第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 瀬戸内-日本航空

2019年01月05日

森田将義(フリーライター)取材・文
高橋学 写真

19年1月5日(土)14:10キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客5,159人/試合時間80分
瀬戸内
1

1-0
0-0

0
日本航空
吉田寛太(前半37分)
得点者

共に初のベスト4進出をかけた一戦。序盤は両者攻撃のリズムが作れないまま時間が進んだ。しかし前半の半ばをすぎたあたりから、3トップが果敢にスペースを狙った瀬戸内が好機を作ると、前半26分には⑳中川歩夢が左からのカットインからクロスバー直撃弾を放った。試合が動いたのは、37分。左から上がった⑨川岸怜央のクロスを⑦吉田寛太が頭で合わせ、瀬戸内が先制した。後半は日本航空のペースで試合が進み、⑩師岡柊生が積極的にゴールを狙ったが、同点弾が奪えない。試合終盤は厚みのある攻撃で瀬戸内ゴールに迫ったが、瀬戸内の体を張った守りを崩せずタイムアップ。瀬戸内が初出場でベスト4進出という快挙を達成した。

初出場でベスト4!
サプライズを起こす瀬戸内の3つの原動力とは?

「ここまで行くとは思っていなかった」と⑨川岸怜央が驚くように、初出場の瀬戸内がベスト4まで進む快進撃を見せている。躍進の原動力は大きく分けて3つ挙げられる。1つは、チームの仲の良さ。ウォーミングアップから全員が声を出しているから、良い雰囲気で試合に挑むことができる。2つ目は、サッカーのスタイル面での成長だ。夏以降取り組んでいるリバプールを参考にしたパスサッカーを「勝っても負けても自分たちのサッカーは続けようと話していた」(⑨川岸)ことが奏功。今大会もトーナメントの序盤では自陣でのビルドアップを狙われ、慌てる場面も見られたが、試合を重ねるごとに堂々としたボール回しを披露し、勝利を引き寄せている。

そして、3つ目が2年前の卒業生であり、現在は鹿島アントラーズでプレーするMF安部裕葵の存在だ。安藤正晴監督はこう話す。「そんな大した選手じゃなかったから、今の子らには『お前ら安部よりもうまいよ』と声をかけている(笑)。僕が育てたことは一個もない。ただ、安部は練習のときも練習がないときもずっとプロを意識しながら、やってきた。寮生に聞いてもずっと筋トレをやってきたとみんなが言う。こうした話をすると在校生たちの意識が変わってくる」。

今でこそJーグやクラブワールドカップのステージで華々しい活躍を披露するが、決して天才と言える選手ではなく、努力の人だった。「まったく有名じゃない選手も安部が活躍することで、全国の高校生の励みになる。誰にでもグッと成長する可能性があることを示してくれた」。安藤監督がそう話す恩恵をどこよりも受けているのは、瀬戸内であることは間違いない。

実際に今年の選手はコツコツと努力を続ける安部の影響を受けた選手が多い。「寮生活が一緒だったけど、オーラがあった」と話す⑨川岸もその一人。「私生活から食べることに気をつけたり、プレー以外でもサッカーにかけていた」(⑨川岸)安部に影響を受け、ピッチ外での意識が変わったという。勝ち上がるに連れて、選手たちの自信は増している。瀬戸内に風が吹いているのは確か。このままの勢いで頂点まで駆け上がれるか注目だ。

監督・選手コメント
瀬戸内・安藤正晴監督
選手がよく頑張ってくれました。ただ、それだけです。今日はうちがボールをつなぐので、相手はカバーを捨ててマンツーマンで挑んできました。そこまでの想定はしてなかったので、前半はビックリしましたし、ハーフタイムには選手に謝りました。ただ、そこを利用し、自分たちで2列目から飛び出してくれたから先制点が取れたと思います。本当はもう少し、ボールをつなぎたかったです。終盤は相手の猛攻を受けましたが、よく粘ってくれました。サイドからのクロスを冷静に対応してくれました。

瀬戸内・⑨川岸怜央
今日は(ボールを)収める場面などで自分のプレーが良くなかったので、次の試合は頑張りたいです。シュートも決めるチャンスがあったのに、決められなかったので悔しいです。前半は相手が攻めた際に裏のスペースが空くので、前線に残って狙っていました。(得点の場面は)クロスの練習はいつもしていて、あそこにあげたら誰かが入ってくれるので、信じてあげました。

日本航空・仲田和正監督
持っている力はほぼほぼ出せたと思うのですが、今日はゴールが遠かったですね。⑩師岡もシュートを積極的に打ちましたが、苦し紛れのシュートが多かった。瀬戸内さんからは執念を感じましたので、我々も見習わなければいけません。失点の場面は2列目からの飛び出しに振り切られずについていってほしかった。サッカーでクロスからのシュートは永遠のテーマ。しっかり仕留めてきた相手に対し、ウチはクロスの精度や中への入り方に差がありました。

日本航空・⑩師岡柊生
選手権の準決勝で流通経済大付属柏高と対戦し、中学時代(FC多摩)にチームメイトだった⑤(関川)郁万からゴールを決めるのが目標でした。チームのために走ることはできたのですが、最後エースとしてチームを助けられなかったのはすごく悔しい。この経験を大学でも生かして、FC多摩の人たちに負けないくらいの活躍をしていきたいです。今大会ではシュートが入らなかったので、これからしっかり磨いていきます。

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