第69回近畿高等学校サッカー選手権大会
決勝 東海大仰星高校-興国高校

2016年06月21日

森田将義(フリーライター)取材・文・写真

16年6月20日(月)13:30キックオフ/奈良県・県立橿原公苑陸上競技場/試合時間70分
東海大仰星
1 1-0
0-0
0
興国
谷野龍馬(前半9分) 得点者  

ともに全国総体の出場を逃し、リベンジを狙った同士の一戦は開始早々に試合が動いた。前半9分に相手のパスミスからMF松井修二が相手エリア中央をドリブルで突破。相手DFに阻まれたものの、PA左にこぼれたボールをMF谷野龍馬が落ち着いて決めて東海大仰星が先制する。以降は興国が得意のボール回しからサイドを攻め込む場面が続いたが、仰星は最後まで集中力を切らさず、失点を回避。終了間際に受けたMF大塚智也の絶妙な直接FKもGK宮本一郎が好セーブで防ぎ、1-0で逃げ切った。

ピックアッププレーヤー

東海大仰星DF玄尚悟(3年)
堅守の仰星を支える守備の要
ピッチ内外でハートを磨き、無失点に貢献

大会4試合を通じて、許した失点はわずかに1。この日も攻撃力に長けた興国を相手に無失点に抑えることができたのは、CB玄尚悟(3年)の活躍が大きい。「相手にボールを持たれると思っていた」とおりの試合展開となる中、カギとなったのはスペースへの飛び出しに長けた興国のFW北山雄大への対応。何度も背後を狙われたが、「速いのは分かっていたので、しっかりスピードを合わせてついていこうと思っていた。裏の抜け出しに関しては予測して先に触ろうと考えていた」とゴール前できっちり抑えてシュートを打たせず。中務雅之監督が「前への推進力のある選手に対して、うまく対応してくれた」と称える働きを見せた。

加えて、「ヘディングは自分の武器なので、負けたくない」と自信を見せる跳ね返しでも強さを発揮した。だがもともとは178セントとDFとしては決して大柄ではなく、「相手よりも先に飛んだり、ずっとヘディングは意識していた」もののヘディングは得意ではなかったという。変化が生まれたのは5月にインターハイ予選が始まってから。「負けられないという責任感が強くなって、プレーしているうちに自信がついてきた。技術よりも自信が何より大事だと思った」。これまでパートナーを組んできたDF金川楓が準決勝で退場し、この日は不在となったため、負けられない気持ちはいつも以上。持っていたポテンシャルを最大限に発揮した結果がこの日のパフォーマンスにつながったと言える。

ピッチで活躍するための準備ができるのも彼の強みだろう。「すごく熱い人」と評する中務監督を慕って進んだ仰星で成長を感じるのは、サッカー以上に私生活での部分。もともと、「勉強もサッカーも真面目」(MF松井修二)な性格だが、「サッカー以外の成長にも親身になってくれるし、怒るところははっきり怒ってくれる」指揮官の下、「私生活でもちゃんとしないと、試合で抜けている部分が出てしまう」と細かい部分までこだわり、学校生活を続けてきた。この日、最後まで集中力を切らさず守り切ることができたのは、そうしたピッチ外での積み重ねがあったからなのは間違いない。

東海大仰星DF玄尚悟(3年)
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