第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 瀬戸内-岡山学芸館

2019年01月03日

森田将義(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

19年1月3日(木)12:05キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客2,184人/試合時間80分
瀬戸内
2

1-1
1-0

1
岡山学芸館
中川歩夢(前半40分)
中川歩夢(後半15分)
得点者 岡田知也(前半26分)

後方から丁寧なパス回しを見せた岡山学芸館のペースで試合は進む。しかし、前半26分にCBのパスが緩くなった隙を逃がさず、岡山学芸館の⑨岡田知也が高い位置でボールを奪取。そのままペナルティーエリア右に持ち込み、先制点を奪った。瀬戸内も意地を見せ、40分には混戦からゴール前にこぼれたボールを⑳中川歩夢が決めた。同点で迎えた後半は、瀬戸内が前線からのプレスを徹底。後半15分には相手エリア中央にこぼれたボールを⑳中川が決めて、瀬戸内が勝ち越すと、そのままタイムアップを迎えた。

初出場ながら8強入り。徹底したポゼッション
サッカーを支える174センチのGK井上大也

初出場ながらも、ベスト8入りを達成。徹底した最終ラインからのポゼッションサッカーが特徴の瀬戸内を支えるのが、安藤正晴監督が「足元はピカイチで、あと10センチ背があれば、Jリーガー。彼がいるから今のサッカーができる。小さいけど、ハイボールにも強くて、県内であれだけ安定しているキーパーはいない」と称賛する守護神の㉑井上大也だ。

 指揮官の言葉の通り、174センチの身長はGKとしては物足りない。だが、「小さくてキーパーをやっている人たちに希望を与えられるような選手になりたい」と大型GKに見劣りしないように努力を続けてきた。③児玉絢が「相手が前から来ても、一つ奥にボールをつけてくれる。キックの精度がとても高いので助かっています」と口にする精度の高い左足キックはそうした努力の賜物だ。CBとのパス交換で、組み立てのスタート地点になりつつ、相手がプレスをかけて来れば、前方にフィードを送る。フィールド選手並みのキックは、憧れの選手として挙げるGK西川周作(J1浦和)を彷彿とさせるほどだ。

もちろん、本業であるセービングの質も高い。この日の前半は持ち味であるキックのミスが目立ったため、「後半に1本か2本ピンチが来ると思っていた。キックがダメな分、カバーできるプレーがしたいと思っていた」。予感が的中し、後半28分には岡山学芸館の⑤上山拳史郎にゴールの上を突かれる決定的なミドルシュートを打たれたが、好反応でCKに逃げた。以降も集中力を保ったセービングで逃げ切りに貢献。失点はしたものの、勝利への貢献度は高かった。

今でこそ絶対的なポジションを手にしているが、ここに至るまでの道のりは決して楽ではなかった。1つ上には、中学時代に世代別代表に選ばれたこともある①藤元瑞樹がいたからだ。ただ、彼が2年生のころにヒザを手術し、1年間プレーできなくなったため、彼にチャンスが訪れた。「藤元さんはすごくうまいんですけど、ケガをされたときにここがチャンスだと思って頑張った」と懸命にアピールに励んだという。今大会は①藤元と⑫長谷川智貴の3年生GK二人が試合に出られなくても、「頑張れよ」と㉑井上に声をかけ、サポートに励んでくれていることが力になっている。彼らと一日でも長く、選手権を楽しむためにも㉑井上は準々決勝以降でも活躍を続けるつもりだ。

監督・選手コメント
瀬戸内・安藤正晴監督
選手が自分たちのやりたいサッカーを貫いてくれました。ボールを丁寧に繋ごうとして、ミスから失点したのですが、ミスした本人も含め、全員「自分たちのサッカーを続けよう」と笑顔を見せていたので、頼もしく感じました。そうした中で点が取れたので、ハーフタイムを明るく迎えることができました。最後は相手に押し込まれたのですが、ゴール前で身体を張って粘り強く頑張ってくれました。

瀬戸内・③児玉絢
自分のミスで相手に先制点を与えてしまった。今までチームに色々、迷惑をかけてきたのにまた助けられたので、そこは反省します。ミスを取り返すために絶対セットプレーで点を取ろうと思っていたのに取れなかったので、次の試合こそは頑張ります。今大会は一つでも多くの試合に勝って、広島に勇気を与えるのが目標です。個人としては自分の持ち味である空中戦やロングキックの精度を発揮したいです。

岡山学芸館・高原良明監督
手の内を知るチームだったのですが、相手の対策というよりは、これまでやってきたことをしっかり挑もうと考えていました。相手のビルドアップを狙った先制点は素晴らしいゴールでしたが、全体的にすでに2試合戦っている分、少し身体が重たく感じる部分がありました。疲労が溜まっている中で、選手は最後まで諦めずによく頑張ってくれました。今年は選手が苦しい状況でも、しっかり耐えて頑張った結果が選手権に結び付きました。インターハイのころから見違えるくらい素晴らしいチームになったので、よくやってくれたと思います。

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