第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第95回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 尚志-ルーテル学院

2016年12月31日

森田将義(フリーライター)取材・文
小川博久 写真

16年12月31日(土)14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客6,720人/試合時間80分
尚志
4 1-2
3-0
2
ルーテル学院
⑨渡部公平(前半12分)
③進藤雅也(後半5分)
⑳井上真冬(後半23分)
⑨渡部公平(後半29分)
得点者 ③谷本玲弥(前半27分)
⑪永田紘基(前半36分)

試合開始とともに、機動力に長けた1トップの⑨渡部公平を起点に2列目が仕掛ける尚志が好機を演出。前半12分にはサイドからのクロスがPA内でハンドを誘い、PKを獲得すると⑨渡部が決めて尚志が先制した。しかし、ここからルーテル学院が反撃を開始し、27分にはCKから③谷本玲弥がヘディング弾を決めて追いつくと、36分には⑪永田紘基が連携から逆転ゴールを奪い、試合を折り返した。後半は尚志が再び攻撃のギアを入れる。後半5分にCKから③進藤雅也がヘディングシュートを放つと、こぼれ球を自ら押し込み試合は振り出しに。23分にもCKから⑳井上真冬が決めると、28分には⑨渡部がダメ押しとなる4点目を決めて、試合終了を迎えた。

得意の右足キックがさく裂
攻撃的SB常盤悠が3点に絡み尚志が勝利

「右足のキックは高校生レベルではない」。S級ライセンスを保持する仲村浩二監督が一目置くほど正確な⑥常盤悠のキックが初戦から炸裂した。最初に見せ場が訪れたのは前半12分。サイドからゴール前に低いクロスを入れると、「感覚で蹴ったら、良い感じにボールが飛んでいった」と相手のハンドを誘発。⑨渡部公平のキックがゴールネットを揺らし、試合を動かした。前半のうちに2点を失い、追いかける展開となった後半は前線が積極的に仕掛けた結果、FKとCKを獲得する機会が増え、⑥常盤らしさがより引き出される展開に。後半5分と23分には右CKをまっすぐゴール前に送り込み、2ゴールをお膳立てした。存在感を発揮したのは、キッカーとしてだけではない。後半7分には相手PAまでオーバーラップしてゴールを狙うなど攻撃力のアップにも大きく貢献。「自分の長所はキックの精度とオーバーラップのタイミング。DFなんですけど、攻撃の部分を見てもらいたい」という意気込みを存分に体現した。

3点に絡む活躍の原動力となったのは昨年味わった悔しさだ。チーム唯一の下級生として試合に挑んだものの、思いどおりのプレーはできずに終わった。原因として挙げたのは前日の練習や体調管理、食事など、試合に至るまでのプロセス。万全の準備ができなかったため、ピッチを走り回ることができなかったが、高校生活ラストイヤーとなった今年はサプリメントを摂取。食事にも気を使うなど万全の状態で試合に挑んだ。

同時に「いつも試合前にトニ・クロースの動画を見ながら参考にしている」というキックもこれまで以上のレベルに引き上げるべく、全体練習を終えてからも自主練で反復練習。この日は「昨年は何もできなくて、すごく悔しい気持ちと情けない気持ちがありましたが、今日はギリギリ自分のプレーができたと思う。こういう舞台で、自分のキックがアシストという形で発揮できてよかった」と自らに一定の評価を下した。仲村監督が「今年にかける気持ちが相当強いので、期待している」と口にするように、評価は高い。2回戦以降も⑥常盤らしさを発揮できれば、自ずと勝利がついてくるはずだ。

④監督・選手コメント(※各人要点をまとめた短めのものでOKです)
尚志
仲村浩二監督
前半の内容は悪くなかったのですが、ボールをつないで安全にプレーしようと気持ちが強かった。かっこつけていると言いますが、選手権という場でかっこいいプレーをしようとしているように見えました。試合を終えて帰ったときにはユニホームが破れたり、スライディングをして短パンを破れた選手がいるくらいでないと選手権では勝てないぞとハーフタイムに伝えました。また、応援してくれているサブの選手や地元に残っている選手に対して、こんな試合は失礼だとも言いました。後半は少しピリッとしてくれてよかったです。

⑥常盤悠
今日は初戦ということで、緊張していた部分がありました。ハーフタイムには監督からゲキを飛ばされたことによって、チームの雰囲気が良くなりましたし、もっとやらなきゃいけないという想いも強くなりました。2回戦はしっかり今日の悪かった部分を反省して、チームの長所を出していければと思います。あそこで監督が良い言葉をかけてくださったおかげで、良い形で後半に挑むことができました。

ルーテル学院
小野秀二郎監督
力の差を痛感した試合でした。前半は尚志さんも緊張をされていて、イージーなミスもありました。コンディション的にも球際やセカンドボールで勝てていましたが、競り合いでもうちのほうがやや有利な状況だったと思うのですが、後半に入ってからは尚志さんが息を吹き返したのに対し、うちは予想以上に疲労感を出してしまいました。運動量を出さなきゃいけない後半に出せなったことが残念な結果につながったと思います。

⑩島津玲斗
先制点は事故のような失点だったので、みんなで「やられたわけではないから。落ち着いてやっていこう」とみんなで声をかけ、逆転して前半を終えることができたのですが、後半は守備ラインを上げようと鼓舞していたのですが、思うように上がりませんでした。相手は身長があるチームでいちばん怖かったのはセットプレー。自分たちが引いて守ってしまったせいで、セットプレーを与えてしまい、そこから失点が続いたことが敗因だったと思います。

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