第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 秋田商-四日市中央工

2019年01月01日

安藤隆人(サッカージャーナリスト)取材・文
古賀庸介 写真

18年12月31日(月)12:05キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客3,413人/試合時間80分
秋田商
2 1-0
1-0
0
四日市中央工
長谷川悠(前半34分)
富田蓮史郎(後半28分)
得点者  

戦後最多の44回目の出場を果たした秋田商と、33回目の出場の四日市中央工との名門対決となった一回戦は、秋田商が前半34分に鮮やかな連携からFW⑦長谷川悠が先制弾をたたき出した。その後も秋田商は⑦長谷川、右MF⑨鈴木宝、左MF⑪鈴木銀華の両サイドが軸となって、ショートパスとロングパスを駆使してリズムを作ると、後半28分にMF⑥富田蓮史郎が追加点。守ってはGK⑫山口雄也を中心に最後まで集中力を切らさず、2−0で名門対決を制した。

秋田商、14年ぶりの初戦突破は、
今季最高のゴールで決めた!

鮮やかな決勝ゴールだった―。

前半34分、浮き球をFW⑦長谷川悠がトラップすると、MF⑧伊藤拓へつなぎ、一気にゴール前に駆け上がると、⑧伊藤は左サイドを駆け上がったMF⑪鈴木銀華に展開。⑪鈴木(銀)はドリブルで縦に仕掛けると、中央へ正確なクロスを供給する。これをファーサイドで受けた⑦長谷川が鮮やかな胸トラップから左足ハーフボレーをゴール右隅に突き刺した。

「選手間の距離を近くして、奪ったボールをうまく味方につなぎながら崩して行く。1点目はまさに今季最高のゴールだった」

秋田商・小林克監督が絶賛したのもうなずけるほど、複数の選手が関わったビューティフルゴール。このゴールは今年の秋田商が積み上げてきたものの結晶だった。

「今年のチームは⑦長谷川と⑨鈴木宝の2人でこじ開けることができるけど、決して彼らだけに頼るチームにはしたくなかった。だからこそ、全体でボールを動かして崩すことをやってきた」(小林監督)

このサッカーを具現化するために後押ししたのが、学校のグラウンドの人工芝化だ。秋田商はこれまでずっと土のグラウンドでトレーニングをしていた。加えて豪雪地帯がゆえに、土の上に雪が降ると雪かきもできず、雪解けの時期になるとグラウンドはぐちゃぐちゃになり、ボール回しのトレーニングにも大きな影響を与えていた。それが昨年11月に綺麗な人工芝グラウンドが完成してからは、練習環境も質も一変した。

「判断力や技術がより磨かれたと思います。土のグラウンドだとどうしてもグラウンドコンディションが悪くて、ボールから目線を切れずに苦戦しましたから」(小林監督)

より周りを見て、距離感やスペースを確認しながらスムーズにボールを動かす。これを1年間徹底してきた成果が、このゴールに凝縮されていた。もちろん、このゴールシーンだけではない。この試合、秋田商は80分間を通じてゲームの主導権を握り続け、文字どおりの完勝劇だった。

次なる相手も富山第一という強豪だが、秋田県勢として14年ぶりの初戦突破を果たした勢いそのままに、『新生・秋商』のサッカーを披露して、さらなる高みを目指す。

監督・選手コメント
秋田商・小林克監督
距離感が良く、奪ったボールをうまくつなぐサッカーができた。1点目は今季最高のゴールですね。複数の選手が関わってゴールを奪う形は、プリンスリーグ東北でも生まれていました。

四日市中央工・樋口士郎監督
今の四中工の現状がそのまま出たゲームでした。何と言いますか、1人1人がタフでたくましくと言う部分で、メンタル的に弱い部分があったり、自分たちでやろうとする決めごとだったり、やらなければならないプレーだったり、やって欲しいプレーがちょっとおろそかになってしまって、自分がやりたいプレーに走ってしまっていた。良いときは良いけど、うまく行かないときに修正できない。強さに欠けていた。どっちかやなと思っていた。今日勝てば、選手権の空気感の中でチームがどんどん成長して行くのを何度も経験していますので、一気に行けるかなと思っていましたが、この結果も悪いほうへの予想の範疇でした。やっぱり高校サッカーはそんなに甘くはないですよ。僕が最後やとかそんなの全く関係ないと思います。

四日市中央工・⑤山本龍平
自分の中では最後まで焦れないという、メンタルコントロールを意識しました。前半のメンタルから試合終了まで同じメンタルを保つことをずっと意識をしてきました。でも全国の厳しさを感じました。直前のプリンスリーグ東海参入戦も、練習試合でもなかなか結果が出ずに、本当に守備に課題があったので、前には申し訳なかった。攻撃で良さが出せて点を取れているのにも関わらず、最後の最後で僕らが失点をしてしまっていた。本当に攻撃の選手には申し訳ないです。失点の要因は自滅というか、自分たちのミスから失点をした。そこのリスクマネジメントが欠けていた。そこをカバーしきれなかった自分の責任でもあります。

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