第96回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 日章学園-佐賀東
2018年01月03日
六川亨(フリーライター)取材・文
新井賢一 写真
18年1月2日(火)12:05キックオフ/東京都・味の素フィールド西が丘/観客2,037人/試合時間80分 | |||||||
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日章学園 |
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佐賀東 | |||||
佐藤颯汰(前半9分) 河原淳(前半19分) 河原淳(後半27分) 木津蒼(80分+2分) |
得点者 | 中里知己(前半5分) |
キックオフ直後の3分、佐賀東のDF④中村恒介の縦パスに反応した⑨中里知己が抜け出し、GKと1対1から冷静に先制点を流し込む。しかし2日前の1回戦に比べ、早稲田一男監督が「目指している人とボールが動くサッカーができた」という日章学園は、9分にエースの⑩佐藤颯汰が同点弾を決めると、10分後には⑩佐藤(颯)のアシストから⑨河原淳が逆転ゴール。後半も攻撃の手を緩めない日章学園は、好機で着実に加点して九州対決を制した。
蘇った全員攻守のサッカーで佐賀東を粉砕
流経大柏には「戦うスピリットを持って臨む」
大量4点を奪った日章学園だが、目を引いたのは攻撃力ではなく守備力だった。前線からのプレスに加え、ハーフウェーラインから自陣5メートルほどに設定したミドルサードでは、複数の選手がボール保持者を囲んでパスコースを分断する。そして前半9分、相手陣内で佐賀東のコントロールタワー⑩小野真稔のキープを、⑨河原淳と⑩佐藤颯汰の2人で挟んでボールを奪うと、⑩佐藤(颯)がドリブルで仕掛けて同点に追いついた。
さらに前半19分、相手陣内左の深い位置で⑧恩塚幸之介がボールを奪うと⑩佐藤(颯)にパス。⑩佐藤(颯)は体幹の強さを生かした力強いドリブルでサイドをえぐるとマイナスのクロス。これを⑨河原が左足でゴール左に流し込み逆転に成功した。
試合後、佐賀東の蒲原晶昭監督が「先制して同点にされたのが痛かった。小野がボールを取られて少し足が止まった。さらにボランチがボールを取られて逆転された。勇気を持てなくなり、いつも通りできなかった」と悔しがったように、鮮やかなショートカウンター2発での逆転劇だった。
後半も全員がハードワークした日章学園は、佐賀東につけ入る隙を与えず2点を奪いつつ、交代枠5をフルに使って、控えGK⑰寺田恭一郎に「こういう雰囲気を味わわせたかった」と余裕の采配。
1回戦の北陸戦に比べ守備意識の向上を早稲田監督に聞いたところ、「1回戦とは雲泥の差。相手はそんなに速い攻撃ではなかった。裏を取られるほうが怖かったが、つないできたのでやりやすかった」と本音を漏らした。
一方の蒲原監督は、昨年の対戦で2勝していたため、「上を狙っていたので、今日は不完全燃焼で残念な終わり方。向こうはボランチを消してくるのは想定内。そういう中でもやれないといけない」と課題を口にした。
2回戦を突破した日章学園の対戦相手は優勝候補の一角である流通経済大柏。早稲田監督は「最初の目的が(2回戦突破の)ここで、あとは流経とどれだけやれるか。戦うスピリットを持って明日の試合に臨みたい」と闘志を燃やしていた。
監督・選手コメント
日章学園
早稲田一男監督
失点した後、バタバタすることなく早い時間に追いつけて、前半に勝ち越しできたことがこの結果につながった。イージーミスが少なくなって、目指している人とボールが動くサッカーができた。明日は120から150パーセントの力が必要になるが、前半の失点だけは避けたい。先に失点しないのが明日のゲームプランです。
⑨河原淳
きつい時間帯に点が取れて、こういう結果につながったと思います。
佐賀東
蒲原晶昭監督
(昨年2勝を)やりにくい、やりやすいは、あまり意識していません。3失点目はポジションチェンジ(を指示)して、バランスが崩れた。監督のミスです。
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