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政本 晶生
アイルランド

アイルランド通信
~What's the craic?(やぁ、楽しんでる?)~

政本 晶生
武南高校および市立習志野高校にて高校4年間をサッカーに費やしたあと、大学ではフットサルを競技で行いながらAS ROMA FUTSAL JAPAN TOURなどスポーツイベントに携わる。それらの経験を活かしスポーツマネジメントの世界へ。大学卒業後はJFL所属の横河武蔵野FCで働きつつ、筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻に進学。3年間の社会人生活および体育学修士取得後、2010年度よりアイルランドに留学、現在日々英語と格闘中。

アイルランド

■アイルランドでの『東日本大震災』

2011.3.31


3月11日、普段より早く朝6時半に起床したこと以外は、ごく普通の日常でした。いつものようにシャワーのスイッチを入れ、リビングルームへ行き、コーヒーを沸かしてテレビをつけました。朝必ずニュースを見る私のチャンネルは、アイルランドの国営テレビRTEかイギリスのSky News。前日シェアメートの誰かが音楽番組のMTVを見ていたのか、チャンネルがMTVになっていたので、Sky Newsに合わせました。その瞬間、まだ寝ぼけていた頭が一気に覚め、目の前に広がる光景に目を疑うばかりでした。まるで映画のワンシーンのような光景。私の頭は焦りと不安に変わり、朝はただただ驚くばかりでした。

その日はテストがあったため、とりあえずトーストとコーヒーだけ口にし、慌ただしく家を出ました。そのときは、まさかこれほど被害が拡大するとは思っておらず、ただし大変な事態が起きたとだけ認識して家を出たのを覚えています。夕方前に帰宅するや、即テレビをつけ、ニュースに釘付けになるように見入りました。

アイルランドでも(恐らく世界中が、でしょうか)東日本大震災のニュースを一日中、片時もストップすることなく報道していました。現状を知れば知るほど焦りと不安が大きくなるだけでなく、深い悲しみとショックが入り混じる、何とも言い難い心境でした。あまりの衝撃的な出来事に、心が押しつぶされるような気持ちになり、言葉が見当たりませんでした。こうして通信を書いている間も大きな悲しみが取り巻いています。普段サッカーが人生で最も大事で、情熱の源であるかのような口ぶりの私も、この悲劇を目の前にすると、そんなことは、ほんのちっぽけなものだと思わざるをえません。人生で最も大事なものは尊い命、家族であり、友人であるという当たり前のことが頭を駆け巡っています。

アイルランドという日本から遠く離れた地にいるときに起こった大災害。家族や友人、そして日本国民が大きな不安と悲しみに陥っている際に、その瞬間すらもシェアすることができないことの歯がゆさに、どうしていいのかもわかりませんでした。前回の通信のとおり、アイルランドでは1年でいちばん大きなイベントであるセント・パトリックス・デイの開催が目の前に迫っていました。日本中が深い悲しみに包まれているときに、とてもイベントに参加する気分にはなれませんでした。

ただ冷静になればなるほど、元気でいられている自分がアクションをしなければと感じました。私の影響力など微々たるものということなど百も承知です。ただそんな小さな力でも、一人でも多くの外国人に協力を呼び掛けようと、私はセント・パトリックス・デイにメッセージTシャツを着て参加することにしました。

「STAND with JAPAN when THE EARTH SHAKES」──友人であるイギリス人と一緒に書いたこのメッセージは、ヨーロッパ各国から集まる参加者からの感心を、道ですれ違うたびに集めることができました。次から次へ私に話しかけてくれ、私は最後に必ず募金のお願いをしました。他の日本人の参加者も私と同じ気持ちだったのでしょう。日本国旗にメッセージを集めて回る日本人グループとも出会いました。私がこのようなアクションをして何が変わるのかと自問自答することもあります。ただ今この事態において、一人一人の小さなアクションがきっと大きな力を生む、そう信じてやみません。一、日本人として、大きな悲しみを抱くとともに、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

サッカー界はこの現状で何ができるのでしょうか。サッカー選手は、私も少年時代そうだったように、少年たちのあこがれ・模範となる人です。また、全力を尽くしたプレーには、見る者に大きな感動を呼ぶ力があります。各クラブがすでにさまざまなアクションを起こしているようですが、この活動を継続することが何より大きな力になるのではないでしょうか。

さらに私自身の答えとしては、サッカー界に限らず、生かされている者が元気でいることだと思います。日本を愛するものなら誰もが言葉にできないほどのショックに包まれています。普通に生活することができている人間が前を向かなければ、誰が被災地に元気を贈れるのでしょうか。こんなときこそ元気に、そして日々に感謝しながら精いっぱい生きていかなければと思うのです。一人一人が大小問わずできることをやる。今こそ力を合わせ立ち上がるときなのではないでしょうか。
─―STAND WITH JAPAN(ニッポン、立ち上がれ)。

短い間でしたがアイルランド通信は次回が最終回。ユーロ2012予選・アイルランドvsマケドニアについて報告したいと思います。それではまた。

STAND WITH JAPAN(ニッポン、立ち上がれ)
STAND WITH JAPAN(ニッポン、立ち上がれ)

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