第94回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第94回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 前橋育英-帝京第三

2016年01月04日

平野貴也(フリーライター) 取材・文

16年1月3日(日)14:10キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/試合時間80分
前橋育英
3 1-0
2-1
1
帝京第三
横澤航平(前半25分)
吉田朋恭(後半10分)
馬場拓哉(後半15分)
得点者 松本大輔(後半31分)

2戦目を迎えて硬さの取れた前橋育英が、攻撃力を存分に発揮した。前半から左MF⑬金子拓郎がキレのあるドリブルを披露。25分に左サイドを破ってクロスから⑩横澤航平が先制ゴール。後半もセットプレーの流れから⑬金子が今度は右を華麗に突破してクロスから追加点。さらに後半15分には左CKからダメ押しの3点目を奪った。

帝京第三も粘りを見せたが、終盤にセットプレーのこぼれ球を⑲松本大輔が押し込んで1点を返すのが精一杯だった。

チームのキャリアの
差が出た一戦

チームとしてのキャリアの差が、如実に表れた。第94回全国高校サッカー選手権の3回戦、前橋育英は3-1で帝京第三を下して準々決勝に駒を進めた。
前橋育英は、前回の準優勝チーム。しかし、今季は思うような結果が出ず、夏の高校総体では全国大会出場を逃しており、秋から自信を再構築。この試合でドリブル突破から2アシストを決めた左MF⑬金子拓郎が「夏の高校総体では、県予選の決勝で焦って何もできなかった。夏に負けたことで、全国で準優勝したのは昨年のチームで自分たちじゃないということがハッキリした。だから、夏はチャレンジャーだということを明確に意識して厳しい練習をやってきた」と話すように、足元を見つめ直してはい上がってきた。
一方、帝京第三は強豪校が参加しているルーキーリーグU-16で1年次から実力を示して来た、自信のある世代。今季は県大会をことごとく制覇し、高校総体も全国大会でベスト16。今大会直前には来季からのプリンスリーグ関東参入も決めるなど勢いに乗っていた。実際に、大会が始まってからも2連勝。前日の2回戦では、8得点で大勝を飾った。この日は、入場前から奇声を発して盛り上がっていたが、ピッチでは意気消沈。先手を奪われるとペースをつかめず、終盤に1点を返すのが精一杯だった。帝京第三の主将を務める⑥木村祥太郎は「10番(横澤)と13番(金子)が起点でゴールを取っていることは知っていたけど、1、2回戦の相手と全然違うドリブルでうまくついていけなかったのが正直なところ」と⑬金子たちの動きに戸惑いを覚えていたことを明かした。
帝京第三が勢いで上回る可能性は、実際にあった。前橋育英の山田耕介監督は「もっとつないでくるのかと思ったけど、蹴ってきましたね。あれ? 蹴ってくるのかよと思って最初は戸惑った。(相手のロングボールを)選手がしっかりと競っていなくて、そんなことで試合に出ていない選手が認めるわけないだろうという話をした」と前半の出来に不満を示した。帝京第三が1点を返した場面は、セットプレーでロングボールを蹴りこんだ後のこぼれ球を詰めたもの。活路を見い出せる可能性はあった。しかし、帝京第三の⑥木村は「ロングボールを蹴って押しこむことができなかった」と反省の弁を残した。打開できるはずの場面を打開できなかった帝京第三、思わぬ事態にも素早く修正をかけた前橋育英。チームキャリアの比較で勝負が決まるわけではないが、全国8強レベルの戦いのベースを知っていた前橋育英と、16強の壁を越えたことがない帝京第三の違いは、大きかった。

(コメント)
前橋育英
山田耕介監督
特に前半は、良くなかった。ミスが多かった。昨日もミスは多かったけど、魂を感じるプレーが多かった。(勝因は)向こうが3戦目、こっちが2戦目という違いも大きかったと思う。(前日の2回戦から)先発GKを変えたのは、相手の特徴に合わせただけ。前に出て行くタイミングが良く、ゲームをコントロールできるタイプだから、今日は⑫平田にした。昨日、①山岸がミスをしたから変えたわけではない。

⑩横澤航平
ゴール前での精度を欠いたり、シュートを打ち切れなかったりと、自分の出来は40点くらい。後半は、体もしんどくなってきた。大津も帝京第三も素晴らしいチーム。この先、勝って来た相手に申し訳ない試合はできないという気持ち。

⑤尾ノ上幸生
相手の守りが同サイドに寄るので、逆サイドに展開して速い攻撃をするようにした。(初戦の)大津戦を反省して、自分たちの良いところをもっと出して、悪いところをなくそうと話して臨んだ。話し合いができるのが、このチームの良いところ。

帝京第三
⑥木村祥太郎
ベスト16の壁は厚いですね。システムを変えたりしたけど、背後のボールをシャットアウトされて、自分たちの攻撃ができなかった。僕らは今年プリンスリーグに上がった(昇格を決めた)身で、向こうは1年間プリンスリーグを戦った。その差を感じた。1失点目は自分のところからやられて、2失点目は自分のファールから。申し訳ない気持ちでいっぱい。

⑲松本大輔
点を決められたのは良かったけど、結果的に負けたので悔しい。得点は、こぼれ球を当てるだけだった。あそこから2、3点いければと思ったけど、いけなかった。自分はDFだけど、パワープレーで投入するかもしれないということはいわれていた。

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