2回目のコラムでいきなりこのテーマはどうかとも思いましたが、サッカーの指導者としてこのテーマは非常に大切なことだと思うので、このコラムを書くことを決めました。そして、この話題はオランダでも少し話題になりました。そんな今回のテーマは「指導者の給料事情」です。
オランダにあるエリートスポーツとタレント育成に特化したコンサルティング会社NMC Brigh(http://nmcbright.nl/)が2016年に2587あるアマチュアフットボールクラブの内、353のクラブの指導者を対象に調査を行いました。
引用元:
(https://www.tussendelinies.nl/hoeveel-verdient-trainer-amateurvoetbal)
Opleidingとは、ここでは通ったライセンス学校の種類を表しており、つまり所持しているライセンスを意味しています。Junioren/Pupillentrainerは5歳から13歳までの選手たちを指導する指導者向けのライセンスで、日本のD級ライセンスとほぼ同じかもしれません。Andersはそれ以外、Geen opleidingはサッカー指導における学校に通っていない、ライセンスを持っていないことを意味しています
さらにここではSeniorenとJeugdで分けられ、Seniorenはクラブのトップチーム、Jeugdは育成カテゴリーを意味しています。
基本的にオランダのアマチュアクラブで指導している指導者は週2回、多くて週3回、約1時間半のトレーニングをして、週末のどちらか、試合に帯同するというのが普通です。そうなると準備や移動などを除くと、サッカーの指導者として拘束される時間は週に約7時間から12時間になります。そして、基本的に8月中旬から次の年の6月中旬くらいまでが1シーズンになり、チームとして活動する期間は約10カ月になります。もちろん、クリスマスから正月までの間はウインターブレイクとして、この期間全く活動は行われません。
そしてその約10カ月でもらえる給料が、この表の数字になります。
この数字を見てどう思いますか?
プロクラブでの給料事情は詳しくわかりませんが、サッカーの指導者として生活するということを考えたとき、日本のほうがサッカーだけで生活している人の割合は多いかもしれません。オランダの私の同僚も学校の先生をしていたり、企業で夕方まで普通に働きながら、指導者を続けています。
参考までにアマチュアクラブのトップチームで指揮を取った場合のデータも載せておきます。
引用元:
(https://www.tussendelinies.nl/hoeveel-verdient-trainer-amateurvoetbal)
Top Klasse(今は名前が変わっています)は上から数えてオランダ3部に該当し、セミプロとして位置付けられています。Top Klasseから右に行くにつれて4部、5部、6部・・・・・となります。1e-mannenは男子のトップチーム、2e-mannenは男子のセカンドチーム、1e-vrouwenは女子のトップチームを指します。
今は低迷していますが、サッカー先進国の一つであるオランダであっても指導者の給料事情は正直、決して良いものではありません。それでもオランダ人は自分の時間を削って、サッカーの指導者として活動します。やっぱりサッカーが好きなのだと思います。はたまた文化の一つなのかもしれません。
|