第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
決勝 FC東京U-18-浦和レッドダイヤモンズユース

2017年08月03日

松尾祐希(サッカーライター)取材・文
松岡健三郎(本誌)写真

17年8月2日(水)18:00キックオフ/味の素フィールド西が丘/観客3,584人/試合時間90分
FC東京U-18
2 0-0
2-0
0
浦和レッドダイヤモンズ
ユース
久保建英(後半34分)
小林幹(後半38分)
得点者  

2連覇を狙うFC東京U-18か、20年ぶりの優勝をもくろむ浦和レッドダイヤモンズユースか。覇権を奪うに値するチーム力を持った同士の対決となった対戦は、序盤から青赤軍団が猛攻を仕掛ける展開となった。MF品田愛斗とMF平川怜のダブルボランチを起点に2列目と2トップが効果的に絡み、幾度となく好機を演出。終盤まで得点を奪えなかったが、後半34分に久保建英が均衡を破る一撃を左サイドの角度のないところから沈めてみせると、その直後の同38分には小林幹がPKを沈めて勝負あり。FC東京が昨年に続き、スタジアムに凱歌を響かせる結果となった。

決勝ゴールを決めた久保建英
負傷した先輩に捧げる一撃で連覇に導く

FC東京は序盤から幾度となくチャンスを作ったが、なかなかゴールをこじ開けられない。相手GKのビックセーブもあっただけに、試合の流れを相手に明け渡したとしても何ら不思議ではなかった。それでも、やはりここぞという場面でチームを勝利に導いたのは久保建英。彼が沈めた鮮やかな一撃だった。

決して簡単なプレーではなかった。後半34分。小林幹からボールを受けるも、PA内の左奥で受けた状況ではシュートコースも限られていた。それでも、一瞬のスキを見逃さないのはさすがの一言。冷静に左足を振り、ニアサイドに正確なショットを打ち抜いた。その瞬間歓喜の輪ができたが、中心にいた久保は誰よりも感情を爆発させていた。もちろん、均衡を破ったからこそ想いを爆発させてもいるのだが、もう1つ理由があった。2日前の準決勝で右ヒザ負傷をしたDF坂口祥尉に対する想いだ。

久保にとって坂口は、公私ともに仲が良い存在だ。ピッチの上ではお互いプレーを高め合い、グラウンド外でも落ち込んでいれば自分を励ましてくれる。
「祥慰くんは自分を励ましてくれることが多い。チームのムードメーカーで対人もチーム一強いと僕は思っていて、いろんな人がいるけど守備の要だと思う。自分がもしケガをした立場になれば、あんなに明るく振る舞えない。そういう中で自分に頑張れよとLINEが来たときは、本当にやらないといけないなと思った」
試合前日にLINEで坂口から激励を受けていたという久保。決勝当日は、松葉杖を突く痛々しい姿ながらもチームを応援する坂口の姿があった。だからこそ、この試合に掛ける気持ちは誰よりも強かった。ゴールを決めたいという想いを人一倍持っていたのは想像に難くない。

結果として、値千金の決勝弾を決めた。
「恩返しができたというか、こういう言葉はあまり言いたくないけど、そういうことができて良かった」
普段はそういう想いを乗せないが、坂口のためにゴールを奪えたことは先輩への恩返し。プレーやメンタル面で大人の表情を見せるが、このときだけは少年の顔になっていた。仲間のために戦う喜びを知った久保建英、16歳。決勝で奪ったゴールは彼の心に刻まれ、決して忘れることができないものになったのは確かだ。

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