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2010FIFAワールドカップ南アフリカ どうなる日本!? 激動の最終予選レポート

2009/6/9

2010FIFAワールドカップ南アフリカ どうなる日本!? 激動の最終予選レポート
日本代表-ウズベキスタン代表 対談レポート

田村修一(フットボールアナリスト)、清水英斗(本誌) 構成

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STRIKER DX名物 対談レポート
ウラジオストク発、ベスト4行き!

清水 田村さんは、オシムのインタビューをたくさんやっていますよね。ズバリ、岡田監督とオシムの違いって何ですか?

田村  以前は相当大きな違いがあるって思ってたんだけど、今は僕が思っていた以上に岡田さんが力を発揮している。だから、岡田さんが実際どこまでやれるのか、楽しみになってきたんだよ。キリンカップ前までは、西野監督に負けてるなって思ってたんだけど。

清水 徐々にそういう空気は出てきましたよね。「やっぱ岡ちゃんすげーじゃん」って。

田村  もちろん経験からくる総合値でいえば、オシムさんのほうが上なんだろうけど、決して岡田さんも捨てたもんじゃないなと。今は肯定的にとらえている。

清水 以前は一回負けただけで、すぐに解任論とか湧いてくるような状況だったけど、「ベスト4」っていう具体的な目標を出したことで、そこに岡田さんがどこまで近づけるのか。見守りたくなるような感じが出てきてると思うんですよ。やっぱり、2回もワールドカップに連れて行くなんて、ただ者じゃない。

田村  しかも両方とも途中からだからね。97年のときは本当に大変だったと思うし、そして今回も彼の色が出るまでに時間がかかったからね。

清水 あのときは終了間際でかろうじて1-1に追いついて、首の皮をつなげた。そして今度はものすごく危険な中で、最後まで追いつかせずに1-0で出場を決めた。どちらも思い出のウズベキスタン戦ですね(笑)。

田村  それがこの12年の違いなんだろうね。

清水 田村さんは、どちらの試合も、このパフタコール・スタジアムで見てたわけなんですが、気持ちはかなり違ったんですか?

田村  やっぱりさ、余裕が全く違うもの。岡田さんにしてもそうだし、プレーする選手の精神状態もそうだし、見る僕たちの精神状態も全然違う。なんていうのかな……。今回に関しては、ハラハラドキドキしつつも、ベースには余裕があるじゃない? でもあのときは、ベースがハラハラドキドキで、その上もハラハラドキドキだったからさ。

清水 確かに、今回は記者のほうも「勝てるかどうか」より、「雨が降りそうだけど屋根があるのかどうか」のほうが気になってたみたいだし(笑)。試合は大丈夫だろ、ってどこかに安心感があったと思う。

田村  今はみんな楽しんで試合を見る余裕があるけど、あのころは本当に、生きるか死ぬかだったからね。喜びはもちろんうれしいんだけど、悲しみのほうは本当に死にたくなるような感じだったもの。でもウズベキスタン戦はまだよかった。その後の、ホームのUAE戦。あれは本当にガックリきた。眠れなかったもの。悔し涙が出るくらいに。僕はサポーターじゃないんだよ、でもそんなの関係なくて。

清水 今は、「ALL for 2010!」っていうスローガンが出てますけど、当時はまさに「ALL for」ですね。

田村  あのころはそんな掛け声かけなくてもさ、サッカーに関わる人間が自然と同じ気持ちになってたと思うよ。

清水 今回ちょっと悲しかったのが、岡田監督が練習中にあるレフェリーのことをネタにしていった叫び声が、ニュースになってしまいましたよね。「ラストワンゴール」っていった後、なかなか攻撃陣のゴールが決まらなくて、次の練習メニューに移れないでいて、雰囲気もイヤ~な感じになりかけたとき、それを振り払おうとして口から出ちゃったことなんですけど。面白いけど、問題発言になりかねない言葉だった。あれが、あっさりニュースでネタになっちゃうっていうのが悲しい。たぶん97年だったら、「足を引っ張るのはやめようぜ!」ってみんなで口を閉じると思うんですよ。なのに今回は……、全然「ALL for」になってない。

田村  岡田さんもたぶん、97年ならそんなこといわなかったと思うよ。それも今の余裕がなせる業というか。試合後、ウズベキスタンのプレスオフィサーは、本気で怒ってたからね。「日本はバーレーンのために、ウズベキスタンと全力で戦ったんじゃないのか!」って。

清水 会見でもそんな質問がありましたね。冗談じゃない。こっちは年に5回もバーレーンと試合やらされて、さすがにウンザリしてきてるのに(笑)。

田村  そうでしょ。でも向こうも余裕がないからさ、そう疑っちゃうんだよ。

清水 何かに救いを求めるケンカというか……。97年のときにサポーターがカズに卵を投げつけたのも、その一つなんでしょうね。

田村  そう。12年前の日本も、ちょうどそういう感じで戦って、ワールドカップ初出場を決めたんだよ。僕はもう、あんな気持ちになるのは一生ないと思うよ。人間の一生の間にさ。もうワールドカップで優勝しても、あの気持ちにはならないかもしれない。君たちだったら、それを経験してないから、この後もあるかもしれないけど。

清水 そうですね。だからこそ僕は、岡田さんの「ベスト4」にも本気で乗っかってるんですよ。

田村  あと10年や15年したら、それも本当に現実味を帯びてくるんだろうね。

清水 今回は無理ですか?

田村  だって、ベスト4だよ? ベスト8ならまだあるかもしれないけど……。

清水 なんかそのあたりも、強豪と全然試合してないもんだから、フワ~ンとしちゃうんですよね。自分たちの位置が世界の中でどのあたりにいるのか、完全に迷子(笑)。どんなに組織をしっかり作っても、迷子のコンセプトじゃどうにもならない。

田村  そこだよね。トルシエもいってるんだけど、この4年間、日本はアジアにしか目を向けてこなかったと。ある意味しょうがないんだけど。

清水 やっぱりもう、日本はUEFAに加盟するしかないっすね。AFCなんか抜けて。

田村  2、3年前にね、ウラジオストクのクラブチーム(ルチ・エネルギア)がロシアリーグに昇格したんだよ(現在はふたたび下部リーグに降格)。もしもこのチームが、リーグ戦で首位でも取れば、チャンピオンズリーグに出場することになってくるわけでしょ。

清水 そしたら、バルセロナやマンチェスター・Uが、日本の目と鼻の先、極東のウラジオストクまで試合をしに来なきゃいけないわけですよね。それが現実になれば……、「まぁあんま変わんないし、日本もUEFAに入れてもいいか」ってことにならないかな(笑)。日本サッカーの夢のような強化は、ウラジオストクにかかっているぞ……!

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