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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■ラマダンでメタボった

2008.2.19

 今年もラマダンの時期を迎え、先日、それを無事に終了したホルヘ。もっとも、このラマダンとはイスラム教徒が行う断食のそれではなく、自分で勝手に決めた禁酒月間のことである。健康オタクのホルヘは、日ごろから規則正しい生活を心掛け、毎晩酒を飲んでいる。しかし、毎年12月に帰国して受ける健康診断の結果を見ると、肝機能や中性脂肪の数値が基準を上回っているのだ。そこでやむなく、1カ月間、酒を抜いて基準値以下に下げるということを、15年ぐらい続けている。そしていつからともなく、これをラマダンと呼ぶようになった。今やホルヘの周辺でこの言葉は定着し、酒のお誘いがあっても、「ラマダン中だから」といえば理解してくれ、「じゃあ、ラマダン明けにやりましょう」ということになる。しかし以前は、「ラマダン中だから」といって断ったら、「あんた、イスラム教か」と尋ねられたことがある。もっとも、真のイスラム教徒なら、ラマダン中であろうとなかろうと、酒は口にしないはずなのだが。

 健康診断では医者が必ず、「運動はしていますか」と質問する。ここでホルヘは、「ゴルフを月に3~4回」と答えた。アルゼンチンにいるときは、平均してこれくらいのペースでプレーしているのだ。なにしろ、市内から30~40分の距離にいくつもゴルフ場があり、プレー代も約2000円と安い。だから、「一緒に行こう」と誘われれば、2回に1回は付き合っている。しかし回数をこなしているからといって、うまいとは限らない。自分でいうのもなんだが、ド下手である。オフィシャルハンデ30で、100を切ることはめったにない。先週は千葉のコースで、あわや130を叩きそうになった。しかし、趣味でやるゴルフにスコアは関係ない、というのがホルヘの持論。うまい人がちょっとしたミスでカリカリしているのを見ると、かわいそうになる。趣味でストレスをためてどうするのかと思う。遊びなんだから、ボールを池に打ち込んでも、笑っていられる程度の腕前がちょうどいいのだ。

 「ゴルフを月に3~4回」という答えに対して医者は、「ゴルフは運動になりません」と切り捨てた。たしかに、パコーンと打ってカートに乗って、では、大して歩きもしない。しかし、これは日本のゴルフのこと。アルゼンチンでは、乗用カートがあるのはごく一部のコース。普通は、キャディーバッグを専属のキャディーに担がせるか、プレーヤー自らが手引きカートで運ぶ。これで、全コース約7キロを歩いて回るのだ。ちなみに、キャディー代は1500円くらい。これならかなりの運動になるが、ホルヘの場合はその上をいっている。キャディーも手引きカートも使わず、自分でキャディーバッグを担いで回るのだ。日本でこんなことをやっているのは、ゴルフ部員かプロを目指す研修生くらいであろう。もともとは、ボールがどこに飛んでいくかわからないのでキャディーを使っていたが、スコアよりもメタボ対策が重要だと悟り、昨年からこのスタイルを始めた。これは、かなりきつい。初めてのときは、15番ホールで足がガタガタになり、わき腹がつりそうになったものだ。この話をすると、医者も「それは、いい運動になりますね」と太鼓判を押してくれた。しかし、帰国中の現在はその運動から遠ざかり、ラマダン中に食べ過ぎて体重が増えてしまった。やはり、禁酒は身体によくないのだろうか。

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