第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第95回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 聖和学園-海星

2016年12月31日

河合拓(フリーライター)取材・文・写真

16年12月31日(土)12:05キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客4,796人/試合時間80分
聖和学園
2 0-0
2-0
0
海星
⑥藤井僚哉(後半35分)
⑩西堀駿太(後半38分)
得点者  

前半から試合の主導権を握ったのは海星だった。人数をかけたプレッシングで聖和学園のボールを奪い、自陣までボールを運ばせない。しかし、決定機を決められないまま、前半を折り返す。後半に入ると、徐々に海星のプレスがかからなくなってくる。相手に生じたスキを逃さなかった聖和学園は、⑥藤井僚哉が抜け出してミドルシュートを決める。その3分後にも⑥藤井が右サイドを突破。折り返しを後半途中から出場した⑩西堀駿太がゴールに押し込み、聖和学園が1回戦を突破した。

力を出し切ったが、届かなかった先制点
海星の3年生が残したメッセージとは

サッカーの勝敗が判定で決するものであれば、この日の勝者は海星になっていただろう。ボールスキルが突出している聖和学園に対して、前線からプレッシングを掛けていった海星は互角以上に渡り合った。特に前半は、ほとんどハーフコートでゲームが進められた。聖和学園は、ロングボールをほとんど蹴らない。ゴールキックの際は、必ずサイドに開いたDFにボールをつける。全員がドリブルを第一選択肢に置くため、センターバックはファウルをする回数よりも、ファウルを受ける回数が多いほどだ。

海星は、そんな相手をよく研究していた。複数の選手で相手のボールホルダーを囲い込み、ボールを奪いにいく。そして、ボールを奪い取ってからは、可能な限り速く攻め込む。もちろん聖和学園の選手たちもボールを失ったあと、すぐに奪い返しにいく。普通のチームであれば、ここでボールを奪い返され、一瞬前掛かりになったところを突かれるのだが、海星にはタレントもいた。⑩三輪翔真、⑭水谷恭平、⑰上陰統己という前線の3人は、しっかりとハードワークをしていたが、個々のスキルも高かった。試合後、海星の青柳隆監督は、相手のプレスをいなし続けた⑭水谷について「ベンチでコーチ陣も『アイツは、聖和さんのスタイルのほうが合っているのかもしれないな』と話していたんです」と明かしたが、彼らの存在があったからこそ、海星は攻勢に試合を進め続けた。

しかし、彼らに足りなかったのは、チャンスを得点に結びつける力だった。聖和学園GKの⑫吉田龍生の好セーブに阻まれること3度、その他にもシュートを枠に飛ばせない場面もあった。前半から細かくボールを動かす相手を追い続けた代償は、小さくなかった。後半の20分を過ぎるとプレッシングが思うようにかからなくなり、ボールを運ばれる回数は増えていき、聖和学園の2つのゴールが生まれた。0-2で敗れた海星だが、青柳監督は、「やり切ったと思います。自分たちは、そんなに強くないので。やれることはやろうと言っていたので」と、悔しさよりも充実感を見せた。そして、「後輩への良いメッセージになったのではないかと思います」と、先発メンバーに2年生が4人名を連ねている若いチームには、初めての選手権での経験が生きていくだろうと語った。

④監督・選手コメント

聖和学園
加見聖司監督
向こうが中盤のつぶしあいを挑んできたので、うちはそこをかわさずに逃げないこと。そこをかいくぐれば絶対にチャンスになると思っていました。駆け引きがない中で、不用意なパスをしたり、逃げのパスをしたら、体にもガツガツとプレッシャーが来るので、「相手はそうやってくるんだから、ムキになるよりも、おまえらは力を抜いてやれ」と言いました。先制点の前から、点が入りそうな匂いはしていました。どこかで入ってくれればいいなと思っていたところで、得意な形で(⑥藤井が)決めてくれました。良いゴールだったと思います。

⑥藤井僚哉
ハーフタイムには「もっと自分たちのサッカーをしろ」と言われました。あまり楽しめていなかったのですが、「楽しめ」と言われたので、後半はちょっとは楽しめたと思います。(得点シーンは)ああいうパターンは、日ごろの練習でもよくやっていて、あそこをかわせたら打つというイメージがあったので、イメージどおりでした。打った瞬間は、ポストギリギリのところに飛んだので、ポストに弾かれるか、入るかだなと思っていました。聖和には2回戦の壁がありますが、そこは気にしないで、自分たちでつかみ取った1回戦の勝利なので、(2回戦も)楽しむことを考えたいと思います。

⑩西堀駿太
ゴールを決めることができたのは良かったです。ただ得点した場面以外にも、チャンスはありました。そこを決められなかったのは反省点ですし、2回戦以降は決めていきたいと思っています。今年のチームは(聖和学園)史上最弱と言われていましたが、2回戦に勝って史上最高の代になりたいと思います。

海星
青柳隆監督
相手は一人ひとりがうまいので、そこを奪い取ってショートカウンターというのを狙っていました。前半も、後半も、自分たちのやりたいことはほぼできたかな、と。あとは、ハーフタイムにも言ったのですが、最後を決めるところでした。プレスもかかっているし、最後の決定力というところを言い続けたのですが、そこが決まらなくて、結果的に負けてしまいました。先制点が欲しかったのですが、そこは甘かった部分です。

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