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Match Report マッチレポート

第90回全国高校サッカー選手権大会 レポートコラム

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トーナメント表
大会概要
2012/1/3

第90回全国高校サッカー選手権大会 3回戦 四日市中央工-立命館宇治

平野貴也(フリーランス) 取材・文

12年1月3日(火)/12:05キックオフ/千葉県・市原臨海競技場/観客4813人/試合時間80分

四日市中央工
0-0
1-1
PK
4-2
立命館宇治
浅野(後半40+1分) 得点者 谷口(後半5分)

キックオフ直後から四中工が猛攻を仕掛けたが、相手GKの好守に阻まれて次第にペースを失った。後半は立命館のペースで進み、⑨谷口純基のゴールで先制。その後も立命館宇治が主導権を握っていたが、アディショナルタイムに四中工は左CKから奇跡の同点ゴールを決めて粘り腰を見せた。四中工はPK戦で1年生GK21中村が2本を止める活躍を見せて勝利。辛くも準々決勝進出を決めた。

四中工、劇的同点からPK勝利
試合の流れを手放し大苦戦

 試合のペースが面白いように変わった一戦だった。立ち上がりは完全な四中工ペース。キックオフ直後、3戦連続ゴールを狙う⑨田村大樹が鋭くドリブル突破。シュートは相手GKの好守に阻まれたが、インパクトを与えるのに十分な攻撃だった。面食らった立命館宇治に対し、怒とうの攻撃を展開。10分には右MF⑧寺尾俊祐のシュートがポストに嫌われる惜しいシーンもあった。13分には速攻から田村翔が決定機を迎えたが決め切れず、15分にFKから②坂圭祐が放ったヘディングシュートは枠を外れた。後に四中工の樋口士郎監督が「外しまくれば、どうしてもああいう流れになる。どれか一つでも決めていれば違ったと思う」と振り返る、チャンスのオンパレードだった。

 四中工は高い位置でのパスカットが目立ち、ショートカウンターで次々にゴールへ迫った。いつ得点が生まれてもおかしくない展開だった。しかし、向かい風や連係ミスでパスがずれる場面が次第に目立ち始め、ズルズルと試合のペースを失っていった。前半30分を過ぎると、相手の壁パスなどに慣れてインターセプトが機能し始めた立命館宇治が反撃。33分にセットプレーから②和田将平のシュートがクロスバーをたたき、37分には左からのクロスを⑬北岡慧悟がシュートするなど劣勢の流れを完全に払しょくした。

 後半も立命館宇治のペースが続いた。後半5分、主将の⑤玉田健斗が最終ラインから繰り出した鋭い縦パスを起点に攻撃。ボランチの⑧小中優樹、⑪永井健人とつないでシュート。こぼれ球を⑨谷口純基が押し込んで先制に成功した。四中工はすかさず後半6分に右CKから③西脇崇司のシュートで同点弾を狙ったが、立命館宇治のGK21泉谷寛治が好守。試合開始直後に続き、要所で見せるビッグセーブで試合の流れを掌握した。

 その後も立命館宇治が攻め立てる時間が続いたが追加点は奪えず、試合終盤を迎えると風上の四中工がなりふり構わずゴール前への放り込みを敢行。CKなどセットプレーが続き、ゴリ押し攻撃で同点ゴールを狙った。そして残りもワンプレーかツープレーというアディショナルタイム、左CKを、ニアサイドへ飛び込んだ⑯浅野拓磨が押し込み、会場がどよめく同点劇を演出した。

 PK戦は大当たりを見せていたGK21泉谷を擁する立命館宇治が有利のようにも見えたが、PK戦での技術は四中工の1年生GK21中村研吾が上だった。2本目までは決められたが、相手が打つまでじっと動かずシュートコースへしっかりと跳んだ。そして3本目をセーブ。立命館宇治の守護神21泉谷は、読みの鋭さを見せようとしたが動き出しが早く、シュートコースへ跳ぶことができなかった。4本目をストップしたものの、キックより早く動いたためかやり直しとなり、決められた。すると四中工の中村が4本目を連続セーブ。5人目を待たずに2点差となったため、四中工の勝ち上がりが決まった。

 四中工にしてみれば、前半の決定力不足で試合の流れを手放しただけに、PK戦で辛くも勝利を拾った印象だ。一方、立命館宇治は苦しい立ち上がりをしのいでばん回しただけに逃げ切りたかったところ。得点が生まれやすいといわれるアディショナルタイムのワンプレーですべてがひっくり返った一戦だった。


(監督・選手コメント)
四日市中央工・樋口士郎監督

前半は意図した攻撃ができていた。何本かでも決めていれば楽だったはず。ただ、サッカーの世界ではあれだけ外しまくると、相手にワンチャンスで決められてしまうもの。後半は焦ってしまい、思うようなサッカーができなかった。GKの中村は昨日の2回戦で試合中のPKを1本止めているので「昨日、練習しただろう?」と話をした。ここいちばんで強い印象がある。やはり何かを持っているのかもと思った。

四日市中央工・⑰國吉祐介
最後に勝つことができて本当にうれしかった。泣きそうでした。PK戦は蹴りたい人が蹴った。トレーニングは普段からしている。僕は1番目か5番目。(下級生が多く)みんなが緊張する順番なので。まあ、僕も本当は緊張するんですけど。

立命館宇治・梁相弘監督
ボールが収まっていたので、もったいなかった。相手は前半に飛ばし過ぎて後半は動けなかったのでラッキーだった。最後はセットプレーでやられたが、うちはセンターバックが強くて忍耐力のあるチーム。京都での弱い者いじめのような試合はすごかったけど、全国では簡単には勝たせてもらえない。

立命館宇治・⑤玉田健斗
3年間、楽しかった。梁監督に教えてもらってここまで成長できた。勝てる自信があったので、負けてしまい悔しかった。全国大会は1勝で終わったけど、後輩たちにはこの経験を今後に生かしてほしい。四中工には優勝までいってほしい。

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