1-4。
野洲が敗れました。懸命に涙をこらえたり、大きな声で泣き出す姿が、そこにはありました。
「負けた後のロッカールームだけは入らないで」
密着を始めたときから山本監督と交わした約束。ロッカールームの前で待っていると、最後に「入ってもいいよ」と。呆然と静かに、たんたんと着替えをしている選手がいました。真っ赤な目をした田中君と目が合います。やさしく微笑んで、視線を下に移します。カメラを向けることはできませんでした。取材を受けていた乾君がこちらに近づいてきます。
「国立につれて行けなくて、ごめん」
泣くのはやめようと思っていたのに、涙を止められませんでした。
「泣きすぎや」乾君は、悲しそうな笑顔で記者さんの前に出て行きました。
一人ひとりと握手をしてロッカーを出ます。
「ありがとう」
みんながそんな風に声をかけてくれました。
最後に田中君と握手をします。
「泣き顔はなしね。最後も笑っているところにしてほしい」
田中君との最後の約束。笑って終わりにしよう。いつも笑顔だった彼らにふさわしい言葉です。
「最後のミーティングやるよ」
山本監督がバスに乗り込む瞬間に、そう話しかけてくれました。
宿舎に戻ると、明るい彼らがいます。
さぁ、最後のミーティングです。 |