第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 矢板中央-日章学園

2019年01月03日

竹中玲央奈 取材・文

19年1月2日(水)12:05キックオフ/神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場/観客6,127人/試合時間80分
矢板中央
2 1-0
1-1
1
日章学園
望月謙(前半20分)
飯島翼(後半16分)
得点者 オウンゴール(後半19分)

80分の中で活躍を見せたのは矢板中央、190センチの長身を誇るFWの⑭望月謙だった。小柄な日章学園の選手たちを前に空中戦での高さと強さを発揮し、20分にはクロスのこぼれ球を冷静にネットに突き刺し先制点を記録。そしてハイライトは後半16分。左サイドをワンツーで抜け出し力強くボックス内に侵入してPKをゲット。これを途中出場の⑩飯島翼が沈めた。その後、CKから失点をするも問題なし。プリンス関東王者であり、昨年度ベスト4の矢板中央が日章学園を2−1で倒し3回戦に駒を進めた。

スタメン唯一の県外“組” 古賀照也が感じた
強豪校の差と残り2年に向けた決意

今年度、全国中学校サッカー大会で王者に輝いたのは日章学園中だった。11年ぶり3度目の王座に輝いた中学年代の“名門”でもあるが、そのほとんどが日章学園高校に進学する。矢板中央を相手に涙をのんだこのチームがこの日並べたスターティングメンバーのうち、なんと10人がその付属校の出身者。ただ、その中で、DFの④古賀照也は昨年の高円宮杯を制したサガン鳥栖U-15からやってきた唯一の“県外勢”であった。加えて、彼はベンチメンバーを含めた中で唯一の1年生でもある。

そんな彼の選手権デビュー戦はとても印象深いものになった。172センチとCBとして決して上背があるわけではない古賀がこの日、対峙を強いられたのは190センチの矢板中央⑨望月謙。明確な体格差がある中、奮闘はしたもののやはり勝ち切ることができない。結果的に決勝点となった2点目のPKは、力強い突破を図る望月を④古賀が倒して献上したものだった。

「やっぱり、自分たちは身長がない中でどうやって大きいFWや身長が高い選手に対してどれだけ競られるかというのがこの試合の大きなポイントになっていたので、できるだけ逸らさないようにと考えていたのですけど、やっぱり強くて。難しかったです」と悔しながら④古賀は振り返る。

ダメージが大きい2失点目の要因となってしまったが、直後に訪れたCKから1点を返した場面では彼の競り合いが相手DFのオウンゴールを誘った。そしてラストプレー。右のCKから中央に再び飛び込んで合わせるも、枠の大きく外に外れてしまった。そして試合終了のホイッスル。人目をはばからず涙を流し、上級生に慰められる姿が印象的だった。

「PKは自分がファウルをしてしまって。その失点がなければ1−1だったので、ラストワンプレーも死ぬ気で身体の何処かに当てて決めようと思っていたのですが、それができなくて…」(④古賀)

彼にとってこの試合は悪い意味で強く脳裏に刻まれるだろう。

「自分はあと2年ある。この悔しさを来年の選手権を目指す新チームにぶつけていきたいです」。こう誓って、彼はスタジアムを後にした。

監督・選手コメント
矢板中央・高橋健二監督
厳しいゲームでした。日章さんも力があるので。今シーズンは夏のインターハイで九州勢の東福岡に1−2で負けて、プレミアの参入戦の代表決定戦で大津に1−3で負けて。九州勢に2連敗していたので。なんとしても3度目のところで日章に、九州勢に勝ちたいというところでトレーニングをしてきて、ようやく結果が出て、よかったです。

日章学園・早稲田一男監督
とにかくゲームの流れというか、ミスが多くて。やろうとしたことが全然できない前半でした。そこはメンタル的な要素。チームとしてやろうとしているところが統一できなかった。事故みたいな失点だけはしたくないとゲーム前にはいっていたのですけど、結果的にそういう事故に遭遇してしまった。相手の高さを意識しすぎた分、事故につながったのかなと。もうちょっと面白みのあるサッカーがしたかったですね。やれるとも思っていたんですけど、そういう回数が少なくて。最終的にはシュートも少なかったと思うんですよね。

日章学園・④古賀照也
1年間、入学する前から3年生にはいろいろと教えてもらったり、一緒にプレーをして厳しい言葉も言われて。すごくここで恩返しする必要があったのですけど、自分の力不足でこういった形で3年生を引退させてしまって。本当にもっとやっておけばという後悔しかないです。

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