第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 1回戦 富山第一-西京

2019年01月01日

安藤隆人(サッカージャーナリスト)取材・文
古賀庸介 写真

18年12月31日(月)14:10キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客2,654人/試合時間80分
富山第一
3 1-0
2-2
2
西京
佐々木大翔(前半8分)
佐々木大翔(後半11分)
高木俊希(後半40+3分)
得点者 木村悠人(後半28分)
冨田大登(後半38分)

試合は開始早々の動いた。8分、右からのスローインをMF⑩小森飛絢がヘッドですらし、こぼれをFW⑧佐々木大翔が押し込んで、富山第一が先制する。後半11分にもGK①近藤昭宏のロングキックを再び⑩小森がヘッドですらして、⑧佐々木が追加点。だが、西京も後半28分にMF⑪木村悠人が目の覚めるようなミドルシュートをたたき込むと、後半38分には富山第一の2点目と同様の形で同点ゴールを奪う。GK①永見泰樹のロングキックをDF④伊藤大貴がヘッドですらし、FW⑩冨田大登がダイレクトで蹴り込んだ。勝負はPK戦かと思われたが、後半アディショナルタイム3分に、富山第一は⑩小森のFKを途中出場のMF⑰高木俊希がヘッドで合わせ、勝ち越し。3−2で富山第一が2回戦進出を決めた。

富山第一、土壇場の決勝ゴールは、
今年のエースから来年のエースへのホットライン

決勝点は、今年のエースから来年のエースへのコンビネーションから紡ぎ出された。

2-2で迎えた後半アディショナルタイム3分。富山第一は2点のリードを追いつかれるという嫌な流れの中で、右サイドでフリーキックを獲得した。表示されたアディショナルタイムは4分。そして、ピッチサイドには西京の控えGK⑫平山拓海が交代の準備を取っており、このチャンスを逃せば、PK戦突入が濃厚の状況だった。

フリーキックのポイントにエースのMF⑩小森飛絢と2年生DFの㉙真田滉大が立つと、キャプテンのCB⑤中田青と後半22分に投入された2年生MF⑰高木俊希が駆け寄ってきた。⑤中田と⑰高木は共に上背はないが、ヘッドを得意とする選手だ。

「2人が『どこに蹴る?』と聞いてきたので、『㉙真田が蹴ると見せかけて、俺が蹴るから、その間にマークを外してニアとファーに入ってくれ』と話をしました」(⑩小森)。

この緊迫した局面で、彼らは非常に冷静だった。それぞれが立ち位置に散ると、確認したとおりに㉙真田がフェイントとなるアクションを起こし、その瞬間に⑤中田はファーに、⑰高木はニアにそれぞれマークを外して勢いよく飛び込んだ。そして、⑩小森はゴール前に落とすボールを蹴り入れると、⑰高木がゴールキーパーの目の前でドンピシャヘッドで合わせ、決勝弾をたたき込んだ。

⑰高木は3年生主体のチームの中で、唯一の2年生として春先からレギュラーをつかんだ次期エースだった。しかし、10月に足首をねん挫して離脱。復帰を果たしたが、3年生にレギュラーを奪われてしまった。

「すごく悔しかった。でも普段の練習から出番をつかんだらいかに活躍するかを考えてやってきました。今日も『僕の出番はある』と思って、僕が入ったらどうするか常にイメージしていました。いろんなバリエーションの点の決め方や、守備でガツガツ行くことを考えていました」

しっかりとイメージをして試合に入ったからこそ、値千金の決勝弾につながった。「僕がチームを引っ張って、苦しいときに助けられる選手になりたい。今大会はもちろん、来年も常に結果を残し続けられる3年生になりたい」。今年のエースから来年のエースへ。選手権の大舞台でつながったホットラインは、チームのこれからに大きな活力をもたらすだろう。

2回戦以降もこのホットラインがさらに結果を出すこととなれば、それはすなわち来年への希望をもたらすことを意味する。次なる秋田商戦はまさにこれからの富山第一にとって重要な一戦となる―。

監督・選手コメント
富山第一・大塚一朗監督
運動量が落ちて、ネガティブな交代が多かった。初戦は苦しいなとは思っていたけど、何回来ても、やっぱり苦しかったですね。この試合はウチはまずは裏を狙って、こぼれ球を拾って持ち込んで点を取りたかった。その形で点を取れたけど、ちょっとそこで安心をしてしまったのかもしれない。後半2点目も入って、このまま行くかなと思ったけど、1つの失点で本当にがらっと変わるなと。しかもネガティブな交代をして行った中で失点をしてしまったので、余計にそうだった。流れは全然悪くて、半分負けたかなと思うくらいでしたが、よくあそこで交代した2年生がヘッドで入れてくれた。彼はプレミアでも最初のほうは出ていた選手で、なかなか終わりのほうでは出られない日々もあったと思うので、その悔しさを出してくれたと思います。

富山第一・⑰高木俊希
クロスに入るときの予備動作としては、自分がファーで打ちたいならば、最初は軽くニアに体を出してから、ファーに流れて行ったり、自分がニアで触りたいと思ったら、ファーに一回流れてからニアに潜り込んだりする動作です。3点目はそのイメージでした。

富山第一・⑩小森飛絢
ボランチ(9番)が最初からマンマークにずっとついて来て、これをどうはがすかと考えていたのですが、かなりハードワークをしてきたので、はがすのにも苦労しました。ただ自分に相手が来る分、⑧(佐々木)大翔が空くと思ったので、僕がすらして⑧大翔が決めてくれたのは良かったです。インターハイで得点王になってマークが来ると思っていたので、僕がゴール前のアシストだったり、アシストのアシストは意識しました。やっぱり初戦は難しかった。もっと試合の中で修正できれば。

西京・渡邉修身監督
2点を先行されて、ちょっと点を取りに行かないといけない状況の中で、前線を2トップにして、チャンスの回数を増やしたいという形にしました。こちら云々だけでなく、選手たち自身が考えてプレーできる選手たちだったので、そこはよく追いついてくれました。

西京・⑩冨田大登
相手は前線に攻撃に長けている選手がいて、後ろは2人だったので、それを僕が打開したかったのですが、やっぱり全国のレベルが高くて、それができなかった。ゴールは④伊藤(大貴)くんが競ってくれることを信じて裏に走ったら、良い形でボールが来て、ただ当てるだけだったので、みんなのゴールだと思います。2−2になってこのまま勝てると思ったのですが、悔しいです。

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