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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■チリの応援

2008.1.15

 「セ・アチェ・イ」「チー!」「エレ・エ」「レー!」「チチチ・レレレ・ビバ・チレ!」。いったい何のことだかわからないだろうが、これは今度日本代表と戦う、チリ代表を応援するかけ声。チリは、スペイン語ではCHILEとつづって、発音は「チレ」。そして英語なら「シー・エイチ・アイ・エル・イー」であるアルファベット個々の発音が、「セ・アチェ・イ・エレ・エ」となる。これはかけ合いのような形で行われ、一人(あるいは数人)が「セ・アチェ・イ(C・H・I)」と叫ぶと、周囲の人々がそれにこたえて「チー(CHI)」とほえる。そして「エレ・エ(L・E)」に対して「レー(LE)」と返し、その後「チチチ・レレレ・ビバ・チレ!」の大合唱になるのだ。

 「ニッポン・チャ・チャ・チャ」式の単純で古典的な応援だが、このチリの応援はかけ合いという面白さに加えてリズムも心地よく、ホルヘは大いに気に入っている。サンチアゴのホームゲームでは、牧童的な民族衣装を身につけて国旗を手にした名物男が、試合前にピッチ内からこの応援を指揮する。国旗をまるで指揮棒のように使い、かけ合いから合唱へと導いていく。それはまさに、スタジアム中の観客がひとつになった、という表現がぴったり。思わず感動し、胸がジーンとなった記憶がある。まあ、今回のチリ応援団は日本在住のわずかな人たちだけだろうが、試合観戦に行くチャンスがあれば、彼らのかけ合いと合唱にも耳を傾けてもらいたい。

 今回の試合はFIFAの国際Aマッチデー以外の日に行われるので、はじめからヨーロッパ組の召集は不可能で、国内組で編成されることはわかっていた。しかし、先にチリで発表された遠征リストを見ると、それにしても軽いメンバーだな、との印象は免れない。国内組の注目株だったビジャヌエバとオレジャーノは、所属のアウダックス・イタリアーノの要望で除外。もっともビエルサ監督はこの決定に不服で、協会との関係に亀裂が生じ始めた。結局、メンバーは経験の浅い若手中心。これは、中堅選手を集めてお茶を濁すのではなく、若手を育てようという方針の現れだろう。チリ側はそれでいいが、迎え撃つ日本としては肩透かしを食ったようなもの。おまけに真夏から真冬の日本へ移動し、コンディションも悪いはず。

 しかし日本代表にとって有利な条件が多いが油断は禁物。なぜならチリは、日本人を手玉に取ったアニータを生んだ国なのだ。

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