
菊地 なんか、会場の雰囲気といい、チームの戦い方といい、オシム時代に抱えていた理想はどこへやら。アジアの予選で目の前のことを一つ一つ片付けていくと。そんなアジアレベルにまたどっぷりと漬かっていく様子が、日本らしいなぁって感じがするよね。
清水 そして南アフリカ本大会で3敗……みたいな。ドイツで味わった悔しさは、もうみんな忘れちゃったのかなぁ。
菊地 そうなんだよ。ワールドカップのことはひとまず忘れて……、みたいな雰囲気になってるじゃない? どうやったってまずは突破だろ! ってことになっちゃうわけだからさ。このチームを本大会で見てみたいっていう思いをお客さんから引き出さないと、予選を突破できても代表人気の復活にはつながらないでしょう。もっといいプレーをしなきゃいけないよね。
清水 そりゃそうだ。世界のベスト4を目指すのなら、ウズベキスタンごときを相手に、腹の探り合いをしてる場合じゃねえぞって(笑)。そうやって予選を踏みつぶして通るほどの実力がないのが、今の日本の立ち位置なんでしょうね。
菊地 だけど、ウズベキスタンは強かったよ。カタール戦や、オーストラリア戦を見た感じでは、両サイドがガンガン上がってくるかと思ったんだけど、今日は完全に上がりを抑えていた。DFラインのパフォーマンスレベルは変わらなかったと思うんだけど、今日は中盤がものすごく頑張っていたね。
清水 オーストラリア戦でも、ウズベキスタンは当たりの激しいチームだという印象はあったけど、それに加えて足元の粘りがあった。安易な飛び込みでかわされることがなくなっていたし、あれだけ激しくプレーしているのにイエローカードは意外と少なかった。集中力が相当に高かった証拠だと思う。
菊地 ここで負けたら終わり、っていう意気込みをモロにぶつけられましたね。
清水 新しくウズベキスタンの監督になったカシモフは、ドイツワールドカップ予選にも出場していた元選手で、現代表選手からも人気が高いという話だし、モチベーションアップにも成功したんでしょうね。
菊地 まぁまだ日本は負けてないわけだし。ただ、これで次のカタール戦が重要な意味を持ってきましたね。ここでやられちゃったりすると、いよいよ記者会見場が紛糾するんじゃないですか? だって、もう批判したいというエネルギーがどんどん膨らんでいて、爆発のときを待ち構えている感じだもんね。
小池 監督を解任して、それでもって……。
清水 やっぱりそうなりますか。
菊地 なんてったって、11年前の当事者が今、監督をやってるわけですからね。
小池 そして大木武が監督に就任……なんてことに。流れの上ではそうでしょう(笑)。
菊地 いろんなことを想像させられる2試合でしたねえ。想像をツマミに飲めるよ、これは。まぁそれはさておき、岡田武史監督のあの腹のくくり方とでもいうんですか。何となく好感が持てましたが。
清水 迷いがない感じですよね。記者のファイティングポーズを取った質問にも、まるで動じない。無視したり跳ねつけるわけでもなく、そんな質問をする記者を見下すわけでもなく、ずっと淡々と冷静に受け止めて答えている。あの姿はカッコいいと思った。
小池 岡田監督は一度、実際に心中しちゃってる人だから。城彰二と。そういうものすごい経験してるから、ワールドカップに臨むチームの監督してのあり方みたいなのを、すごくよくわかってるんじゃない? 心中の仕方も含めて(苦笑)。
清水 あとは何かありますか?
小池 失点シーンの闘莉王のオーバーヘッドだねえ。これはいっとかないと。あんなところで、DFがハチャメチャなプレーをしたらダメだよ。
菊地 闘莉王は1人でドタバタしちゃって、倒れるのありきなクリアだったもんね。1人プロレスだった(笑)。
小池 「DF出身の岡田監督としては、ああいうプレーはどう感じましたか?」って質問しようかと思ったんだけど。全国の子供たちは、あのプレーを反面教師にしてほしいよ。
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