第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 1回戦 仙台育英-一条

2019年01月01日

粂田孝明(本誌)取材・文
松岡健三郎(本誌)写真

18年12月31日(月)14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客6,711人/試合時間80分
仙台育英
4 4-0
0-2
2
一条
今野太勢(前半14分)
今野太勢(前半24分)
柳生雄哉(前半25分)
三田大史(前半36分)
得点者 岩本涼太(後半7分)
松山知樹(後半27分)

立ち上がりは一条が攻め立てたが、前半14分の得点を皮切りに、一気に仙台育英のペースとなった。セットプレーで先制した仙台育英は同24分、25分に連続ゴール。さらに同36分には⑧三田大史が裏のスペースへ抜け出しダメ押しの4点目をたたき込んだ。しかし後半は流れが一変。後半7分に一条の⑨岩本涼太が1点を返すと、同27分には⑮松山知樹が加点し2点差に。その後も一条が猛攻を仕掛けるも、仙台育英のGK①佐藤文太にことごとくはじかれ終了のホイッスル。仙台育英が1回戦を突破するも課題を残す試合となった。

前半で試合を決めた仙台育英
後半はGK佐藤が一条の猛攻をしのぐ

試合後、仙台育英・城福敬監督が「ピンチをしのぐと、こちらにチャンスがくるのがサッカー」と振り返ったが、まさにこの振り子のような原理が、試合全体を支配していた。

最初のチャンスは一条だった。前半11分に⑨岩本涼太と⑪八木三郎のワンツーから⑨岩本が抜け出し決定機を迎えるが、このシュートは惜しくも枠を外れゴールならず。このシーンを仙台育英④今野太勢は「最初に失点して流れを持っていかれたくなかった」と試合の流れを左右するプレーだったと語り、城福監督は「しのげたことで、精神的に優位に立てた」とターニングポイントに挙げた。

彼らの言葉どおり、このピンチの後、流れは一気に仙台育英に傾いた。ここからは、やることがことごとくうまくいき、怒とうの4ゴール。この前半の40分間だけを見れば、立ち上がりに一条に傾いていた振り子が、前半11分をきっかけに仙台育英に傾いたといえる。

ただ後半に入ると、振り子がまた動き出す。一条の前田久監督はハーフタイムに「残った時間で今できるベストのことをやろう」と声をかけると、選手たちからも「早い時間に2点を返せば振り出しに戻せるぞ」(⑨岩本涼太)とポジティブな発言があがった。一条はこのハーフタイムを境に、別のチームへと生まれ変わった。

「前半はDFラインが下がってしまい、セカンドボールを拾われてしまった」(⑨岩本)が、後半はDFラインを高く保ち前からボールを奪いに行くと、得意のパスワークが冴えわたった。後半7分に⑮松山知樹のパスに抜け出した⑨岩本が冷静に流し込み、早い時間に1点を返すと、ここから猛反撃が始まる。そして後半27分には⑲梅景俊輔のドリブルから⑮松山が決めて2点目をゲット。振り子は完全に一条に傾いていた。

しかしその振り子を真ん中に戻したのが、仙台育英のGK①佐藤文太だった。一条・前田監督は「相手のGKは本当によく止めた。あのGKがうちにいたらスコアは逆だったと思う」と脱帽の好セーブを連発。その後も一条は最後の最後まで攻め立てたが、真ん中に戻ってしまった振り子を自分たちに再び引き寄せることができなかった。

ここ2年はベスト16まで進出していた一条だったが、今回は残念ながら初戦で敗退。しかし交代を含め、出場した15人のうち8人が1・2年生と下級生が半数以上を占めるチームだけに、前田監督も必要以上に落胆していない。「2点取ってくれたので、胸を張っていいのかなと思う」と選手たちの健闘を讃え、時折笑顔を見せながらスタジアムを後にした。

監督・選手コメント
仙台育英・城福敬監督
最初のチャンスは相手にあったが、それをしのげたので、うちに流れがきて4点取れたと思う。ピンチをしのぐとこちらにチャンスがくるのがサッカー。しのげたことで、精神的に優位に立てたと思う。後半はゼロで抑えようと伝えたが、このまま逃げ切ろうという気持ちが緩みにつながってしまった。

仙台育英・④今野太勢
仲間と全国大会に出場できて、また自分も出場できてうれしいし、成長もできた。最初に失点して流れを持っていかれたくなかったので、セットプレーで得点できてよかった。後半はDFラインが低めになってしまった。中盤が空いてボールを拾われてしまった。

仙台育英・⑥柳生雄哉
最初のセットプレーで得点できて、手ごたえを感じることができた。それが自分の得点につながったと思う。4点で満足してしまって、DFラインが下がってしまった。次は自分が中心になってそこを改善していきたいと思う。

仙台育英・⑧三田大史
1試合1得点が目標。この初戦に向けてずっとイメージしていた。監督からは自分の特徴を生かせといわれている。チームとしての役割を考えながら、ボールを失わないようにし、ゴールに直結するプレーをしていきたい。

一条・前田久監督
苦しいゲームだった。前半に4失点して選手たちはよく開き直って戦ってくれたなと思う。後半は残った時間で今できるベストのことをやろうと送り出したが、まさか後半に盛り返せるとは思っていなかった。2点取ってくれたので、胸を張っていいのかなと思う。

一条・⑨岩本涼太
(得点シーンは)チームのために走ったらいいボールがきた。落ち着いてシュートを打つことができた。前半は4失点してあせりがあったが、もうしかたがないので、いかに巻き返せるかを考えた。3年生は僕たち1・2年生を自由にやらせてくれた。2年生から貴重な体験をさせてもらえた。またこの舞台に帰ってきて戦いたい。

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