と取れるようなことをシレっという。まあ、単身で海外に出て成功するためには、このずうずうしさが必要なのかもしれない。これはぜひ、マネしよう。「ホルヘはイケテル」。
それでは、アルゼンチンの韓国料理と、イケテル加藤の写真をご覧ください。 |