第95回全国高校サッカー選手権京都府予選
決勝 京都橘高校―京都産業大学附属高校

2016年11月24日

松尾祐希(フリーライター)取材・文・写真

16年11月23日(水・祝)13:09キックオフ/京都府・西京極総合運動公園陸上競技場/試合時間80分
京都橘
1 0-0
1-0
0
京都産業大学附属高
水井直人(後半33分) 得点者  

全国高校サッカー選手権で、唯一代表が決まっていなかった京都府予選が23日に行われ、京都橘が5年連続6度目の出場権を手に入れた。
試合は序盤から京都橘のペース。しかし、5バックで守りを固める京産大附高を前に決定打を放つことができない。スコアレスのまま迎えた後半も、Jリーグ京都内定のFW岩崎悠人を軸に攻め立てるが無得点。それでも、後半33分にゴール前の混戦を制した水井直人がネットを揺らして、勝負を決めた。

ピックアッププレーヤー

京都橘DF水井直人(3年)
大ケガを乗り越え、精神面が変化
得点力のあるサイドバックに

「延長は覚悟していました」(米澤一成監督)というチームを救ったのは、大ケガから帰ってきた左SB水井直人(3年)だった。後半33分に豊富な運動量を武器にゴール前まで駆け上がると、こぼれ球に走り込んで左足でシュート。放たれた一撃はネットに吸い込まれ、チームを全国大会に導く決勝弾となった。

今大会、SBながら3得点を奪っている水井は、豊富な運動量を生かした攻撃参加とアグレッシブな守備でチームを後方から支えてきた。しかし、今でこそピッチで輝きを放っている水井だが、米澤監督は「今までは精神的に弱かった」と振り返る。そんな彼を変えるきっかけになったのが、昨年の5月にプレミアリーグWEST第5 節のG大阪ユース戦で負った、左足のじん帯と半月板を損傷だった。

当初は保存療法で完治を目指していたが、負傷と復帰を繰り返したことから昨年の11月に手術をすることを決断。その後は完治を目指してトレーニングをスタートさせたが、リハビリ担当の和田先生に「お前は(メンタル的に)弱いんだから、ここで変えていけ。これを良い経験だと思ってリハビリをやっていこう」という言葉を掛けられた。そこから彼の精神面は大きく変化。長くて苦しいリハビリを乗り越えると、今までは苦手だったフィジカルトレーニングで音を上げることもなくなった。

そんな彼の姿に主将の岩崎悠人も「ケガを乗り越えて精神的に強くなりましたし、最後も気持ちのプレーでチームを引っ張ってくれた。今日もそれで結果を残してくれましたし、苦しんできた分、直人のいいところが出た」と賞賛。本人も「今、思うとケガをしたことが良かった」と話していた。

その頑張りがこの日の決勝弾につながり、最後の最後にサッカーの神様が永井に微笑んだ。しかし、これで終わりではない。まだ全国の舞台が残っている。「本戦でも頑張って初戦からしっかりと戦っていきたい」と水井は、初めて挑む大舞台に気持ちを切り替えている。1回戦で対戦するのは総体王者の市立船橋。かなりのビックマッチとなるが、ひるむことなく奮戦する覚悟だ。

京都橘DF水井直人(3年)
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