第94回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第94回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 國學院久我山-神戸弘陵

2016年01月04日

川端暁彦 取材・文

16年1月3日(日)14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/試合時間80分
國學院久我山
2 1-0
1-1
1
神戸弘陵
小林和樹(前半39分)
澁谷雅也(後半10分)
得点者 土井智之(後半1分)

國學院久我山の地力が確かに優った試合だった。共にボール保持を重んじるチーム同士のつばぜり合いのような展開を経た前半終了間際、CKから國學院久我山が先制点を奪取。後半開始早々のスキをつかれて神戸弘陵FW⑨土井智之に見事なボレーシュートをたたき込まれたものの、ここで動じることなくゲームを運び、後半10分に激しいプレッシングで相手ボールを奪ったところをFW⑩澁谷雅也が蹴りこんで決勝点。DF②野村京平を核とする守備陣の奮闘も光り、2-1での快勝となった。

國學院久我山に目立つ
守備力とフィジカルの優位性

「美しく勝つ」ことを目指し、パスワークを重んじるスタイルで知られる國學院久我山だが、今大会で目立っているのは守備力とフィジカル面の優位性かもしれない。この日も2回戦からの登場だった神戸弘陵を最終的には走力で上回り、最後は走り勝った印象すら残した。三栖英揮フィジカルコーチらの指導によるコンディショニングと体作りの成果なのだろう。

もちろん、フィジカルというのは走力だけを指す単語ではない。「ずっとやってきたフットワークのトレーニングの成果を感じる」と語るDF②野村京平は、この試合で最も高いパフォーマンスを見せていた選手の一人。かつては苦手だったという足運びも、1年生のときから重ねてきたトレーニングで大幅に改善。後半開始早々の失点はチームとしての油断も感じる痛恨な形だったものの、神戸弘陵の強力な前線コンビに対して柔軟に対応し続けた。決して大柄ではないが、空中戦の対応も巧みで、簡単に競り負けたり、当たり負けたりすることもない。「ちゃんと(守備が)セットされている状態なら崩されることはない」(②野村)という自信の発言も飛びだした。

②野村は今年、1年生GK①平田周を後方に、1年生DF④上加世田達也を横に従えてゴールを守っている。さぞや苦労もあるだろうと思ったが、「①平田は3年生みたいな風格があるので問題ないですよ」と笑いとばした。④上加世田との連係もすっかり成熟しており、この日も意図的に縦関係を作って背後を狙ってくる相手に対して、巧妙にチャレンジ&カバーのバランスを維持し続けた。

次なる準々決勝、前橋育英戦での目標は「守った上で、点を取りたいです」と笑う。「いつも『俺に合わせてくれ』といってはいるんです」という男に、「合う」のか? 組織された守備とは違う、特に練習していないという國學院久我山ならではの即興のセットプレーで守備の要が輝くのか、ちょっと期待してみたい。

(コメント)
國學院久我山
②野村京平
前半の最初のほう、よく集中切らさず守れたと思う。終盤にセットプレーのチャンスを相手に与えてしまっていたことは課題。自分が引っ張らないといけないという気持ちはある。夏合宿を終えてからチームとして粘り強さが付いてきたと思う。

⑭名倉巧
守備ではチームにプラスになれたと思うけれど、点は取りたかった。最初は相手にペースを握られて久我山らしいサッカーができなかった。最後まで走りきる練習をやっている成果は出た。(次戦の)前橋育英は強豪のイメージがあるし、勝ったこともないと思うので勝ちたい。

神戸弘陵
⑩入谷子龍
結果を出すことだけを考えていた。後半の最初に(アシストが)できたけれど、逆転はできなかった。セカンドボールを拾えてなかった。

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