第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 前橋育英-米子北

2018年01月05日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
高橋学 写真

18年1月5日(金)14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客5,878人/試合時間80分
前橋育英
3 2-0
1-0
0
米子北
角田涼太朗(前半21分)
榎本樹(前半27分)
宮崎鴻(後半28分)
得点者  

立ち上がりこそ米子北が前線から圧力をかけて向かっていくが、15分を過ぎると完全に前橋育英ペースに。両サイドからのドリブル突破やボランチやCBからの鋭い縦パスなど、引き出しの豊富な攻撃で米子北を翻ろうした。そして前半21分にCKから③角田涼太朗が先制すると、27分に左サイドを崩して22榎本樹が追加点。後半に途中投入の⑬宮崎鴻がダメ押しの3点目を奪い、終始相手を圧倒した前橋育英が危なげなく貫禄のベスト4進出を果たした。

攻守に力の差を見せつけた前橋育英
3戦連続無失点でベスト4進出

ワンサイドゲームといっても良い内容だった。米子北が打ったシュートは4本。前半に至っては1本も打たせてもらえなかった。対して前橋育英は12本で3ゴール。数字どおりの力の差を前回準優勝チームが見せつけ、「本当に何もできなかった」と米子北・中村真吾監督も試合後に意気消沈した。

それでも前半の序盤は米子北が前から積極的にプレッシャーをかけ、2トップの⑨城市太志と⑪葉間田累が裏へ果敢に走り込んでロングボールに勝機を見出そうと仕掛けていった。しかし、前橋育英は③角田涼太朗と⑤松田陸のU-18代表コンビを中心に強固な守備で受け止め、巧みなパスワークでプレスをいなした。次第に米子北は前からプレスをかけられなくなり、ブロックで耐える展開となった。そしてそれが破られるのも時間の問題だった。

前半21分、右CKから相手のクリアボールを③角田が左足のゴール。その6分後には⑮渡邊泰基が左サイドをドリブルでえぐると、ニアのクロスに㉒榎本樹が詰めて追加点。畳み掛ける2ゴールで前橋育英が米子北を突き放した。

後半に入ると再び開始から米子北が前から積極的に向かっていくが、それも5分程度しかもたず、立ち上がりの奇襲も難なく抑え込まれてしまった。ゲームを確実なものにしたい前橋育英は後半25分にFW⑬宮崎鴻を投入。その3分後、185センチという体躯に恵まれた⑬宮崎の強みがさく裂する。右サイドからペナルティーエリア中央でパスを受けた⑬宮崎は、右腕のハンドオフでDFを吹き飛ばし、左足でゴール左隅に流し込んで3点目。試合後に「あれが僕の持ち味です」と⑬宮崎も自慢げに振り返った。

その後は厳しい日程を考慮して選手を休ませるように交代カードを切り、最後まで米子北には何もさせなかった前橋育英。今大会未だ無失点という鉄壁を保ち、危なげなく埼玉スタジアムへの切符を手にした。昨年準優勝の悔しさを晴らす舞台まであとひとつだ。

監督・選手コメント
前橋育英
山田耕介監督
ボールはウチが支配すると思っていた。試合前になかなかウチが点を取れない場面があるだろうから、あまり焦らずという話はしていた。なんか手詰まり感というか、もっと裏を突くとか、コンビネーションプレーで崩せたところがあったと思う。ただ、うまいことCKから点が取れたのは大きかった。(ここまで無失点で来られているが)去年もそう言いながら決勝で5点取られているのでまだまだ。日程の厳しい中でも走り切れないとダメなので、そのあとは1日休めるのでなんとか頑張ってやる。それしかない。(前後半)45分になってまたキツくなるが、このためにやってきたのでやるしかない。

⑬宮崎鴻
雰囲気がぬるくなっていたので監督にもう一回火をつけてこいと言われていた。だから盛り上げようと思って入った。(ゴールシーンは)相手が来ていてうまく体を当てられて、ブロックしながら振り向けたのでよかった。絶対に決めてやると思っていたので、めちゃくちゃうれしかった。自分が出るときは苦しくなったときとかだと思うので、前線で体を張って少しでも時間を作ってチームを助けられればいいなと思ってプレーしている。去年は本当に悔しくて、どんな形でもまたこの場所に戻ってくるとそれだけを目指してやってきたので本当にうれしい。やっぱり埼スタでゴールが決めたい。

⑤松田陸
去年は初めての全国で、今年はそれに慣れているところがあるので、そこの経験は大きいと思う。去年は結構緊張したが、今年はそれを知っているからやりやすい。ここから先はワンプレーワンプレーが大事で、一つのミスで負けたりするので、一本のパスだったり、そういうところを丁寧にやっていきたい。

③角田涼太朗
去年はGKに助けられたりとか、相手に助けられたりとか、そういう展開が結構多くて、今年はシュートまで持って行かせないように守備をしている。選手権は何が起こるか本当にわからなくて狙っていないシュートでも入ってしまったりとか、そういう怖い部分がある。その可能性を少なくするために、前線の選手がプレッシングやプレスバックをしてくれるので、あとは自分たちが限定されたところを抑えるだけ。

米子北
中村真吾監督
完敗だと思う。圧力で下がらされたというか、イニシアチブを持ってこっちが守ったというよりも、あそこまでラインを下げさせられて前に出られなかった。ずっと押し込まれていた。攻守の切り替えも向こうが上回っていて、奪ってもまたすぐに奪われて、パス一つつなげられなかった。(前橋育英は)サッカーの質もそうだし、去年は準優勝ということで今年は優勝しかない。日ごろの練習からそういうことを意識しながらやっていると思うので、そこの違いかなと思う。

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