
清水 1戦目に勝って、2戦目で引き分ける。ここまでの流れはフランスワールドカップ最終予選と全く同じですね。
菊地 もう、今日は引き分けだっていうのに、小池さんが終始ニコニコしちゃってさ。「これが予選だ、これが予選だ!」って(笑)。そのココロは何ですか?
小池 このウズベキスタン戦の引き分けは、11年ぶりのワールドカップ最終予選ホームゲームでの引き分け。思い起こせば、97年のフランスワールドカップ最終予選、あのときの引き分けはすごかったからね。試合後、選手の出口にサポーターから生卵がバンバン投げつけられて……。UAEが相手でね。そしてこの前のキリンカップの相手がUAEで、このウズベキスタン戦のレフェリーもUAEでしょ。11年の時空を越えて奇妙な一致というか因縁めいてるというか……。なんかそういう場に、自分がひたっているっていうこと自体が楽しいような、ワクワクするような、そんな気になっちゃう。ホームでの引き分けなので、若干の不謹慎さみたいなのは感じつつも。
菊地 やっぱり、何かつながるもんですね。
小池 11年前といったら、先発した香川真司なんてまだ8歳だったんだよね。なんかこう……ノーリーズンで面白いよ、ワールドカップ予選は。日本人にとっていちばんナショナリズムを刺激される、負けたくないものだと思うから。オリンピックは日本人に活躍してほしい、勝ってほしいっていう願望が強いと思う。でもワールドカップ予選は「絶対に負けたくねえ」系統のもの。オリンピックとは違った「濃い」本気度に、自分はひたれるんだよね。
94年のアメリカワールドカップには、初出場に手が届きそうで届かなかった。そして98年は手が届かなさそうで最後は何とか出場を決めた。ああいう興奮を味わっちゃうと、またあんなスゴイのを見たい、体験したい、と思っちゃって。3大会ぶりだからね、燃えてきそうな予選っていうのは。本当はここに韓国がいてくれると、余計に血沸き肉躍るんだけど。
清水 今日は久しぶりに、日本の一体感を感じましたよ。試合が終了に近づけば近づくほど、一つのチャンスにスタジアム全体が一喜一憂しているのがよくわかった。前半、ウズベキスタンに先制点を許してしまったときも、スタジアムが一瞬、「シーン……」と静まりかえって。普通の状態なら、「ざわざわ……」と不協和音が混ざると思うんですけど。静寂の一体感が良かったですよ。
菊地 そうだねえ。これがワールドカップ最終予選の力なんだよね。
清水 他に気づいたところは?
菊地 今日の前半は、玉田を最前線に置いて、大久保がトップ下みたいな位置に入ってボールを受けようとしてたけど、彼はそういう仕事が全然ダメだよね。で、後半あたりから俊輔は玉田を狙うようになってきたんだよ。そこで少しうまくいくようになってきた。そもそもトップ下にボールを当ててつなぎたいのなら、玉田と大久保の位置は逆なんじゃないかって思うんだよね。玉田がトップ下でたくさんボールに触れるようになったほうがいい。
清水 あれが玉田と田中達也ならもっとスムーズにいくんでしょうけどね。代表では大久保の取り扱いマニュアルが、まだ出来上がっていない感じ。
小池 たぶんそこまで考えてないんじゃないかなぁ。何もかもが行き当たりばったりな感じで。コンセプトっていうけど、効果的なパスのつなぎ方ができていない。このチームはオシム氏の「考えて走る」っていうところからスタートしたチームなんだから、考えて動かないと。それが忘れさられて、ただつないでる感じだよ。
清水 忘れさられたといえば、接近・展開・連続もありましたね(笑)。接近しきれない、もしくは接近しすぎてノッキング、接近から展開にいけない、なんてシーンは山ほどあるのに。
小池 そのサッカーの具現者だったジェフ関連の選手たちは代表を去っていき、今や阿部ぐらいしか残っていない。かつては先発にも半分くらいいたと思う。
清水 オシム時代ですね。ただ、そのころはサッカーはスムーズだったけど、今のほうが単純にお金を払って行きたいなぁって感じはしますけどね。
菊地 ほう。なるほど。
清水 ネームバリューだけじゃなくて、距離が遠くて背番号が見えなくても、「あの選手がプレーしてる」ってことがわかる選手たちなんですよ。良くも悪くもプレーに個性があるというか。観客をオーッて沸かせるシーンも多い。展開のスムーズさには欠けても、今の代表にはそういう良さもあると思いますよ。
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